オウンドメディアとして始めたWebサイトの運営も軌道に乗り、アクセスも安定的に稼げるようになって、Webメディアとしての手応えを感じ始めた頃、お問い合わせ窓口に届いたWeb広告の営業メール。
せっかくならば運営費の足しにできればと広告掲載を始めてみたけれど、どう運用したら良いのかイマイチ分わからない……。そんな迷える子羊Webマスターはいませんか?
あるいは、本当はしっかりと広告枠を運用したいけれども、マンパワーが足りなくて収益が思ったように伸びていない媒体社の担当者さんはいませんか?
専任の広告担当者がおらず、1人きりで頑張っているWebマスターができることには何があるのでしょうか。
何を隠そう、私もオンラインメディアのプランニングを手がけており、その迷える担当者の1人です。媒体運営社側の少ないリソースでも、何かできることはないのだろうか。そう悩んでいた時、「SSP(Supply-Side Platform)を使ってみる検討はした?」なんて声を耳にしました。
そこで今回は、GMOアドマーケティング 広告事業本部 メディアコンサルティング部 エグゼクティブマネージャーの長谷川勝宣さんに悩みや疑問をぶつける機会をいただいたので、いろいろと相談に乗ってもらいました。
せっかくならば運営費の足しにできればと広告掲載を始めてみたけれど、どう運用したら良いのかイマイチ分わからない……。そんな迷える子羊Webマスターはいませんか?
あるいは、本当はしっかりと広告枠を運用したいけれども、マンパワーが足りなくて収益が思ったように伸びていない媒体社の担当者さんはいませんか?
専任の広告担当者がおらず、1人きりで頑張っているWebマスターができることには何があるのでしょうか。
何を隠そう、私もオンラインメディアのプランニングを手がけており、その迷える担当者の1人です。媒体運営社側の少ないリソースでも、何かできることはないのだろうか。そう悩んでいた時、「SSP(Supply-Side Platform)を使ってみる検討はした?」なんて声を耳にしました。
そこで今回は、GMOアドマーケティング 広告事業本部 メディアコンサルティング部 エグゼクティブマネージャーの長谷川勝宣さんに悩みや疑問をぶつける機会をいただいたので、いろいろと相談に乗ってもらいました。
伸び悩む広告収入
ー長谷川さん初めまして! どうも運営するメディアの広告収入がいまいち伸びなくて困っているんですけれど、最近の広告事情で「こうしたらいい!」という打ち手のようなものはあるのでしょうか? 現在はWeb広告代理店のX社と契約していて、主に「Google AdSense」で運用する広告が収入のメインになっています。
そうですね。最近というよりも基本的なこととして、そもそもアドセンスだけで運用しているというのは、ちょっともったいないと思いますね。
そうですね。最近というよりも基本的なこととして、そもそもアドセンスだけで運用しているというのは、ちょっともったいないと思いますね。
GMOアドマーケティング 広告事業本部 メディアコンサルティング部 エグゼクティブマネージャーの長谷川勝宣氏
ーもったいないと言いますと?
日本市場には国内の広告事業者だけでなく、グローバルで展開している広告事業者など、本当にいろいろな事業者がいます。
事業者によって強い業種もあれば弱い業種もありますし、広告の掲載位置によっても、「この事業者はこの位置は強いけれどあちらは弱い」といった事情があります。ですから、そういった長所と短所をいろいろと比べられる「ABテスト」を、媒体社側は実施した方が良いと思っています。
ーX社から「今の広告配信の主要なアドネットワークはGoogle AdSenseだ」と説明され、広告配信枠についても「ここに設けましょう、ここにも付けましょう」と、言われたままに設置していました。この方法でもそれなりに収益が上がって喜んでいたんですが、1つのアドネットワークさんと契約するよりも、複数の事業者さんと契約した方がいいのでしょうか?
はい、その方が良いと思います。とはいえ媒体の規模にもよりますし、実際にそれを運用される方、広告を管理する方がどの程度対応できるかにもよるとは思います。
ー広告を管理する人というのは、広告事業者側ですか? 媒体運営者側ですか?
媒体運営者側です。規模が大きい媒体社になると、広告専任の担当者や運営者がいます。そういった専任の方がいらっしゃれば、「広告収益を○円までアップさせる」ことがその方のミッションになりますので、いろいろな施策を行っていると思います。しかし広告専任の担当がいない媒体社では広告関連にあまり手をかけられないので、とりあえず1事業者だけの広告を貼っておく、といった状況に陥ると思います。
ー耳が痛いですね……。まさに私のところがそうなんですが、マンパワーが少なくても上手に運用するための打ち手はあるのでしょうか?
