働きやすく、成果を上げやすい職場づくりのカギとなるのがチームのリーダー。リーダーになるからには、恐怖や権限ではなく、憧れや尊敬で部下を動かすリーダーでありたいものです。
「上司」と「部下」の関係において、表面上は上司を尊重した振る舞いをしてくれる部下がほとんどですが、それは信頼関係ができているためとは限りません。特に人事異動や、チーム結成直後といった、信頼関係がまだない「仕事以前」の状態では、リーダー(上司)のことをいったん減点方式で見て、どの程度心を許すか、どんな風に接していくか決めている部下が多いようです。
「たまたま配属された上司」から「信頼されるリーダー」になるためのポイントとはどんなものでしょうか?
「上司」と「部下」の関係において、表面上は上司を尊重した振る舞いをしてくれる部下がほとんどですが、それは信頼関係ができているためとは限りません。特に人事異動や、チーム結成直後といった、信頼関係がまだない「仕事以前」の状態では、リーダー(上司)のことをいったん減点方式で見て、どの程度心を許すか、どんな風に接していくか決めている部下が多いようです。
「たまたま配属された上司」から「信頼されるリーダー」になるためのポイントとはどんなものでしょうか?
普段の態度、見られています! 見本になるつもりで行動しよう
部下たちは、「信頼できるリーダー」を求めています。上司には尊敬できる面を見せてほしいし、職場の人間関係も円満であってほしいと考えています。しかし、若い世代は「叱られる」こと、「褒められる」こと、どちらの経験もまだ少ないため、仕事上であっても、注意や叱責は特に厳しく響いてしまうこともあります。
それだけに、一度「だらしない」「気が緩んでいる」印象を持った上司に対しては、内心反発を感じていることも。そこから信頼関係を築くには、通常の何倍もの労力が必要になってしまう場合もあるのです。彼らが上司を見て「ガッカリした」「いい大人なのに……」と失望しがちなポイントには、注意を払う必要があります。
それだけに、一度「だらしない」「気が緩んでいる」印象を持った上司に対しては、内心反発を感じていることも。そこから信頼関係を築くには、通常の何倍もの労力が必要になってしまう場合もあるのです。彼らが上司を見て「ガッカリした」「いい大人なのに……」と失望しがちなポイントには、注意を払う必要があります。
その1 「憧れの上司」でいてほしい! 身だしなみ・自己管理は見られています
「デスクが散らかっていて、探し物ばかりしている上司に仕事のことを注意されたくない」
「育休から復帰した先輩が、チームリーダーなのに子供と公園に行くような服装で会社に来る。社外の人に会う機会も多いのに、緊張感がない服装の上司と一緒にいるのは恥ずかしい」
このような些細(ささい)なことで心に壁を作ってしまう部下たちを、上司であるあなたは子供っぽく感じるかもしれません。しかし、第一印象の悪さを覆すのは至難の業。知り合って日が浅いうちは整理整頓や時間管理はもちろん、身だしなみや自己管理の面でもスキを作らないことはとても重要です。
また、リーダーが自ら「遅刻」「締め切りを守らない」といったルール違反をすれば、部下たちも「自分たちにも同じことが許される」と考えます。リーダーの素行の悪さは、チーム全体の素行を悪くするといっても過言ではありません。「自分はいいけど部下はダメ」スタイルの上司には、部下は従いません。常に見られているという意識が必要です。
「率先垂範」で、自分が目標になり手本にもなる。この気持ちを常に持ちましょう。
「育休から復帰した先輩が、チームリーダーなのに子供と公園に行くような服装で会社に来る。社外の人に会う機会も多いのに、緊張感がない服装の上司と一緒にいるのは恥ずかしい」
このような些細(ささい)なことで心に壁を作ってしまう部下たちを、上司であるあなたは子供っぽく感じるかもしれません。しかし、第一印象の悪さを覆すのは至難の業。知り合って日が浅いうちは整理整頓や時間管理はもちろん、身だしなみや自己管理の面でもスキを作らないことはとても重要です。
また、リーダーが自ら「遅刻」「締め切りを守らない」といったルール違反をすれば、部下たちも「自分たちにも同じことが許される」と考えます。リーダーの素行の悪さは、チーム全体の素行を悪くするといっても過言ではありません。「自分はいいけど部下はダメ」スタイルの上司には、部下は従いません。常に見られているという意識が必要です。
「率先垂範」で、自分が目標になり手本にもなる。この気持ちを常に持ちましょう。
その2 距離感には気を付けたい! 部下を一人の大人として尊重して
「この年になれば新卒なんて自分の子供みたいなもの!と、なれなれしく接する上司が苦手です。上司だってまだ30代なのに……。彼氏の有無や自宅の最寄り駅など、プライベートの質問が多いのも困ります」
「なんでも報告して、と言われても、日によって別人級に態度が違う上司には、話しかけるのが怖いです」
「休日でも深夜でも関係なく、仕事の連絡をしてくる上司。『思いついたから忘れないうちに言うだけ! 対応は出社してからでいいから!』と言うけど、それなら仕事中に言ってほしい。心が休まるヒマがありません」
会話のアイスブレイクのつもりで、部下にプライベートな質問を投げかけていませんか? 部下は上司にフレンドリーな対応を求められると「質問の意図はわからないけど、答えないことで上司に敵視されたくない」と、本当は話したくないことを無理して答える場合も。
