自宅トレーニング、略して「宅トレ」。外出自粛期間中に広がった宅トレブームに乗って、YouTubeにはたくさんのワークアウト動画がアップされています。中には再生回数が1000万回を超えているものもちらほら。みんな、そんなに宅トレやってるんだ!とちょっと驚くほどの数字です。
今回は誰でも気軽に手が付けられそうな「ストレッチ」の動画を取り上げ、宅トレ動画の魅力を考えていきます。
今回は誰でも気軽に手が付けられそうな「ストレッチ」の動画を取り上げ、宅トレ動画の魅力を考えていきます。
「おすすめのワークアウトありますか?」と尋ねられても簡単には答えられない理由
インターネット、とくにインスタグラムは「ワークアウト」をぐっと身近なものに変えたのではないでしょうか。マッチョだけがジムでバーベルを背負うわけじゃないし、ダンサーだけがストレッチをするのでもない。そして、ウォーキングや朝のラジオ体操だって立派なワークアウトであることを無数の写真が証明してくれた……と私は思っています。
が、同時に、ワークアウト風景の写真に投げかけられた「おすすめのワークアウト教えてください!」という無邪気なコメントがスルーされる一コマもたくさん目にしてきました。
最初は「この写真の主は、忙しいから答えないのかな?」と他人事ながら思っていました。ところが、いざ自分がワークアウトに夢中になって体型が変わってくると、この「おすすめのワークアウト教えてください!」は“答えようのない問い”であることがわかってきたのです。
なぜなら、その人が求める運動強度も、どんな体型や結果を求めているかもわからない以上、何もおすすめできないから。痩せたい? それとも格闘技で強くなりたい? リフレッシュしたい? 持久力がほしい? そもそもあなたは誰? と思うわけです。相手にケンカを売りたいのではなく、本当に「あなたが誰であるか」は、ワークアウトを続ける上でとても大切な情報なんです。
たとえば、ジムでパーソナルトレーナーをつけると最初にヒアリングがあります。ここで恥ずかしがらずに自分のことを正直に開示すればするほど、トレーニングの効果が上がります。「いつまでに、こんな体型になりたい(美容室でなりたい髪型の写真を見せるようなイメージで、憧れの体型を恥ずかしがらずに見せるといいです。プロのトレーナーは慣れっこだから気にしないで!)」「自分のこれまでの運動経験はこんな感じ」「自主トレは週に何回できそうか」──こういった情報をもとに、トレーナーはその人がギリギリ頑張れそうなトレーニングメニューを考え、伴走してくれます。そしてトレーニング中の挙動で「このクライアントは追い込まれるのが好きなタイプ」とか「背中の自主トレはサボりがちだな」とか「有酸素運動も追加した方がよさそう」といった調整をさりげなく施してくれます。
つまり、ワークアウトの紹介や推奨なんて、私は仕事でもなきゃやってられません。ごめんね、責任持てないんですよ!
そもそも、質問した側だって気軽な挨拶みたいな気持ちで言ってることだって多々あるんですよね。きっと「その服いいねえ、どこの?」くらいのテンション。そんな人に「あなたはどんな体型になりたいの? 生活習慣はどんな感じ? トレーニングにどのくらいの時間を使う気がある?」なんて重ための逆質問で返事したらどうなります? あ〜〜〜〜、想像するだけで気まずい! 恐ろしい!
さらに言うと、とりいそぎ最大公約数的なワークアウトを紹介しても、9割の人は続きません。飽きるし、結果が目に見えてわかるのはおそらく数週間先の話なので、モチベーションを保てないのかもしれません。で、紹介したこちらも、相手をがっかりさせることが申し訳ないし、自分でも少しむなしいのです。どうせ教えてもやんないんじゃん、って。
が、同時に、ワークアウト風景の写真に投げかけられた「おすすめのワークアウト教えてください!」という無邪気なコメントがスルーされる一コマもたくさん目にしてきました。
最初は「この写真の主は、忙しいから答えないのかな?」と他人事ながら思っていました。ところが、いざ自分がワークアウトに夢中になって体型が変わってくると、この「おすすめのワークアウト教えてください!」は“答えようのない問い”であることがわかってきたのです。
なぜなら、その人が求める運動強度も、どんな体型や結果を求めているかもわからない以上、何もおすすめできないから。痩せたい? それとも格闘技で強くなりたい? リフレッシュしたい? 持久力がほしい? そもそもあなたは誰? と思うわけです。相手にケンカを売りたいのではなく、本当に「あなたが誰であるか」は、ワークアウトを続ける上でとても大切な情報なんです。
たとえば、ジムでパーソナルトレーナーをつけると最初にヒアリングがあります。ここで恥ずかしがらずに自分のことを正直に開示すればするほど、トレーニングの効果が上がります。「いつまでに、こんな体型になりたい(美容室でなりたい髪型の写真を見せるようなイメージで、憧れの体型を恥ずかしがらずに見せるといいです。プロのトレーナーは慣れっこだから気にしないで!)」「自分のこれまでの運動経験はこんな感じ」「自主トレは週に何回できそうか」──こういった情報をもとに、トレーナーはその人がギリギリ頑張れそうなトレーニングメニューを考え、伴走してくれます。そしてトレーニング中の挙動で「このクライアントは追い込まれるのが好きなタイプ」とか「背中の自主トレはサボりがちだな」とか「有酸素運動も追加した方がよさそう」といった調整をさりげなく施してくれます。
つまり、ワークアウトの紹介や推奨なんて、私は仕事でもなきゃやってられません。ごめんね、責任持てないんですよ!