主にGoogle AdSenseをお使いなのであれば、「Google アド マネージャー」というアドサーバーシステムを使っていると思います。おそらくこれが今の日本のメディアで一番使われているアドサーバーだと思います。
マンパワーがない状態で上手に広告を運用するには、こうしたアドサーバーシステムの中でいろいろな設定を行うことが大切だと思います。既存のアドサーバーの中に私たちGMOアドマーケティングが提供するSSPを入れる場合もあれば、逆に弊社のSSPをまず導入いただき、その後弊社がさまざまな事業者を組み合わせて配信をすることもできます。
日本市場には国内の広告事業者だけでなく、グローバルで展開している広告事業者など、本当にいろいろな事業者がいます。
事業者によって強い業種もあれば弱い業種もありますし、広告の掲載位置によっても、「この事業者はこの位置は強いけれどあちらは弱い」といった事情があります。ですから、そういった長所と短所をいろいろと比べられる「ABテスト」を、媒体社側は実施した方が良いと思っています。
ーX社から「今の広告配信の主要なアドネットワークはGoogle AdSenseだ」と説明され、広告配信枠についても「ここに設けましょう、ここにも付けましょう」と、言われたままに設置していました。この方法でもそれなりに収益が上がって喜んでいたんですが、1つのアドネットワークさんと契約するよりも、複数の事業者さんと契約した方がいいのでしょうか?
はい、その方が良いと思います。とはいえ媒体の規模にもよりますし、実際にそれを運用される方、広告を管理する方がどの程度対応できるかにもよるとは思います。
ー広告を管理する人というのは、広告事業者側ですか? 媒体運営者側ですか?
媒体運営者側です。規模が大きい媒体社になると、広告専任の担当者や運営者がいます。そういった専任の方がいらっしゃれば、「広告収益を○円までアップさせる」ことがその方のミッションになりますので、いろいろな施策を行っていると思います。しかし広告専任の担当がいない媒体社では広告関連にあまり手をかけられないので、とりあえず1事業者だけの広告を貼っておく、といった状況に陥ると思います。
ー耳が痛いですね……。まさに私のところがそうなんですが、マンパワーが少なくても上手に運用するための打ち手はあるのでしょうか?
主にGoogle AdSenseをお使いなのであれば、「Google アド マネージャー」というアドサーバーシステムを使っていると思います。おそらくこれが今の日本のメディアで一番使われているアドサーバーだと思います。
マンパワーがない状態で上手に広告を運用するには、こうしたアドサーバーシステムの中でいろいろな設定を行うことが大切だと思います。既存のアドサーバーの中に私たちGMOアドマーケティングが提供するSSPを入れる場合もあれば、逆に弊社のSSPをまず導入いただき、その後弊社がさまざまな事業者を組み合わせて配信をすることもできます。
そもそもSSPって、何ですか
ーSSPってそもそも何なのでしょうか?
SSPは、Supply-Side Platformの略称で、広告枠の供給者である媒体社の広告収益を最大化させるためのサービスです。
そしてSSPと対となる存在がDSPです。こちらはDemand-Side Platformの略称で、広告の掲載の場を求める広告主の広告効果を最大化させるためのサービスです。DSPとSSPとの間では、RTBを介して取引が行われます。
ーSSPが媒体社側、DSPが広告主側、ではRTBとは何なのでしょうか?
RTBはReal-Time Biddingの略称で、1回の広告表示(インプレッション:imp)に対してオークションを行い、その中で最も収益性が高い広告を媒体に配信する仕組みです。
SSPは、Supply-Side Platformの略称で、広告枠の供給者である媒体社の広告収益を最大化させるためのサービスです。
そしてSSPと対となる存在がDSPです。こちらはDemand-Side Platformの略称で、広告の掲載の場を求める広告主の広告効果を最大化させるためのサービスです。DSPとSSPとの間では、RTBを介して取引が行われます。
ーSSPが媒体社側、DSPが広告主側、ではRTBとは何なのでしょうか?
RTBはReal-Time Biddingの略称で、1回の広告表示(インプレッション:imp)に対してオークションを行い、その中で最も収益性が高い広告を媒体に配信する仕組みです。
これら一連の取引がリアルタイムで行われる
ーインプレッション単位でオークションするんですね。
はい、そこで1 impあたりの価値を最大化させるためのサービスがSSPです。媒体社は広告案件をSSPを介して受け取ります。
DSPはさまざまな会社が提供しています。GMOアドマーケティングでも「ReeMo」というDSPサービスを提供しており、GMOアドマーケティング以外にもさまざまな広告事業者がDSPを提供しています。広告主が出稿する場合は、DSPを使って配信をします。
多くの広告事業者が媒体の1 impを取り合うオークションを行い、一番収益性が高い広告が流れてくる仕組みになっています。しかし、オークションが発生しないケースもあります。
ーオークションが発生しないこともあるんですか?
