GMOインターネットグループで広告・メディア事業を展開し、プログラミング教育ポータルサイト「コエテコ byGMO(以下、コエテコ)」などを提供するGMOメディアは、正社員パートナー(従業員)に対するIT・AIリテラシー向上を目的に、国家資格の「ITパスポート試験」、日本ディープラーニング協会(以下、JDLA)が提供する「G検定(ジェネラリスト検定)」の取得を促進しています。
この取り組みが奏功し、2024年9月18日時点でGMOメディアの正社員パートナーによるITパスポートの取得率は93.38%、G検定の取得率は51.47%を達成しました。
GMOメディアの“AI人財”育成の背景と目指すところを、同社代表取締役社長の森輝幸(もり てるゆき)氏と、コーポレート部の柑本繁典(こうじもと しげのり)氏に聞きました。
この取り組みが奏功し、2024年9月18日時点でGMOメディアの正社員パートナーによるITパスポートの取得率は93.38%、G検定の取得率は51.47%を達成しました。
GMOメディアの“AI人財”育成の背景と目指すところを、同社代表取締役社長の森輝幸(もり てるゆき)氏と、コーポレート部の柑本繁典(こうじもと しげのり)氏に聞きました。
(写真左から)GMOメディア コーポレート部 柑本繁典氏、GMOメディア 代表取締役社長 森輝幸氏
“AI人財”育成のきっかけは、2010年の東京大学で生まれた
—— 今回、正社員パートナーのうち90%以上がITパスポート試験に合格し、さらにG検定の合格率も50%を超えました。取り組みのきっかけを教えてください。
<森>
GMOメディアと「AI(人工知能)」とのご縁は、実は2010年から始まっています。ChatGPTをきっかけにAIが世に広く知られるようになったのが2022年ですから、かなり前から関係があったといえます。
きっかけはGMOインターネットグループのAI顧問である松尾豊教授(東京大学大学院工学系研究科 人工物工学研究センター・技術経営戦略学専攻)です。
松尾教授が当時担当されていたゼミで、学生によるビジネスプランコンテストが毎年開催されていました。僕はそのコンテストの講評メンバーとして東京大学の本郷キャンパスに毎年伺って、ビジネスサイドの視点から評価やアドバイスをしていました。
当時から松尾教授はAIを研究されていましたし、世の中のメインストリームにAIが躍り出ることについても語られていました。AIの未来について恵比寿の焼き鳥屋さんで熱く語ってくださるわけです。そりゃこちらも夢中になりますよ!
こうした背景もあって、僕自身もGMOメディアも、近い将来にAIの大波が必ず来ると確信しました。事業でもAIを扱うべきだし、“AI人財”の必要性も強く感じました。AIは、エンジニアだけでなく社会人にとって必須のリテラシーになるに違いないと考えたのです。
そして2017年にJDLAがG検定をスタートさせました。この第1回のG検定をGMOメディアのエンジニアも受験して、合格しています。当時は出題範囲もよくわからず、過去問題もありませんから、試験勉強は大変だったと思います。AIを事業に取り入れることも着々と進めて、2022年11月には「プリ小説 byGMO」で画像生成AIの「Midjourney」を使ったサービスを始めました。
ということで、GMOメディアとAIのつき合いは、とても長いのです。
<森>
GMOメディアと「AI(人工知能)」とのご縁は、実は2010年から始まっています。ChatGPTをきっかけにAIが世に広く知られるようになったのが2022年ですから、かなり前から関係があったといえます。
きっかけはGMOインターネットグループのAI顧問である松尾豊教授(東京大学大学院工学系研究科 人工物工学研究センター・技術経営戦略学専攻)です。
松尾教授が当時担当されていたゼミで、学生によるビジネスプランコンテストが毎年開催されていました。僕はそのコンテストの講評メンバーとして東京大学の本郷キャンパスに毎年伺って、ビジネスサイドの視点から評価やアドバイスをしていました。
当時から松尾教授はAIを研究されていましたし、世の中のメインストリームにAIが躍り出ることについても語られていました。AIの未来について恵比寿の焼き鳥屋さんで熱く語ってくださるわけです。そりゃこちらも夢中になりますよ!
