真夏のランニングを快適にするオープンイヤー型イヤホン、骨伝導以外の選択肢はアリ?「nwm GO」レビュー

花森 リド

Specialライフスタイル使ってみた健康・美容映画・音楽

真夏だって走りたい

週4〜5回のランニングを続けて3年目、自分ではまだ初心者のつもりなのに、ミズノのランニングフォーム診断では「上〜中級者」と判定されるまでになりました。

とはいえ、やることは変わりません。起きたらすぐに着替え、日焼け止めを塗って、ボ〜っとしたまま外に駆け出します。

で、野外でのランニングはボ〜っと走るなりに、十字路で左右をチェックし、後ろから自転車の気配を感じれば用心し……といった具合に、いろいろと気を遣うべきことがあります。でも屋内のランニングマシンでは感じられない開放感があるから最高なんです。

野外ランの楽しさを一度知ってしまうと、もうやみつき

そんな野外ランで頼りになるのが、耳をふさがないタイプのイヤホンです。

耳をふさぐカナル型(耳栓タイプ)イヤホンにも「外音取り込み機能」を搭載する機種が増えていますが、現段階の製品では、耳に響いてくる外音の微妙な違和感が苦手で、私はあまり使いません。

もうひとつ、ランニング中に耳をふさがないほうが良い理由があります。それは「暑さ」。高湿かつ酷暑の日本で15分も走れば、顔はたちまち赤鬼みたいな色に変わり汗びっしょり。でも、いくら汗だくの赤鬼になろうが、走りたいのだからしょうがない。ならば装備品で涼しくするしかありません。

ということで私の夏のランニングには、通気性の良いウェアや靴下、キャップに加えて、耳穴がスースーするオープンイヤー型イヤホンが欠かせません。これまで3年間、骨伝導タイプを愛用してきました。

最近は骨伝導型イヤホンに限らず、いろんなメーカーから耳をふさがないイヤホンが出ています。そこで今回、NTTソノリティの「nwm GO(ヌーム ゴー)」(1万6500円、以下、価格は全て税込み)をメーカーからお借りして試してみました。本稿ではnwm GOを中心に、手持ちのSoundPEATS「GoFree2(ゴーフリー2)」やShokz「OpenComm(オープンコム)」と比較し、いちランニング好きの視点から紹介します。

苦楽をともにしてきたShokz「OpenComm」

私が長らく使ってきたオープンイヤー型のイヤホンはShokzの骨伝導ヘッドセット「OpenComm」です。本来はWeb会議などのための機種で、立派なマイクまでついています。防水・防塵規格は「IP55」(雨や砂嵐の中でもWeb会議ができますね)で、重さは33g。

このOpenCommは、我が家では本来の目的そっちのけでランニング用として3年間酷使しましたが、まったく壊れず元気いっぱい。1800kmくらいを一緒に走ってきた心強い相棒です。

マイクは上げっぱなしのまま野外を走り回ること1800km。もはやOpenComm自身も「自分の本業はランニング用イヤホン」と思ってしまっているかも。音量や電源のオンオフは物理ボタンで、走りながらでも操作しやすい

OpenCommが登場したのは2020年で、現在はすでに終売しており、後継機として「OpenComm 2」が出ています(2万2880円)。そして同じメーカーのランニング専用機としては「OpenRun Pro 2」(2万7880円)が現在のフラッグシップモデルです。

これらの最新機種たちは、OpenCommでは気になった音漏れや音質も洗練されているようです。しかし「1800km一緒に走ってきた」という事実が愛しすぎて、骨伝導型イヤホンの買い替えは、もう少し先になりそうです。

充電は専用ケーブルを使います。最新のOpenComm2や、OpenRun Pro 2はUSB-C充電です

骨伝導よりも涼しい「nwm GO」

「愛着がある」なんていう、スーパー個人的な事情を抱えた先住イヤホンがいる我が家へやって来たのは、NTTソノリティが3月18日に発売したオープンイヤー型 ネックバンドワイヤレス 耳スピーカー「nwm GO」。防水・防塵規格はIP55で、ワークアウトやアウトドアに適したイヤホンです。

淡いアイスブルーがモダンでおしゃれ。装着スタイルはOpenCommと同じようにネックバンド型で、眼鏡の“つる”のように耳に引っかけます。なお、この“つる”はとても柔らかいです。クニャクニャ

