信頼「される」だけではなく、部下を信頼する覚悟が大事
前項のような注意点を挙げると、「若い子はそんな小さなことで人を判断するの?」「仕事上の付き合いとはいえ、上司と部下なのにドライ過ぎない?」という方がいます。確かに、若い世代ほど仕事とプライベートにはきっちり線を引きたがる、ドライな傾向があるとは思います。
しかしそれだけに、人間関係の適切な距離感を守り、自分たちを尊重してくれる上司のことを彼らは深く信頼するのです。日々の態度や話題選びは部下を尊重していれば、自然ににじみ出るもの。それを「小さなこと」と思い込み、デリケートなことを尊重しない上司が多いからこそ、そこを大切にする上司は愛されます。
一方、リーダーには信頼「される」だけでなく、部下を信頼する覚悟も求められます。「信頼されている」と部下たちが感じる上司の態度とは、どのようなものでしょうか。
しかしそれだけに、人間関係の適切な距離感を守り、自分たちを尊重してくれる上司のことを彼らは深く信頼するのです。日々の態度や話題選びは部下を尊重していれば、自然ににじみ出るもの。それを「小さなこと」と思い込み、デリケートなことを尊重しない上司が多いからこそ、そこを大切にする上司は愛されます。
一方、リーダーには信頼「される」だけでなく、部下を信頼する覚悟も求められます。「信頼されている」と部下たちが感じる上司の態度とは、どのようなものでしょうか。
その1 仕事を適切に割り振る
「仕事がやりやすい、デキる部下だけが配属されるわけではない」と書きましたが、デキない部下に仕事を振ることをあきらめたり、安易にチームから外そうとする上司は優れたリーダーとは言えません。人それぞれ、向き不向きがあります。
「部下に力がない」のではなく「その部下は、力を発揮できるポジションにいない」だけかもしれません。
折を見て面談などを行うほか、チーム内の配置換えを行い、部下の得意を見極めるなど、チーム内での仕事の割り振りを最適化する努力がリーダーには求められます。「できない子」という先入観を捨てて部下に接してみると、違う一面が見えるはずです。
部下は「育てる」ものではなく「活かす」ものという視点も持っておきましょう。
「部下に力がない」のではなく「その部下は、力を発揮できるポジションにいない」だけかもしれません。
折を見て面談などを行うほか、チーム内の配置換えを行い、部下の得意を見極めるなど、チーム内での仕事の割り振りを最適化する努力がリーダーには求められます。「できない子」という先入観を捨てて部下に接してみると、違う一面が見えるはずです。
部下は「育てる」ものではなく「活かす」ものという視点も持っておきましょう。
その2 自分の代わりになる人材を育てる
リーダーには、チームを引っ張るだけでなく、自分の代わりになれる人材を育てることも求められます。
「部下にはこんなことわからない」「この仕事をできるのは自分だけ」といった思い込みから仕事を抱え込んでいては、チームは機能しません。そんな上司のことを、部下たちが「上の顔色ばかり見ている」「自分だけ、仕事ができるアピールをしている」と受け取ってしまうこともあります。
「自分がやったほうが早いから」、こんな考えだと、リーダー失格です。部下の活躍と評価のチャンスをあなたは奪っているのかもしれません。
チームはリーダーだけのものではありません。リーダー1人がいかに頑張っても、達成できない目標もあるはず。しかしチームメンバーの力を借りれば、それは楽に達成できるかもしれないのです。仕事のスキルやノウハウは、惜しみなく部下にシェアしたいものです。「リーダーが急に休んでも、仕事はしっかり回る」──そんなチームを目標にしてみては?
「部下にはこんなことわからない」「この仕事をできるのは自分だけ」といった思い込みから仕事を抱え込んでいては、チームは機能しません。そんな上司のことを、部下たちが「上の顔色ばかり見ている」「自分だけ、仕事ができるアピールをしている」と受け取ってしまうこともあります。
「自分がやったほうが早いから」、こんな考えだと、リーダー失格です。部下の活躍と評価のチャンスをあなたは奪っているのかもしれません。
チームはリーダーだけのものではありません。リーダー1人がいかに頑張っても、達成できない目標もあるはず。しかしチームメンバーの力を借りれば、それは楽に達成できるかもしれないのです。仕事のスキルやノウハウは、惜しみなく部下にシェアしたいものです。「リーダーが急に休んでも、仕事はしっかり回る」──そんなチームを目標にしてみては?
