東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドが、日本を拠点とするディズニークルーズを展開すると発表したことは大きな話題となりました。
クルーズ船の規模は、乗客定員4000人、総客室数は1250室。どこにも寄港しない短期航路ながら、とうとう日本でもクルージングを楽しむ旅のスタイルが本格的に始まるのではないかと思える発表でした。
今のところ、就航は2028年度内(おそらく2029年初頭)を予定している日本のディズニークルーズについて、i4Uでも第一報をお伝えしました。その後も新情報がいくつか発表されましたので、くわしく解説します。
クルーズ船の規模は、乗客定員4000人、総客室数は1250室。どこにも寄港しない短期航路ながら、とうとう日本でもクルージングを楽しむ旅のスタイルが本格的に始まるのではないかと思える発表でした。
今のところ、就航は2028年度内(おそらく2029年初頭)を予定している日本のディズニークルーズについて、i4Uでも第一報をお伝えしました。その後も新情報がいくつか発表されましたので、くわしく解説します。

日本のディズニークルーズで用いられるのとほぼ同型の「ディズニー・ウィッシュ」©Disney
日本のディズニークルーズを東京都がバックアップ
まずは気になる「母港」の話から。日本のディズニークルーズはどこの港から乗れるのでしょうか。
2024年11月19日、オリエンタルランドは、日本を拠点とするクルーズ事業を展開するにあたり、東京港を主要な発着拠点とし、さらに東京都と連携協定を締結したと発表しました。つまり、ディズニークルーズは東京発着であると明らかになりました。しかも東京都というバックアップがつく、大きなプロジェクトです。
より詳細な発着拠点は、最近リニューアルした東京国際クルーズターミナルです。お台場にあり、ゆりかもめの東京国際クルーズターミナル駅から徒歩8分の好立地。かつて船の科学館の巨大な船型の本館があった場所にほど近いところです。
2024年11月19日、オリエンタルランドは、日本を拠点とするクルーズ事業を展開するにあたり、東京港を主要な発着拠点とし、さらに東京都と連携協定を締結したと発表しました。つまり、ディズニークルーズは東京発着であると明らかになりました。しかも東京都というバックアップがつく、大きなプロジェクトです。
より詳細な発着拠点は、最近リニューアルした東京国際クルーズターミナルです。お台場にあり、ゆりかもめの東京国際クルーズターミナル駅から徒歩8分の好立地。かつて船の科学館の巨大な船型の本館があった場所にほど近いところです。
レインボーブリッジがNG⁉“ウィッシュ級”の巨大客船が東京港を選んだワケ
日本でのディズニークルーズの船は、まだ名称は未定ながら、すでにアメリカを中心に運行中の、ディズニー・クルーズラインの最新の船「ディズニー・ウィッシュ」の同型艦です。
現在、ディズニー・ウィッシュ級のクルーズ船は、ディズニー・ウィッシュとディズニー・トレジャーが運行中で、2025年11月には3番艦のディズニー・デスティニーが就航予定です。この4番艦として、今回のオリエンタルランドの船が控えています。
ウィッシュ級の船は、総t数(Gross Tonnage、以下GT)が約14万4000t、長さは341m、高さは67m(水面からは約59m)という、数字だけではその規模が全く伝わらないほど巨大な建造物です。
日本のクルーズビジネスで有名な日本郵船の「飛鳥II」は、5万444GT、長さ241m、高さ45mですから、それよりもはるかに大きな船であることがわかります。
実はその大きさが問題で、ウィッシュ級のサイズの船は、東京のレインボーブリッジや横浜のベイブリッジをくぐることができないのです。つまり、竹芝客船ターミナルや、横浜大さん橋埠頭(ふとう)などのターミナルには到達できない問題がありました。
そのため、首都圏発着の巨大クルーズ船は、非常に限られた場所にしか停泊できません。数少ない選択肢の中から、最も便利な東京国際クルーズターミナルが使えることは、筆者個人としても大変嬉しいニュースでした。
母港が決まったところで、次に気になるのは港までの「アクセス方法」です。
この船は、1回の出航で最大4000人、スタッフを入れると8000人ほどの人が関係するはずです。ですので、出航地点までの交通手段は今後の課題となるでしょう。
本来ならば、東京ディズニーリゾートのある舞浜から直通でお台場まで行けると理想ですが、舞浜とりんかい線東京テレポートは鉄道で結ばれているものの、今後は羽田空港との直結も行われることで重要な路線となるため、クルーズのためだけに専用列車を作ることも難しそうです。
これは筆者の願望でもありますが、できれば、オリエンタルランドがお台場に新たなディズニーホテルを作ってくれれば、ますます面白いことになりそうです。今後の発表に期待したいと思います。
現在、ディズニー・ウィッシュ級のクルーズ船は、ディズニー・ウィッシュとディズニー・トレジャーが運行中で、2025年11月には3番艦のディズニー・デスティニーが就航予定です。この4番艦として、今回のオリエンタルランドの船が控えています。
ウィッシュ級の船は、総t数(Gross Tonnage、以下GT)が約14万4000t、長さは341m、高さは67m(水面からは約59m)という、数字だけではその規模が全く伝わらないほど巨大な建造物です。
日本のクルーズビジネスで有名な日本郵船の「飛鳥II」は、5万444GT、長さ241m、高さ45mですから、それよりもはるかに大きな船であることがわかります。
