「テックファースト」「組込型金融」──GMOあおぞらネット銀が目指すバンキングの未来とは

ムコハタワカコ

DXインタビューテクノロジー金融・銀行・暗号資産
2018年7月にインターネット銀行事業を開始したGMOあおぞらネット銀行。4年目を迎えた今年を「第二創業期」と位置付け、7月には中長期事業戦略を発表した。

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エンジニアファーストで新たな挑戦を続ける同社では、フィンテック(金融関連の革新的テクノロジー)や金融サービス、銀行の今後の在り方について、どのようにとらえているのか。

GMOあおぞらネット銀行代表取締役会長の金子岳人氏に、国内外のフィンテックの動向と、それを踏まえての同社の「組込型金融サービス」に関する取り組み、そして今後「究極のテックバンク」を目指すにあたって、どのような未来を描いているのか、話を聞いた。

海外ではオープンバンキングへの流れが加速

金子氏はまず、フィンテック企業の動向について「国内外問わず拡大している。日本では欧米・アジアなどに比べて出遅れ感があったが、ここ2、3年は伸びが激しく、肩を並べつつある」と語る。

日本でフィンテックが顕著に伸びた理由については、「法整備が進んだことや技術革新により、新しい金融サービス事業を後押しする環境が整ったことが寄与している」と金子氏。それに伴い、サービスや顧客の範囲が拡大しているという。

「人工知能等の機能がかなり発展してきたこともあって、個人のスマートフォンでの回答履歴や振る舞いをベースに、信用力をスコアリングしてつくるようなレンディング(貸付)サービスなども増えてきています。従来の資金移動や決済だけではなく、新たに貸付やいわゆる『後払い(Buy Now Pay Later)』といった領域まで、サービスが広がってきている。サービス数自体も増えていますし、個人向けに加えてスモールビジネスなど、顧客の範囲、扱う商品群も増えてきているというのが、現在のフィンテックの全体像です」(金子氏)

他方、海外、特に欧米では、革新的なフィンテック企業が相次いで登場していると金子氏はいう。

「欧米ではフィンテック創成期というよりは、本格的なマネタイズが始まっていると考えています。こうしたフィンテック企業では、すでにビジネスモデルが成り立って、きちんと商売として確立してきている。そういう中から、資金移動や決済、ローンといった特化型機能の提供者だけではなく、『ネオバンク』『チャレンジャーバンク』と呼ばれるような総合的な金融サービス、もしくは銀行サービスを展開する企業が出てきています」(金子氏)

GMOあおぞらネット銀行代表取締役会長 金子岳人氏

ネオバンクとは、銀行免許を持たず、既存の銀行などの金融機関との提携により、ネット上で銀行サービスを提供する、金融サービスのモデルのひとつだ。また、自ら銀行免許を取得した上で、インターネットなどのテクノロジーを活用した金融サービスを提供する企業をチャレンジャーバンクと呼ぶ。いずれもインターネット経由で預金口座やローン、振込などの銀行サービスを、単機能ではなく総合的に提供していることが多い。

そして、こうしたネオバンク、チャレンジャーバンクのようなフィンテック事業を支えるITサービス、あるいはプラットフォームの提供者も、欧米では増えていると金子氏はいう。その観点で「オープンバンキングへの流れも加速しているのではないか」と述べている。

オープンバンキングの1つの手法として、銀行が保有する取引データをAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェイス)を通じて開放、外部の事業者がこれに接続・連携して新しいサービスを提供する仕組みがある。金子氏は、この銀行APIによるオープンバンキング実現について「日本ではようやく銀行APIのオープン化が少し進んだ、というところで、海外レベルにはまだ達していない」と分析する。

「欧米では銀行からAPIが提供されるのが当たり前の世界になりつつある。フィンテック企業はその公開されているAPI仕様を見て、自分たちでアプリケーションを作って、フィンテックサービスとして提供している。日本では、それがまだできていない。銀行APIの開放も銀行法改正により対応した、という取り組みが多く、外部の事業者にとっては自由に使えない、使いにくいという声を聞きます。このため、海外のようにネオバンクやチャレンジャーバンクが数多く登場するようなフェイズには至っていないのが現状です」(金子氏)
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ムコハタワカコ

編集・ライター
書店員からIT系出版社、ウェブ制作会社取締役、米系インターネットメディアを経て独立。現在は編集・執筆業。IT関連のプロダクト紹介や経営者インタビューを中心に執筆活動を行う。企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)、組織づくりや採用活動などにも注目している。

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