こうした背景もあって、僕自身もGMOメディアも、近い将来にAIの大波が必ず来ると確信しました。事業でもAIを扱うべきだし、“AI人財”の必要性も強く感じました。AIは、エンジニアだけでなく社会人にとって必須のリテラシーになるに違いないと考えたのです。
そして2017年にJDLAがG検定をスタートさせました。この第1回のG検定をGMOメディアのエンジニアも受験して、合格しています。当時は出題範囲もよくわからず、過去問題もありませんから、試験勉強は大変だったと思います。AIを事業に取り入れることも着々と進めて、2022年11月には「プリ小説 byGMO」で画像生成AIの「Midjourney」を使ったサービスを始めました。
ということで、GMOメディアとAIのつき合いは、とても長いのです。
「近い将来にAIの大波が必ず来ることを信じていた」と語るGMOメディアの森氏
<柑本>
こうした背景のもと、GMOメディアがAI人財育成を社内の制度として本格的に仕組み化したのは2021年6月です。JDLAが提供するビジネスパーソン向けAI/ディープラーニング講座「AI For Everyone(すべての人のためのAIリテラシー講座)」を全パートナーの研修に導入しました。導入当初は受講必須ではなく「推奨」でしたが、幹部が率先して受講したり、G検定に合格していました。
<森>
僕が毎日のように、Slackで「これからはAIだーッ!」って発信し続けていましたからね。もう催眠術みたいに繰り返し繰り返し言うのです。だからある日、管理部門の部長がG検定をちゃんと合格してきたりして。
<柑本>
この森社長の発信の影響力は大きかったです。「自分たちもAIを使えるようにならないと」とGMOメディア全体で考える空気が生まれました。
その空気と呼応するように、社内の仕組みをさらに整えました。2023年9月からは正社員パートナー全員に「AI For Everyone」の受講を必須とし、さらに2023年10月からはITパスポートとG検定の受験も奨励することにしました。受験費用や資格取得手当を支給する「リスキリング支援制度」も整備しました。
—— ITパスポートとG検定の目標合格率は。
<柑本>
「リスキリング支援制度」の始動から1年後である2024年10月までに、GMOメディアの正社員パートナーによるG検定の取得率を50%、さらにITパスポートの取得率を100%とすることを目標としました。
2024年9月18日時点で、G検定の取得率が51.47%、ITパスポートの取得率が93.38%です。
—— 取り組みを進める中で、大変だったことやハードルはありましたか。
<柑本>
私自身としては、実はそんなに「大変だ」と感じたことはありませんでした。
—— 非エンジニアにとって、G検定に合格することは、なかなか大変なことではないでしょうか。
<柑本>
もちろん大変です。勉強時間も必要でしょう。
ただ、幹部メンバーが率先して勉強していましたから、「このプロジェクトは意味があって、必要なことなのだ」という意識が社内に浸透していました。
受験費用や資格取得手当を支給することで、会社の「本気度」をパートナーにきちんと示せたことも効果的だったと思います。
合格者が一定の割合出たタイミングで合格率が停滞してしまった時期もありましたが、幹部メンバー同士で達成率を毎週必ずチェックして、そのうえで各部門のリーダーから呼びかけたり、希望者を集めた勉強会を重ねて、目標を達成していきました。
ですから「大変だ」とは感じなかったのだと考えています。
<森>
ちなみにJDLAが実施しているAI関連の資格で「E資格(エンジニア資格)」というものがあります。こちらはAIエンジニア用の資格で、取得難易度がG検定よりも非常に高い。もう、むっちゃくちゃ難しいです。
このE資格についても「先着3名様!30万円キャンペーン!」と銘打って取得を促しています。これはE資格を取得したパートナーのうち、先着3名に30万円の報奨金を出す企画です。
早速、1名合格者が出ました。GMOインターネットグループの「初任給・給与ナンバーワン~新卒年収710万円プログラム」経由で2023年に入社した若手のエンジニアです。入社して、3カ月くらいであっという間にE資格に合格しちゃった。やっぱり“710新卒”ってすごいんだなあって社内みんなで感動しましたよ。