やる気にさせるきっかけを知る
上司と部下、お互いが信頼しあう関係に、やる気を維持するガソリンが加われば、そのチームは最強です。ここでいうガソリンとは「褒めること」「感謝すること」。どちらも当たり前に見えますが、ここを惜しんでしまう上司も少なくありません。「褒める」「感謝する」は、なぜ大切なのでしょうか?
その1 全員が「褒められて伸びる」タイプと思って
目標を達成したとき、素晴らしいアイデアを出した時……。部下をしっかり褒めることはできていますか? 部下を褒めるときは、「人前で」「すぐに」褒めましょう。本人だけでなく、チーム全体の士気も上がります。褒めてもらったとしても、タイムラグがあるとうれしさは半減してしまいます。「褒め言葉はすぐに、人前で」「叱ることは陰で、少し時間をおいて」と意識するといいでしょう。
また「部下が調子に乗るから褒めない」という上司や、「僕、叱られて伸びるタイプです!」と自己紹介する部下を見かけることがあります。しかし誉め言葉を惜しんでもやる気がそがれるだけですし、「叩かれて伸びるタイプ」に見える部下は恐怖で支配されているだけです。上司としては基本、全員が「褒められて伸びるタイプ」と考えたほうが良いです。周囲を見ても、少し調子に乗っているくらいが、パフォーマンスとしても最大なのではないか、と思いますよ。
また「部下が調子に乗るから褒めない」という上司や、「僕、叱られて伸びるタイプです!」と自己紹介する部下を見かけることがあります。しかし誉め言葉を惜しんでもやる気がそがれるだけですし、「叩かれて伸びるタイプ」に見える部下は恐怖で支配されているだけです。上司としては基本、全員が「褒められて伸びるタイプ」と考えたほうが良いです。周囲を見ても、少し調子に乗っているくらいが、パフォーマンスとしても最大なのではないか、と思いますよ。
その2 感謝を表現する
昇進したとたんに、周囲に感謝の言葉を言わなくなってしまう人がいます。仕事なのでできて当たり前、やるのが当たり前。「ありがとう」は必要ないと感じるのかもしれませんね。しかし、それだけに「上司に、ありがとうと言われるとうれしい。もっと頑張ろうと思う」「部下の私たちに、口に出して感謝してくれるってすごくない?」と感激する部下たちも。昇進すればするほど、意識的に口に出して周囲に感謝の言葉を伝えたいものです。
おわりに
今回、実際に私のまわりの新入社員、若手社員にインタビューをしたのですが、「上司を尊敬するポイント」として、「仕事の出来」を挙げる若手社員はほとんどいませんでした。多くの人が「自分には上司の仕事ぶりは評価できないが、人として尊敬できるかどうかはわかる」と考えているようです。
その時の気分や相手によって態度を変えないこと、部下を子供扱いしたり、できない子扱いせず、仕事上のパートナーとして、1人の大人として接すること、そして相手のことも信頼すること。人として当たり前のこととも言えそうですが、こういったことこそが信頼されるリーダーになるための近道ではないでしょうか。
その時の気分や相手によって態度を変えないこと、部下を子供扱いしたり、できない子扱いせず、仕事上のパートナーとして、1人の大人として接すること、そして相手のことも信頼すること。人として当たり前のこととも言えそうですが、こういったことこそが信頼されるリーダーになるための近道ではないでしょうか。
中野 亜希
ライター・コラムニスト
大学卒業後、ブログをきっかけにライターに。会社員として勤務する傍らブックレビューや美容コラム、各種ガジェットに関する記事執筆は2000本以上。趣味は読書、料理、美容、写真撮影など。
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