専用の充電ケーブルをカポッとはめて充電します。充電が満タン状態での稼働時間は約10時間

どれどれ……と装着すると、耳をふさがない上にOpenCommよりも肌との接触ポイントが少ない、 つまり涼しい。あと軽っ! 重さは20gで、ケーブルの質感がなめらかでクニャッとしなるので、締め付け感はほとんどなくて耳や側頭部がラクです。nwm GOを耳から外して首にひっかけると、その存在を忘れてしまうくらい。

走る動作でスピーカーが揺れることもなく、着け心地もフワフワと軽やかで快適。この日の気温は17度で湿度は37%、桜が満開の春だというのに走ると既に暑くて顔も耳も真っ赤。夏が思いやられる

この「肌にほとんど触れない」ことと「軽さ」に慣れてしまうと、やがて他のイヤホンで肌に触れている部分がとても気になるように。もちろん、愛着のあるOpenCommだって、決して重たくはないし、快適なんです。それでも「もっともっと楽ちんなのはnwm GOだもんなあ……」って、nwm GOを手に取ってしまう。締めつけも緩やかだし……。

ランニングシューズも、履き込んでいくうちに「なんとなく選んでしまうお気に入り」が出てきます。それは、シューズの軽さだったり、5kmを超えたあたりからの踏み込みの感覚だったり、ほんのちょっとした差で決まるんです。そんなちょっとの差がイヤホン選びでも同じように効いてくるのを実感しました。
26 件

花森 リド

ライター・コラムニスト
主にゲーム、マンガ、書籍、映画、ガジェットに関する記事をよく書く。講談社「今日のおすすめ」、日経BP「日経トレンディネット」「日経クロステック(xTECH)」、「Engadget 日本版」、「映画秘宝」などで執筆。
X:@LidoHanamori

ranking

  • 1
    サムネイル

    暑い夏には扇風機とサーキュレーターどっちがいい?家電エバンジェリストが目的やシーン別おすすめを紹介

  • 2
    サムネイル

    スポットクーラーで「個冷」のすすめ 家電エバンジェリストが選ぶ効率冷房5品

  • 3
    サムネイル

    Google Pixel 9aを選ぶと後悔するの?スペック数値だけでは分からない実力を実機でチェックした

  • 4
    サムネイル

    真夏のランニングを快適にするオープンイヤー型イヤホン、骨伝導以外の選択肢はアリ?「nwm GO」レビュー

  • 5
    サムネイル

    映えるのはどれ?使いやすいのは?プチプラで800円以下で購入できるガラスティーポット4つを比べてみた

  • 1
    サムネイル

    暑い夏には扇風機とサーキュレーターどっちがいい?家電エバンジェリストが目的やシーン別おすすめを紹介

  • 2
    サムネイル

    日傘愛用者による「モンベル」と「サンバリア100」徹底比較レビュー、折り畳み傘がいい?それとも長傘?

  • 3
    サムネイル

    お台場発着に決定!日本でも“豪華客船体験”ができる?「ディズニークルーズライン」の価格・アトラクション最新情報

  • 4
    サムネイル

    通期パス購入者が続出!1度行ったらまた行きたくなる大阪・関西万博の魅力とは

  • 5
    サムネイル

    ダイソー・セリア・キャンドゥ 100円ショップのパソコン周りクリーナーおすすめ6種を試してみた

  • 1
    サムネイル

    日傘愛用者による「モンベル」と「サンバリア100」徹底比較レビュー、折り畳み傘がいい?それとも長傘?

  • 2
    サムネイル

    暑い夏には扇風機とサーキュレーターどっちがいい?家電エバンジェリストが目的やシーン別おすすめを紹介

  • 3
    サムネイル

    お台場発着に決定!日本でも“豪華客船体験”ができる?「ディズニークルーズライン」の価格・アトラクション最新情報

  • 4
    サムネイル

    ダイソー・セリア・キャンドゥ 100円ショップのパソコン周りクリーナーおすすめ6種を試してみた

  • 5
    サムネイル

    通期パス購入者が続出!1度行ったらまた行きたくなる大阪・関西万博の魅力とは

internet for you.