難度の高い試験ですし、受験するのに勇気も必要だったと思うのですが、見事やってくれました。その合格者第1号に触発されて、2人目、3人目も今まさに受験しているところですね。
こうした背景のもと、GMOメディアがAI人財育成を社内の制度として本格的に仕組み化したのは2021年6月です。JDLAが提供するビジネスパーソン向けAI/ディープラーニング講座「AI For Everyone(すべての人のためのAIリテラシー講座)」を全パートナーの研修に導入しました。導入当初は受講必須ではなく「推奨」でしたが、幹部が率先して受講したり、G検定に合格していました。
<森>
僕が毎日のように、Slackで「これからはAIだーッ!」って発信し続けていましたからね。もう催眠術みたいに繰り返し繰り返し言うのです。だからある日、管理部門の部長がG検定をちゃんと合格してきたりして。
<柑本>
この森社長の発信の影響力は大きかったです。「自分たちもAIを使えるようにならないと」とGMOメディア全体で考える空気が生まれました。
その空気と呼応するように、社内の仕組みをさらに整えました。2023年9月からは正社員パートナー全員に「AI For Everyone」の受講を必須とし、さらに2023年10月からはITパスポートとG検定の受験も奨励することにしました。受験費用や資格取得手当を支給する「リスキリング支援制度」も整備しました。
—— ITパスポートとG検定の目標合格率は。
<柑本>
「リスキリング支援制度」の始動から1年後である2024年10月までに、GMOメディアの正社員パートナーによるG検定の取得率を50%、さらにITパスポートの取得率を100%とすることを目標としました。
2024年9月18日時点で、G検定の取得率が51.47%、ITパスポートの取得率が93.38%です。
—— 取り組みを進める中で、大変だったことやハードルはありましたか。
<柑本>
私自身としては、実はそんなに「大変だ」と感じたことはありませんでした。
—— 非エンジニアにとって、G検定に合格することは、なかなか大変なことではないでしょうか。
<柑本>
もちろん大変です。勉強時間も必要でしょう。
ただ、幹部メンバーが率先して勉強していましたから、「このプロジェクトは意味があって、必要なことなのだ」という意識が社内に浸透していました。
受験費用や資格取得手当を支給することで、会社の「本気度」をパートナーにきちんと示せたことも効果的だったと思います。
合格者が一定の割合出たタイミングで合格率が停滞してしまった時期もありましたが、幹部メンバー同士で達成率を毎週必ずチェックして、そのうえで各部門のリーダーから呼びかけたり、希望者を集めた勉強会を重ねて、目標を達成していきました。
ですから「大変だ」とは感じなかったのだと考えています。
<森>
ちなみにJDLAが実施しているAI関連の資格で「E資格(エンジニア資格)」というものがあります。こちらはAIエンジニア用の資格で、取得難易度がG検定よりも非常に高い。もう、むっちゃくちゃ難しいです。
このE資格についても「先着3名様!30万円キャンペーン!」と銘打って取得を促しています。これはE資格を取得したパートナーのうち、先着3名に30万円の報奨金を出す企画です。
早速、1名合格者が出ました。GMOインターネットグループの「初任給・給与ナンバーワン~新卒年収710万円プログラム」経由で2023年に入社した若手のエンジニアです。入社して、3カ月くらいであっという間にE資格に合格しちゃった。やっぱり“710新卒”ってすごいんだなあって社内みんなで感動しましたよ。
難度の高い試験ですし、受験するのに勇気も必要だったと思うのですが、見事やってくれました。その合格者第1号に触発されて、2人目、3人目も今まさに受験しているところですね。
E資格取得促進「先着3名様!30万円キャンペーン!」も順調に進行中
i4U編集部
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