実はその大きさが問題で、ウィッシュ級のサイズの船は、東京のレインボーブリッジや横浜のベイブリッジをくぐることができないのです。つまり、竹芝客船ターミナルや、横浜大さん橋埠頭(ふとう)などのターミナルには到達できない問題がありました。
そのため、首都圏発着の巨大クルーズ船は、非常に限られた場所にしか停泊できません。数少ない選択肢の中から、最も便利な東京国際クルーズターミナルが使えることは、筆者個人としても大変嬉しいニュースでした。
母港が決まったところで、次に気になるのは港までの「アクセス方法」です。
この船は、1回の出航で最大4000人、スタッフを入れると8000人ほどの人が関係するはずです。ですので、出航地点までの交通手段は今後の課題となるでしょう。
本来ならば、東京ディズニーリゾートのある舞浜から直通でお台場まで行けると理想ですが、舞浜とりんかい線東京テレポートは鉄道で結ばれているものの、今後は羽田空港との直結も行われることで重要な路線となるため、クルーズのためだけに専用列車を作ることも難しそうです。
これは筆者の願望でもありますが、できれば、オリエンタルランドがお台場に新たなディズニーホテルを作ってくれれば、ますます面白いことになりそうです。今後の発表に期待したいと思います。
“豪華客船のライバル”と手を組み“鬼に金棒”のディズニークルーズ
そして筆者が個人的に特に驚いたのは、2025年2月に発表された、オリエンタルランドと日本郵船、そして郵船クルーズとの業務提携の知らせ。
日本郵船と郵船クルーズは、上記でもご紹介した日本のクルーズビジネスの象徴ともいえる客船「飛鳥」を運営しています。
つまり、オリエンタルランドは、日本郵船グループとともに、日本でのディズニークルーズのコンサルティングや、クルーズ船の船舶・運航管理について準備中なのです。これは「鬼に金棒」といえる提携でしょう。
現在、日本郵船は最新の船「飛鳥III」を建造中です。しかもその建造は、ディズニー・ウィッシュや日本のディズニークルーズ用の客船を手がけたドイツの造船会社マイヤー・ヴェルフトによるもの。「飛鳥III」はちょうど進水式が行われたばかり。こちらも大きなビジネスです。
日本郵船と郵船クルーズは、上記でもご紹介した日本のクルーズビジネスの象徴ともいえる客船「飛鳥」を運営しています。
つまり、オリエンタルランドは、日本郵船グループとともに、日本でのディズニークルーズのコンサルティングや、クルーズ船の船舶・運航管理について準備中なのです。これは「鬼に金棒」といえる提携でしょう。
現在、日本郵船は最新の船「飛鳥III」を建造中です。しかもその建造は、ディズニー・ウィッシュや日本のディズニークルーズ用の客船を手がけたドイツの造船会社マイヤー・ヴェルフトによるもの。「飛鳥III」はちょうど進水式が行われたばかり。こちらも大きなビジネスです。
マイヤー・ヴェルフトが公開した「飛鳥III」進水式の様子
via www.youtube.com
オリエンタルランドは、巨大テーマパークの運営に関しては日本で右に出るものはいない企業ではあるものの、クルーズビジネスに関しては(おそらく)ほぼ素人でしかありません。もちろん、本国ディズニー社という、世界でも有数の「クルーズビジネス企業」のノウハウはありますが、日本におけるビジネスはそれとはまた異なるはず。
そこに日本のクルーズビジネスの代表ともいうべき郵船クルーズが協力するとなると、とても安心できますね。今後、具体的にどのようなことが発表されるのか、今から楽しみにしています。
そこに日本のクルーズビジネスの代表ともいうべき郵船クルーズが協力するとなると、とても安心できますね。今後、具体的にどのようなことが発表されるのか、今から楽しみにしています。
【公式】ディズニークルーズ、2028年度就航予定!
とうとう日本にやってくるディズニークルーズ
via www.youtube.com
ディズニーが本気で手がける最新の「クルーズビジネス」をいち早く体験するなら?
ディズニーといえば、やはり「ディズニーランド」をはじめとするテーマパークの企業というイメージが強いかもしれません。ですが、実際には巨大メディア企業として、テレビ局や映画制作なども行なっています。そう、テーマパークのビジネスはあくまで「Disney Experiences」部門、つまり“ディズニーによる体験”の一部でしかありません。

「Disney Experiences」部門の事業たち ©Disney
そしてディズニーのクルーズ事業は、2031年にかけて現在の6隻体制が全13隻にまで拡大され、、2025年はなんと2隻が就航予定。そのうちの1隻「ディズニー・アドベンチャー」に、日本のディズニーファンからの注目が集まっています。
舞台は羽田空港から直行航空便で6時間30分のシンガポール。日本のディズニークルーズが待ちきれない人のために、最新の船「ディズニー・アドベンチャー」をご紹介しましょう。
舞台は羽田空港から直行航空便で6時間30分のシンガポール。日本のディズニークルーズが待ちきれない人のために、最新の船「ディズニー・アドベンチャー」をご紹介しましょう。

宮田 健
ライター
2012年よりITセキュリティのフリーライターとして活動するかたわら、個人活動として“広義のディズニー”を取り上げるWebサイト「dpost.jp」を1996年ごろから運営中。テーマパークやキャラクターだけではない、オールディズニーが大好物。2020年、2022年には講談社「ディズニーファン」に短期連載も。
Webサイト:https://dpost.jp/
X:@dpostjp