そもそも、質問した側だって気軽な挨拶みたいな気持ちで言ってることだって多々あるんですよね。きっと「その服いいねえ、どこの?」くらいのテンション。そんな人に「あなたはどんな体型になりたいの? 生活習慣はどんな感じ? トレーニングにどのくらいの時間を使う気がある?」なんて重ための逆質問で返事したらどうなります? あ〜〜〜〜、想像するだけで気まずい! 恐ろしい!
さらに言うと、とりいそぎ最大公約数的なワークアウトを紹介しても、9割の人は続きません。飽きるし、結果が目に見えてわかるのはおそらく数週間先の話なので、モチベーションを保てないのかもしれません。で、紹介したこちらも、相手をがっかりさせることが申し訳ないし、自分でも少しむなしいのです。どうせ教えてもやんないんじゃん、って。
「YouTubeで気に入った動画を探すといいよ」が穏便かつ最良の回答
と、本気のトレーニーとワークアウトしてみたい人との間に横たわる溝の話で終わってしまうのもさみしいので、解決方法を考えてみましょう。
ここでもインターネットが答えをくれます。YouTubeです。
10年前なら有料のDVDで販売していたようなワークアウト動画がYouTubeにはあふれかえっています。もう手取り足取り超親切! まずは、これを見ながら自宅でやってみるといいのです。
いきなりハードなものに挑戦して心が折れたりひどい筋肉痛になるのもよくないでしょうから、最初はストレッチを毎日の習慣にするところから始めるといいです。
なぜなら、ストレッチは運動初心者にも効果がわかりやすいから。肩が軽くなったり、体の柔軟性が上がったり、そんなささいな変化に気がつくとうれしいもの。で、効果がわかれば「運動してよかったな」と思えます。この運動やってよかった→じゃあまたやるか! というサーキットに自ら突入するのが大事なんです。
そのサーキットにいざなうべく、本稿ではいくつかのわかりやすいストレッチの動画を紹介します。
これらの選定基準は、「再生回数が数十万〜100万以上」「10分以下でサクッと終わる」「私が実際にやってみてよかった」「私が好きなサムネイルと語り口だった」の4つです。
特にその動画を好きかどうかは大事な要素。毎日毎日見るものなので、見た目や語り口の印象でワークアウトの継続率も変わります。だから、もし一瞬でも「気に入らないな」と思ったらバッサリ切り上げて、別の動画を探しましょう。YouTubeは動画もいっぱいあれば視聴者もいっぱいいる世界ですから、あなたと相性のいい動画はきっと存在するはずです。
無数にあるワークアウト動画を視聴して、実際にやってみて、私がずっと続けられているのは次の4つです(あとは全部「ちょっと合わないな〜」って観るのをやめてしまいました)。
ここでもインターネットが答えをくれます。YouTubeです。
10年前なら有料のDVDで販売していたようなワークアウト動画がYouTubeにはあふれかえっています。もう手取り足取り超親切! まずは、これを見ながら自宅でやってみるといいのです。
いきなりハードなものに挑戦して心が折れたりひどい筋肉痛になるのもよくないでしょうから、最初はストレッチを毎日の習慣にするところから始めるといいです。
なぜなら、ストレッチは運動初心者にも効果がわかりやすいから。肩が軽くなったり、体の柔軟性が上がったり、そんなささいな変化に気がつくとうれしいもの。で、効果がわかれば「運動してよかったな」と思えます。この運動やってよかった→じゃあまたやるか! というサーキットに自ら突入するのが大事なんです。
そのサーキットにいざなうべく、本稿ではいくつかのわかりやすいストレッチの動画を紹介します。
これらの選定基準は、「再生回数が数十万〜100万以上」「10分以下でサクッと終わる」「私が実際にやってみてよかった」「私が好きなサムネイルと語り口だった」の4つです。
特にその動画を好きかどうかは大事な要素。毎日毎日見るものなので、見た目や語り口の印象でワークアウトの継続率も変わります。だから、もし一瞬でも「気に入らないな」と思ったらバッサリ切り上げて、別の動画を探しましょう。YouTubeは動画もいっぱいあれば視聴者もいっぱいいる世界ですから、あなたと相性のいい動画はきっと存在するはずです。
無数にあるワークアウト動画を視聴して、実際にやってみて、私がずっと続けられているのは次の4つです(あとは全部「ちょっと合わないな〜」って観るのをやめてしまいました)。
花森 リド
ライター・コラムニスト
主にゲーム、マンガ、書籍、映画、ガジェットに関する記事をよく書く。講談社「今日のおすすめ」、日経BP「日経トレンディネット」「日経クロステック(xTECH)」、「Engadget 日本版」、「映画秘宝」などで執筆。
X:@LidoHanamori