人間の記憶は思った以上に曖昧です。会議や商談の内容や上司からの指示を、あとから完璧に思い出せる人はそう多くありません。また、記憶のリソースは有限です。きちんと手書きメモを取ったらそのことは忘れて、新しいことを考えたり、記憶するほうがそのリソースを有効活用できているのではないか?と思います。
人に仕事を依頼するときにも、会議の議事録を作成するときにも、正確なメモは役に立ちます。上手にメモを取ることは、ビジネススキルの一つなのです。
とはいえ、話のスピードにメモが追いつかないときや、後から自分のメモを読み返してみても内容を思い出せないことはありませんか?「仕事に役立つ」メモを、素早く正確に取るためには、いくつか押さえておきたいコツがあるのです。
人に仕事を依頼するときにも、会議の議事録を作成するときにも、正確なメモは役に立ちます。上手にメモを取ることは、ビジネススキルの一つなのです。
とはいえ、話のスピードにメモが追いつかないときや、後から自分のメモを読み返してみても内容を思い出せないことはありませんか?「仕事に役立つ」メモを、素早く正確に取るためには、いくつか押さえておきたいコツがあるのです。
コツ1:メモの命は「日付とタイトル」
メモには必ず、日付とタイトルを書く習慣をつけましょう。この2つは「なんの情報が書かれていて」「いつ作成されたメモなのか」を判断するのに欠かせない情報です。特に日付はとても重要な役割を果たします。
「1冊のノートに時系列でメモを取れば、日付がなくても大体いつ頃のモノか判断できる」と考えるかもしれませんが、あとでやり取りの流れや日付情報が必要になることも多々あります。メモに日付を残しておくことで、アイデアを思い付いた日や、相手が発言した日を確認できます。
タイトルはメモの概要がわかる内容であればよく、必ずしも「タイトル→メモ本文」の順番で書かなくても、書き終えたメモの内容を見てタイトルを決めてもいいのです。後述する「メモのフォーマットを統一」することで、どちらが先でも支障なくメモを取ることができるようになります。
「1冊のノートに時系列でメモを取れば、日付がなくても大体いつ頃のモノか判断できる」と考えるかもしれませんが、あとでやり取りの流れや日付情報が必要になることも多々あります。メモに日付を残しておくことで、アイデアを思い付いた日や、相手が発言した日を確認できます。
タイトルはメモの概要がわかる内容であればよく、必ずしも「タイトル→メモ本文」の順番で書かなくても、書き終えたメモの内容を見てタイトルを決めてもいいのです。後述する「メモのフォーマットを統一」することで、どちらが先でも支障なくメモを取ることができるようになります。
コツ2:フォーマットを統一するとスピードアップできる
何かを「決める」ことは、意外にエネルギーを使います。メモに関しても同じです。「何を書こうか」「どういう順番で書こうか」「情報の抜け漏れはないだろうか」……。メモを取るたびにこのようなことを考えていては、思いの外、負担になります。自分なりにメモのフォーマットを統一しておくと、この決定プロセスを省くことができます。
・日付
・場所
・タイトル
・見出し
・作成者
など、必須の項目に関しては、あらかじめ体裁を整えてフォーマット化しておきましょう。書きやすくなるだけでなく、いつのメモか、誰が作ったメモか……という切り口でメモを検索したい場合にも、毎度同じフォーマットで書かれていると見るべき場所が決まっているので検索性もアップします。
会議におけるメモ=議事録の場合はどうでしょうか。会議での決定事項・決定の経緯を会議に出席していない人に共有するのはもちろんですが、会議に参加した人もすべての発言内容を記憶しているわけではありません。議事録には「言った、言わない」論争や思い込み、認識違いを防ぐ目的もあります。さらに会議の参加者の役職や名前、決定事項の記載漏れや開催日時の記載ミスを防ぐためにも、フォーマット化は有効です。
会議の種類によっては、決定事項だけを記載すれば良いというケースもあれば、決定までの経緯を詳細に記録すべきケースもあるでしょう。会議の種類に合わせた議事録フォーマットをいくつか用意しておくと、議事録作成の労力を削減できます。
・日付
・場所
・タイトル
・見出し
・作成者
など、必須の項目に関しては、あらかじめ体裁を整えてフォーマット化しておきましょう。書きやすくなるだけでなく、いつのメモか、誰が作ったメモか……という切り口でメモを検索したい場合にも、毎度同じフォーマットで書かれていると見るべき場所が決まっているので検索性もアップします。
