遊んでるうちにバンクシーに背を向けてしまう!
スペシャルムービーのあと、スクリーンがスーッと上がって、バンクシーの作品が登場します。
私が前回(2021年の11月ごろ)に行ったときは「Girl with Balloon(風船と少女)」と「Bomb Love Over Radar」の2作品のみの展示でしたが、今回は「Love Is In The Air(花束を投げる暴徒)」とも対面。
私が前回(2021年の11月ごろ)に行ったときは「Girl with Balloon(風船と少女)」と「Bomb Love Over Radar」の2作品のみの展示でしたが、今回は「Love Is In The Air(花束を投げる暴徒)」とも対面。
3つ一気にドンと来る
私はこの角度から「Bomb Love Over Radar」のカンバスの横にある赤いサインを見るのが好き
「Girl with Balloon(風船と少女)」のサインはハートマークつき。特別なしるしなのだとか
絵をいろんな角度からじっくり眺めて、スマートフォンで撮ったり、フォトスポットで「風船と少女ごっこ」をしてみたり、その場でインスタに投稿したり、のんびり過ごします。
これは光るパネルなので自分のシルエットがイイ感じに黒く写る。風船と少女っぽい!
そして今回のリニューアルでもうひとつ「遊び」が追加されました。バンクシーの絵の向かい側にあるスクリーン(フクラスの往来と美術館を仕切るスクリーンです)に風船がプカプカ出てきて……?
「さわれ」と言わんばかりの揺れ方とサイズ感。大人だろうが当然さわる
割れてもなお、ハートがスパーク!
こりゃ小さなお子さんは楽しかろう(というかその場にいた大人はみんなスクリーンにタッチして風船をバンバン割っていました)。没入感のある「イマーシブ的な演出」ですね。
で、無心になって風船を割っているうちに「アッ!」と気がつくわけです。「もしかして、もしかしなくても、私は今、バンクシーの絵を見に来たのに、バンクシーに背を向けてないかい?」と。とはいえ、神出鬼没のストリートアートは見つけた人にビックリされたり、人だかりを生んだり、道行く人にそっぽを向かれたり、そういう世界で輝いてきたんだもんなあ。そんなことを思いつつ再びバンクシーの絵に向き直って、展覧会は終了しました。
会場のお隣にはミュージアムショップもあります(割引券もくれました!)。美術展ってミュージアムショップを眺めるのも楽しいんですよね。マグカップやTシャツがポップでかわいかった。
で、無心になって風船を割っているうちに「アッ!」と気がつくわけです。「もしかして、もしかしなくても、私は今、バンクシーの絵を見に来たのに、バンクシーに背を向けてないかい?」と。とはいえ、神出鬼没のストリートアートは見つけた人にビックリされたり、人だかりを生んだり、道行く人にそっぽを向かれたり、そういう世界で輝いてきたんだもんなあ。そんなことを思いつつ再びバンクシーの絵に向き直って、展覧会は終了しました。
会場のお隣にはミュージアムショップもあります(割引券もくれました!)。美術展ってミュージアムショップを眺めるのも楽しいんですよね。マグカップやTシャツがポップでかわいかった。
今回もお土産のハート風船とステッカーをもらいました。最後までハート!
個人蔵のアート作品を美術館で見るチャンスは限られていますし、さらに言うと、ごくありふれた街角で気軽に「ふーん」なんて言いながら眺める経験は、私の知る限りほとんどありません。でも大好きな作品は大切に扱いたいから、道端にポンと置くなんてのも難しい。
そしてオークションでの落札額や話題性が独り歩きをするのもさみしい。だってカッコいいのに! 「こんなカッコいい絵が壁に勝手に描かれてたらアガるよね〜」とか言い合いたい。ストリートアートは、社会風刺やメッセージと共に、話題になればなるほど大きな葛藤も内在させてしまう、興味深い現代アートなわけです。
そんなバンクシーの作品を、世界に対してオープンにする方法として「バンクシー展 GMOデジタル美術館 東京・渋谷」は、ちょうどよくて粋なスタイルだなあと思います。豊かな20分を過ごせますよ。
そしてオークションでの落札額や話題性が独り歩きをするのもさみしい。だってカッコいいのに! 「こんなカッコいい絵が壁に勝手に描かれてたらアガるよね〜」とか言い合いたい。ストリートアートは、社会風刺やメッセージと共に、話題になればなるほど大きな葛藤も内在させてしまう、興味深い現代アートなわけです。
そんなバンクシーの作品を、世界に対してオープンにする方法として「バンクシー展 GMOデジタル美術館 東京・渋谷」は、ちょうどよくて粋なスタイルだなあと思います。豊かな20分を過ごせますよ。
花森 リド
ライター・コラムニスト
主にゲーム、マンガ、書籍、映画、ガジェットに関する記事をよく書く。講談社「今日のおすすめ」、日経BP「日経トレンディネット」「日経クロステック(xTECH)」、「Engadget 日本版」、「映画秘宝」などで執筆。
X:@LidoHanamori