はい。オークションが発生する案件では、現時点ではユーザーを識別するためにCookieが使用されていますが、Cookieのような識別手段がない場合にはオークションが発生しないこともあります。
オークションが発生しない場合はアドネットワークを利用して広告を配信します。アドネットワークの事業者も国内にいろいろあり、GMOアドマーケティングでも、「AkaNe」というアドネットワークを提供しています。
これらのサービスやプラットフォームを組み合わせて、ワンストップで提供できるのがSSPです。
広告の管理に手をかけられない場合、ツールはワンストップでまとまっている方が運営の工数負担が少なくなります。SSPは媒体運営者の工数削減になり、収益性の最大化にもつながるのではないでしょうか。
さらに媒体の規模が大きい場合は、SSPを複数導入し、SSP同士の収益を競わせるケースもありますね。
ーCookieがない場合はオークションが起きないとのことですが、GoogleやAppleのサードパーティによるCookie規制でCookieが使えなくなった場合でもSSP・DSPは有効なのでしょうか?
厳密に言えば今までもCookie以外の方法で配信はしていました。一例を挙げると、ReeMoには「コンテキスト(文脈)配信」という配信方法があります。
はい、そこで1 impあたりの価値を最大化させるためのサービスがSSPです。媒体社は広告案件をSSPを介して受け取ります。
DSPはさまざまな会社が提供しています。GMOアドマーケティングでも「ReeMo」というDSPサービスを提供しており、GMOアドマーケティング以外にもさまざまな広告事業者がDSPを提供しています。広告主が出稿する場合は、DSPを使って配信をします。
多くの広告事業者が媒体の1 impを取り合うオークションを行い、一番収益性が高い広告が流れてくる仕組みになっています。しかし、オークションが発生しないケースもあります。
ーオークションが発生しないこともあるんですか?
はい。オークションが発生する案件では、現時点ではユーザーを識別するためにCookieが使用されていますが、Cookieのような識別手段がない場合にはオークションが発生しないこともあります。
オークションが発生しない場合はアドネットワークを利用して広告を配信します。アドネットワークの事業者も国内にいろいろあり、GMOアドマーケティングでも、「AkaNe」というアドネットワークを提供しています。
これらのサービスやプラットフォームを組み合わせて、ワンストップで提供できるのがSSPです。
広告の管理に手をかけられない場合、ツールはワンストップでまとまっている方が運営の工数負担が少なくなります。SSPは媒体運営者の工数削減になり、収益性の最大化にもつながるのではないでしょうか。
さらに媒体の規模が大きい場合は、SSPを複数導入し、SSP同士の収益を競わせるケースもありますね。
ーCookieがない場合はオークションが起きないとのことですが、GoogleやAppleのサードパーティによるCookie規制でCookieが使えなくなった場合でもSSP・DSPは有効なのでしょうか?
厳密に言えば今までもCookie以外の方法で配信はしていました。一例を挙げると、ReeMoには「コンテキスト(文脈)配信」という配信方法があります。
GMOアドマーケティングが提供しているDSP「ReeMo」
コンテキスト配信とは、広告が表示されるコンテンツの中の記事の文脈などを読み取って分析し、「このユーザーが今読んでいる記事はクルマに関係するワードが頻出しているので、クルマの記事だろう。したがってクルマに興味があるユーザーが訪問しているのではなかろうか」といったかたちで、コンテンツの文脈から最適な広告案件を配信する仕組みです。
ー統計情報で配信ターゲットを絞り込むわけですね。
例えばお正月、箱根駅伝のニュース記事を見ている人の中に、ランドセルの購入に興味がある方が多いという傾向が見られました。それはなぜかを分析してみると、
・箱根駅伝を観戦している方には、おじいさんやおばあさんが多かった
・4月に小学校に上がるお孫さんにプレゼントするためにランドセル情報に興味があった
ということが分かりました。
このような行動とコンテンツの文脈から関連付けを行って、コンテキストで適切な広告を配信します。
ー統計情報で配信ターゲットを絞り込むわけですね。
例えばお正月、箱根駅伝のニュース記事を見ている人の中に、ランドセルの購入に興味がある方が多いという傾向が見られました。それはなぜかを分析してみると、
・箱根駅伝を観戦している方には、おじいさんやおばあさんが多かった
・4月に小学校に上がるお孫さんにプレゼントするためにランドセル情報に興味があった
ということが分かりました。
このような行動とコンテンツの文脈から関連付けを行って、コンテキストで適切な広告を配信します。
記事の内容によって適切な広告を配信する仕組み
ーサイトの運営者側はメタ情報を適切に設定することが広告配信の最適化につながるのでしょうか。
運営者の方は、自分のサイトがどういうサイトでどのような内容をユーザーに伝えたいのか、という部分をきちんと定義することが重要だと思います。
運営者の方は、自分のサイトがどういうサイトでどのような内容をユーザーに伝えたいのか、という部分をきちんと定義することが重要だと思います。
宮本 夏樹