会議におけるメモ=議事録の場合はどうでしょうか。会議での決定事項・決定の経緯を会議に出席していない人に共有するのはもちろんですが、会議に参加した人もすべての発言内容を記憶しているわけではありません。議事録には「言った、言わない」論争や思い込み、認識違いを防ぐ目的もあります。さらに会議の参加者の役職や名前、決定事項の記載漏れや開催日時の記載ミスを防ぐためにも、フォーマット化は有効です。
会議の種類によっては、決定事項だけを記載すれば良いというケースもあれば、決定までの経緯を詳細に記録すべきケースもあるでしょう。会議の種類に合わせた議事録フォーマットをいくつか用意しておくと、議事録作成の労力を削減できます。
コツ3:情報の抜け漏れを防ぐ!「5W1Hを意識する」
商談や会議の内容をすべてメモに書き起こそうとすると、書くことに集中しすぎて考えることができず、それでいてメモも取りきれないという、どっちつかずの状態になりがちです。すべてを書き起こすことにこだわらず、要点を絞ったメモを取りましょう。
会議の論点について理解できていない場合や、「とりあえず」のメモは漠然とした内容になりがちです。必要な情報を聞き漏らしていることもあります。メモをとる段階から「5W1H」、つまり「いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように」を意識することで、情報の抜けや漏れを防ぐことができます。メモのフォーマットに事前に5W1Hの項目を書いておけば、情報の過不足に気づきやすくなるメリットもあります。
会議の論点について理解できていない場合や、「とりあえず」のメモは漠然とした内容になりがちです。必要な情報を聞き漏らしていることもあります。メモをとる段階から「5W1H」、つまり「いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように」を意識することで、情報の抜けや漏れを防ぐことができます。メモのフォーマットに事前に5W1Hの項目を書いておけば、情報の過不足に気づきやすくなるメリットもあります。
コツ4:図や記号を活用し、簡潔に書く
後から見返すことを考えると、メモは簡潔な文章であることがポイントになります。しかし簡潔でわかりやすい文を書くのにも、慣れと経験が必要です。文章だけにこだわらず、箇条書きや図・記号も活用しましょう。大事な部分にマーカーで色を付けるのも見やすくなる工夫です。言葉だけではイメージが描きにくい場合でも、ビジュアル化することで要点が見えやすくなります。
・箇条書き
・大事なポイントはマーカーなどで色をつける
・文章はポイント中心に短め
・図や記号の活用
こういったことを意識すると、短時間でわかりやすいメモが書けます。議事録などを作成する際、手書きのメモから文章を起こす際にも振り返りやすくなるメリットがあります。
・箇条書き
・大事なポイントはマーカーなどで色をつける
・文章はポイント中心に短め
・図や記号の活用
こういったことを意識すると、短時間でわかりやすいメモが書けます。議事録などを作成する際、手書きのメモから文章を起こす際にも振り返りやすくなるメリットがあります。
コツ5:主観は入れない。記録に徹する
正確な情報として活用するなら、メモには主観は禁物です。記録者に徹し、客観的に書いていきましょう。メモは論文やレポートではないので、他者の考えに対する賛成や反対、自分の意見といった内容を含める必要はないのです。思い入れのある議題の場合は、ものの見方が無意識に偏っていないか注意する必要があります。
特にメモを基に議事録を作成する場合は「会議に出席していない人が読むことを前提に、わかりやすく書かれている議事録であること」が必須となります。 読む人によって解釈が異なってしまうような曖昧な表現ではなく、シンプルな表記を心掛けましょう。
「空・雨・傘」という問題解決のためのフレームワークがあります。
1. 空が曇っている(事実)
2. 雨が降りそうだと考える(事実の解釈)
3. 傘を持って出かけるべきだ(判断)
このように「事実→事実の解釈→判断」の順で物事を考えることを指します。
曇り空を「雨が降りそうだ」と解釈し、傘を持って出かければ雨に濡れずに済みます。しかし、空を見ても雨が降りそうだと考えなかった場合は、雨に濡れるか、どこかで傘を買うか、雨宿りをする必要が生まれます。「曇り空」をどう解釈したかによって解決策が変わるように、事実をどのように解釈するのかは課題解決の大きなポイントになります。「主観の入らないメモ」は、読み手の客観的な判断の助けになります。
