開催から1カ月が過ぎた「2025年国際博覧会(以下、大阪・関西万博)」ですが、比較的過ごしやすい天気が続いていることもあり、GW以降も来場者は連日10万を超えているようです。
すでにパビリオンはひと通り回ったという人たちも多い中で、来場者が増え続けているのは、会場のあちこちで「その時だけ」のライブやイベントがたくさん開催されるからかもしれません。
すでにパビリオンはひと通り回ったという人たちも多い中で、来場者が増え続けているのは、会場のあちこちで「その時だけ」のライブやイベントがたくさん開催されるからかもしれません。
まさにお祭り! その日限りのライブ、パレード、ショーが連日開催
万博会場には、パビリオン以外にも20カ所近くのステージやライブスポット、ギャラリーがあり、朝から晩までカレンダーがぎっしり埋まるほどイベントが行われています。
例えば1970年の大阪万博のシンボル・太陽の塔をイメージしたメイン会場のEXPOホール「シャインハット」をはじめ、最大で約1万6000名が収容できる屋外広場のEXPO アリーナ「Matsuri」、公式行事や祭事の舞台となるEXPO ナショナルデーホール「レイガーデン」、迎賓館などがあり、そして大屋根リングもイベント会場としてよく活用されています。開会式では、大屋根リングで1万人が「第九(ベートーヴェンの交響曲第9番 第4楽章)」を歌うセレモニーも行われました。
例えば1970年の大阪万博のシンボル・太陽の塔をイメージしたメイン会場のEXPOホール「シャインハット」をはじめ、最大で約1万6000名が収容できる屋外広場のEXPO アリーナ「Matsuri」、公式行事や祭事の舞台となるEXPO ナショナルデーホール「レイガーデン」、迎賓館などがあり、そして大屋根リングもイベント会場としてよく活用されています。開会式では、大屋根リングで1万人が「第九(ベートーヴェンの交響曲第9番 第4楽章)」を歌うセレモニーも行われました。

太陽の塔をイメージしたEXPOホール「シャインハット」

シャインハットでは毎晩プロジェクションマッピングが行われる
他にも「ポップアップステージ」と呼ばれる、規模やデザインもバラエティに富んだオープンスペースが会場のあちこちに点在し、事前の一般公募も含めたいろいろな催しが毎日開催され、会場を盛り上げています。

ポップアップステージはそれぞれデザインが工夫されている
各国のパビリオンにもオープンなライブステージがあり、さまざまな民族衣装をまとったアーティストたちが、民族音楽や人気曲の演奏やパフォーマンスを披露する場面に遭遇することがあります。パビリオンへの入場待ちの列に並んでいると、突然パフォーマンスが始まるということもしばしばあり、みんなで唄ったり踊ったり、万博ならではのお祭り騒ぎが楽しめます。

ステージがあるパビリオンも多い
音楽だけでなく、アートや工芸品の紹介や、その場での制作実演など、いろいろな方法で自国をアピールする場面にも出合えます。伝統的なものに限らず、最新のアートが展示されていたり、若いアーティストの作品を紹介したり、なかには売り出し中の新商品をサンプルで配っているところもあったりして、思いがけない発見が楽しめます。

コンテナ型のスポットでは週替わりでさまざまな展示が行われている(写真はサウジアラビアの若手アーティスト)
世界を知るチャンス——万博ならではのナショナルデーとテーマウィーク
毎日さまざまなイベントが行われる万博の中でも、特に“万博らしさ”を感じられる催しとして人気なのが「ナショナルデー」です。
ナショナルデーは、会期中に公式参加国や地域がそれぞれ1日ずつ担当して開催するもので、例えば5月14日には、1970年の大阪万博にも参加したというスウェーデンの国王を迎えた特別なナショナルデーが開催されました。
ナショナルデーに併せて、大屋根リングの下でその国のパレードが行われることもあり、関連イベントも会場の各所で開かれます。ちなみにスウェーデンのナショナルデーには、iPS細胞でノーベル生理学・医学賞を受賞した京都大学の山中伸弥教授が講演し、さらにパレードにも参加したことが話題になりました。
ナショナルデーは、会期中に公式参加国や地域がそれぞれ1日ずつ担当して開催するもので、例えば5月14日には、1970年の大阪万博にも参加したというスウェーデンの国王を迎えた特別なナショナルデーが開催されました。
ナショナルデーに併せて、大屋根リングの下でその国のパレードが行われることもあり、関連イベントも会場の各所で開かれます。ちなみにスウェーデンのナショナルデーには、iPS細胞でノーベル生理学・医学賞を受賞した京都大学の山中伸弥教授が講演し、さらにパレードにも参加したことが話題になりました。

ナショナルデーでは式典と併せてパレードも行われる(写真は韓国のパレード)
ナショナルデー以外にも、世界に大きな影響を与えた出来事を紹介するイベントも行われています。例えば5月6日には、アフリカ中部・ルワンダで1994年に起きたツチに対するジェノサイドを追悼する「クウィブカ31」が開催されました。会場では、悲劇について改めて触れ、二度と繰り返さないという決意を来場者とともに祈り、荘厳な雰囲気に包まれていました。

ルワンダに祈りを捧げる追悼式が行われた
万博に参加する多くの国は、自国についてもっと知ってもらい、日本や他の参加国とつながりを深めることを目的としています。
パビリオン内にセミナールームを設けて、連日セミナーやカンファレンスを開催する熱心な国も少なくありません。著者自身もこれまでに、フランス、イタリア、スイス、北欧、リトアニアのセミナーに参加し、最新テクノロジーや宇宙ビジネス、スマートシティといったテーマについて取材してきました。
こうしたイベントの多くは一般にも公開されていて、中でも注目なのが、地球規模の課題解決をテーマに、世界中の国々が発表やワークショップなどを行う「テーマウィーク」です。プログラムによっては誰でも参加できるものもあり、バーチャル万博でライブ中継も行われています。
パビリオン内にセミナールームを設けて、連日セミナーやカンファレンスを開催する熱心な国も少なくありません。著者自身もこれまでに、フランス、イタリア、スイス、北欧、リトアニアのセミナーに参加し、最新テクノロジーや宇宙ビジネス、スマートシティといったテーマについて取材してきました。
こうしたイベントの多くは一般にも公開されていて、中でも注目なのが、地球規模の課題解決をテーマに、世界中の国々が発表やワークショップなどを行う「テーマウィーク」です。プログラムによっては誰でも参加できるものもあり、バーチャル万博でライブ中継も行われています。

大阪・関西万博の会場内にはテーマウィークを開催するためのスタジオもある
もう1つ、西ゲートの海側にある「フューチャーライフヴィレッジ」も見逃せません。「未来の暮らし」「未来への行動」をテーマに、多様な「問い」と「提案」が集まる参加型パビリオンです。こちらは予約なしで自由に参加できるさまざまな展示やコーナー、セミナーイベントなど、来場者が気軽に体験できるコンテンツが用意されています。

自由参加のフューチャーライフヴィレッジでは連日たくさんの催しが行われている
このように万博は、ただ「観る」だけにとどまらない、いろいろな体験の機会が用意されています。

野々下 裕子(NOISIA)
テックジャーナリスト
神戸を拠点に国内外のテック系イベントやカンファレンスの取材、インタビュー、リサーチなどを幅広く行う。オンラインメディアを中心に執筆多数。