個人的な話題の雑談に乗ってきたからと言って、部下がそれを本心から楽しんでいるとは限りません。雑談がしたいのであれば「今日は日差しが強いね」「今かかっている音楽は何だろう?」といった具合に、今、目の前にあるものを話題にするとよいでしょう。
また、上司とはいえ個人的な悩みや、仕事上の不快な出来事など、いろいろあって当たり前。しかし、普段はおおむね優しい上司でいたとしても、無意味に冷たく八つ当たりされた経験が一度でもあれば、部下はその上司に話しかけるのは怖いと感じるようになってしまいます。
それだけで、その後のコミュニケーションに関するコストは爆上がりし、スムーズな“報・連・相”を妨げます。自分の気分の揺らぎをそのまま部下に向けるのは、一種の甘えです。上司として自分を律しましょう。
部下のプライベートな時間をないがしろにするのも、おすすめできません。業務時間外に受ける上司からの連絡は部下の心を圧迫します。
部下が時間に余裕をもって出社してきたとしても、昼休みに自席でくつろいでいるとしても、それは「いつでも働きます」という意思表示ではありません。業務時間外に雑談として仕事の話を持ち掛けたり、緊急ではない仕事の依頼をするのは避けましょう。業務に必要な連絡は業務中に済ませる段取り力も、リーダーに求められる資質の一つです。
部下とは適切な距離を保ったほうが、むしろ関係はよくなるでしょう。自分と他人の境界を意識し、感情をコントロールし、小さなことには流されないのが良いリーダーです。
「なんでも報告して、と言われても、日によって別人級に態度が違う上司には、話しかけるのが怖いです」
「休日でも深夜でも関係なく、仕事の連絡をしてくる上司。『思いついたから忘れないうちに言うだけ! 対応は出社してからでいいから!』と言うけど、それなら仕事中に言ってほしい。心が休まるヒマがありません」
会話のアイスブレイクのつもりで、部下にプライベートな質問を投げかけていませんか? 部下は上司にフレンドリーな対応を求められると「質問の意図はわからないけど、答えないことで上司に敵視されたくない」と、本当は話したくないことを無理して答える場合も。
個人的な話題の雑談に乗ってきたからと言って、部下がそれを本心から楽しんでいるとは限りません。雑談がしたいのであれば「今日は日差しが強いね」「今かかっている音楽は何だろう?」といった具合に、今、目の前にあるものを話題にするとよいでしょう。
また、上司とはいえ個人的な悩みや、仕事上の不快な出来事など、いろいろあって当たり前。しかし、普段はおおむね優しい上司でいたとしても、無意味に冷たく八つ当たりされた経験が一度でもあれば、部下はその上司に話しかけるのは怖いと感じるようになってしまいます。
それだけで、その後のコミュニケーションに関するコストは爆上がりし、スムーズな“報・連・相”を妨げます。自分の気分の揺らぎをそのまま部下に向けるのは、一種の甘えです。上司として自分を律しましょう。
部下のプライベートな時間をないがしろにするのも、おすすめできません。業務時間外に受ける上司からの連絡は部下の心を圧迫します。
部下が時間に余裕をもって出社してきたとしても、昼休みに自席でくつろいでいるとしても、それは「いつでも働きます」という意思表示ではありません。業務時間外に雑談として仕事の話を持ち掛けたり、緊急ではない仕事の依頼をするのは避けましょう。業務に必要な連絡は業務中に済ませる段取り力も、リーダーに求められる資質の一つです。
部下とは適切な距離を保ったほうが、むしろ関係はよくなるでしょう。自分と他人の境界を意識し、感情をコントロールし、小さなことには流されないのが良いリーダーです。
その3 ひいきや特別扱いはチーム全体の不和のモト
「私には塩対応、上司と同じ大学出身の同期にはニコニコ接して目立つ役回りばかり与える上司。上司と親しくなりたいわけではないけど、あの調子ではきっと査定にも差をつけられているんだろうな……と思うと、やる気がなくなります」
チームにはさまざまな人が集まりますが、リーダーの好みに沿うタイプや、ウマの合うメンバーばかりが配属されるわけではありません。しかし、チームとしては、メンバー同士で目標を共有し、ともに同じ方向を見て努力していく必要があります。
そこにひいきや特別扱い、人によって対応を変える上司がいると、チームの人間関係は乱れ、パフォーマンスが下がります。冷たくされた部下の士気が下がるだけでなく、必要以上に持ち上げられ、えこひいきされているメンバーも居心地の悪さを抱えることになるのです。
チームとして最大限の力を発揮するためにも、リーダーは誰にでも公平な態度で接することが求められます。実力主義で、公平に成果を評価しましょう。
チームにはさまざまな人が集まりますが、リーダーの好みに沿うタイプや、ウマの合うメンバーばかりが配属されるわけではありません。しかし、チームとしては、メンバー同士で目標を共有し、ともに同じ方向を見て努力していく必要があります。
そこにひいきや特別扱い、人によって対応を変える上司がいると、チームの人間関係は乱れ、パフォーマンスが下がります。冷たくされた部下の士気が下がるだけでなく、必要以上に持ち上げられ、えこひいきされているメンバーも居心地の悪さを抱えることになるのです。
チームとして最大限の力を発揮するためにも、リーダーは誰にでも公平な態度で接することが求められます。実力主義で、公平に成果を評価しましょう。
中野 亜希
ライター・コラムニスト
大学卒業後、ブログをきっかけにライターに。会社員として勤務する傍らブックレビューや美容コラム、各種ガジェットに関する記事執筆は2000本以上。趣味は読書、料理、美容、写真撮影など。
X:@752019