「主観は不要」の一方で、発言の中に日時・人数などの数字が出てきた場合は、正確に書きとめる必要があります。具体的な数字・定量的な情報は書き漏らさないように気を付けるべきです。
特にメモを基に議事録を作成する場合は「会議に出席していない人が読むことを前提に、わかりやすく書かれている議事録であること」が必須となります。 読む人によって解釈が異なってしまうような曖昧な表現ではなく、シンプルな表記を心掛けましょう。
「空・雨・傘」という問題解決のためのフレームワークがあります。
1. 空が曇っている(事実)
2. 雨が降りそうだと考える(事実の解釈)
3. 傘を持って出かけるべきだ(判断)
このように「事実→事実の解釈→判断」の順で物事を考えることを指します。
曇り空を「雨が降りそうだ」と解釈し、傘を持って出かければ雨に濡れずに済みます。しかし、空を見ても雨が降りそうだと考えなかった場合は、雨に濡れるか、どこかで傘を買うか、雨宿りをする必要が生まれます。「曇り空」をどう解釈したかによって解決策が変わるように、事実をどのように解釈するのかは課題解決の大きなポイントになります。「主観の入らないメモ」は、読み手の客観的な判断の助けになります。
「主観は不要」の一方で、発言の中に日時・人数などの数字が出てきた場合は、正確に書きとめる必要があります。具体的な数字・定量的な情報は書き漏らさないように気を付けるべきです。
コツ6:メモは追記してこそ!「余白を作る」
メモには意識して余白を作りましょう。後で思い浮かんだアイデアや考えを、そこに追記するためです。メモは「一度まとめたら終わり」ではなく、何度も見返し、情報を追記することで真価を発揮します。付箋を使って加筆する場合にも、余白は必要になってきます。
びっしり書き込んだメモは、読みやすさも損ないます。じっくり読もうとしなくても何が書いてあるかわかるくらい、スペースに余裕を持たせるのも、メモのコツの1つです。
びっしり書き込んだメモは、読みやすさも損ないます。じっくり読もうとしなくても何が書いてあるかわかるくらい、スペースに余裕を持たせるのも、メモのコツの1つです。
コツ7:書いたメモは1カ所にまとめる
メモを一覧で見返したいなら、1カ所にまとめて保管するほうが効果的です。メモを「カテゴリ分け」して保管をするのはやめておきましょう。メモの種類によって保管場所を変えると、探す時間と手間がかかります。そしてメモ同士の関連性もわからなくなってしまいます。カテゴリが似ているメモたちの場所が分からなくなることもあります。
また、メモを取ったときと確認したいときでは、用途が無意識のうちに変わっていることもあるでしょう。その経緯を時系列で見直すためにも、メモの管理は1冊のノートなどで一元管理するのがおすすめです。
また、メモを取ったときと確認したいときでは、用途が無意識のうちに変わっていることもあるでしょう。その経緯を時系列で見直すためにも、メモの管理は1冊のノートなどで一元管理するのがおすすめです。
コツ8:新しいメモは新しいページから開始する
新しいメモを書き始めるときは、前回のメモの続きではなく、新しいページから始めましょう。同じページ内に2つ以上の異なるメモが書かれていると検索性が下がります。「もったいない」と思わず、思い切って新しいページを使いましょう。
また、メモを書く時もカテゴリ分けは禁物です。「この内容はどのカテゴリで書こうか」と余計な迷いを生むからです。こうした小さな判断によるストレスが重なると、メモ自体が面倒になり、継続しづらくなってしまいます。常に冒頭は「日付/タイトル」です。改行して詳細を書き記していきましょう。
また、メモを書く時もカテゴリ分けは禁物です。「この内容はどのカテゴリで書こうか」と余計な迷いを生むからです。こうした小さな判断によるストレスが重なると、メモ自体が面倒になり、継続しづらくなってしまいます。常に冒頭は「日付/タイトル」です。改行して詳細を書き記していきましょう。
中野 亜希
ライター・コラムニスト
大学卒業後、ブログをきっかけにライターに。会社員として勤務する傍らブックレビューや美容コラム、各種ガジェットに関する記事執筆は2000本以上。趣味は読書、料理、美容、写真撮影など。
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