メタバースにおけるゲームデザインと隣人としてのAI
メタバースにおいても、ビデオゲームにおけるゲームデザインのノウハウは有用です。
現在の「メタバース」といわれるソーシャル空間では「アバター」の自由度が特徴となっています。アイテムを購入することなどによって、キャラクターの外見を変更させることが可能なのです。
現在そのアバターは、リアル世界での「ファッション」や「ルックス」同様、コミュニケーションをする相手の「主観」のみで評価されています。この評価は、アバターシステムを実装したMMORPGでも既に行われていたように、ユーザー同士が「人気投票」できる仕組みに発展するでしょう。
この流れが進むと、将来的にAIがファッションセンス度を評価するということもあり得ると考えられます。さらにAIが発展した未来では、プレーヤーを評価するシステムは、従来のビデオゲームに比較してより有機的な方向に進化し、プレーヤーの行動や言動も評価していくことになるのかもしれません。
現在のゲームのプレーヤーは一般に、勝つためにゲームをプレーします。一方、未来のメタバースでは、多様な評価軸による有機的な評価がAIによって行われるようになるでしょう。
そして、それらは、「適切な」評価である必要があります。何の裏打ちもない高評価や高得点ではなく、プレーヤーにとって、十分納得のいく評価がされる未来が訪れるはずです。
たとえば現代のFacebookにおいて、「いいね」を連打する人や、ツールを使って「いいね」をしてくる人からの「いいね」はノイズに感じる人が多いでしょう。でも、自分がリスペクトする「ともだち」からもらった「いいね」はその何百倍も価値があるものと感じるのではないでしょうか。
「いいね」のようないわゆる評価ゲームも、未来のメタバースのセカイではAIという“隣人”によって「納得がいく」ものになっていくはずです。
「完全なメタバース」では結婚、恋愛、暴力、食事から、仕事やその他の経済活動に至るまで、プレーヤーたちはさまざまなアクティビティに興じることになるでしょう。それらの「代替現実」のセカイでは、潜在的にも顕在的にもさまざまな評価ゲームをその中に埋め込むことができ、VR空間として、より多様な評価ゲームに没頭できるように設計されていくはずです。
さまざまなアクティビティを通じて、さまざまな種類の多様で進化した「評価」は、アバターの「見た目」よりもプレーヤーを彩る装飾となるでしょう。
AIという隣人と過ごす未来。数万、数十万というメタバースサービス(ブランド)の利用者を人工知能が評価し、評価する未来が訪れるはずです。その時、ブランドと人は人工知能という媒介を経て邂逅することにより、今では想像できない形で結びつくことでしょう。
現在の「メタバース」といわれるソーシャル空間では「アバター」の自由度が特徴となっています。アイテムを購入することなどによって、キャラクターの外見を変更させることが可能なのです。
現在そのアバターは、リアル世界での「ファッション」や「ルックス」同様、コミュニケーションをする相手の「主観」のみで評価されています。この評価は、アバターシステムを実装したMMORPGでも既に行われていたように、ユーザー同士が「人気投票」できる仕組みに発展するでしょう。
この流れが進むと、将来的にAIがファッションセンス度を評価するということもあり得ると考えられます。さらにAIが発展した未来では、プレーヤーを評価するシステムは、従来のビデオゲームに比較してより有機的な方向に進化し、プレーヤーの行動や言動も評価していくことになるのかもしれません。
現在のゲームのプレーヤーは一般に、勝つためにゲームをプレーします。一方、未来のメタバースでは、多様な評価軸による有機的な評価がAIによって行われるようになるでしょう。
そして、それらは、「適切な」評価である必要があります。何の裏打ちもない高評価や高得点ではなく、プレーヤーにとって、十分納得のいく評価がされる未来が訪れるはずです。
たとえば現代のFacebookにおいて、「いいね」を連打する人や、ツールを使って「いいね」をしてくる人からの「いいね」はノイズに感じる人が多いでしょう。でも、自分がリスペクトする「ともだち」からもらった「いいね」はその何百倍も価値があるものと感じるのではないでしょうか。
「いいね」のようないわゆる評価ゲームも、未来のメタバースのセカイではAIという“隣人”によって「納得がいく」ものになっていくはずです。
「完全なメタバース」では結婚、恋愛、暴力、食事から、仕事やその他の経済活動に至るまで、プレーヤーたちはさまざまなアクティビティに興じることになるでしょう。それらの「代替現実」のセカイでは、潜在的にも顕在的にもさまざまな評価ゲームをその中に埋め込むことができ、VR空間として、より多様な評価ゲームに没頭できるように設計されていくはずです。
さまざまなアクティビティを通じて、さまざまな種類の多様で進化した「評価」は、アバターの「見た目」よりもプレーヤーを彩る装飾となるでしょう。
AIという隣人と過ごす未来。数万、数十万というメタバースサービス(ブランド)の利用者を人工知能が評価し、評価する未来が訪れるはずです。その時、ブランドと人は人工知能という媒介を経て邂逅することにより、今では想像できない形で結びつくことでしょう。
未来のメタバースでの「評価」はどうなる?
人間は本能的にバッジを求めます。名誉、資格、学歴、職歴、結婚、家庭、車、マイホーム。人はさまざまなバッジを求めてきました。
いわゆるブランド品もそのバッジとして非常に重要な機能を果たしてきていましたし、現在もそうであるとあえて断言します。
ブランド品は、その価格やマーケティング手法、またものによってはそのサイズ戦略等で、消費者に「選ばれる」と同時に「消費者」を選んできました。
また同時に、ある種のブランド品を身につけることが、特定のコミュニティの参加資格を獲得するのに必要ということも、実感のあることではないでしょうか。
このように、ブランドは消費者が選ぶというよりも、消費者が「選ばれる」という機能を、常に持ってきたということも見過ごせない事実です。
先述した「AIという隣人」によって、現実社会より多様性のある評価軸で、有機的で相互的な評価が、メタバースにおいては可能になるでしょう。
このような展開から想像するに、「評価される(褒められる)ブランド」から「評価する(褒める)ブランド」へという180度の転換(消費者の認識も含めて)も、メタバース後の世界では起こるのかもしれません。
すでに直近では現実社会と同様の動きが出つつあります。従来の方法論を用いて、有名ブランドのVRへの進出は加速していくでしょう。
NIKEがバーチャルアパレルのRTFKTを買収したことによって、VRファッション領域に参入することが話題になっていました。これらは現実のNIKEのアイテム同様、限定販売等も行われ、VRでの「GOT'EM」がSNSを賑わせることが想像されます。
ちなみに、「GOT'EM」というのは、NIKEのSNKRSというアプリで表示される購入成功後のメッセージです。
人気商品の場合は、それだけがSNS上での「価値」となっています。対価を支払って商品を手に入れるという、経済的な価値交換ではなく、「ブランド」からの価値交換による「バッジ」授与の典型的な例と言えるでしょう。
いわゆるブランド品もそのバッジとして非常に重要な機能を果たしてきていましたし、現在もそうであるとあえて断言します。
ブランド品は、その価格やマーケティング手法、またものによってはそのサイズ戦略等で、消費者に「選ばれる」と同時に「消費者」を選んできました。
また同時に、ある種のブランド品を身につけることが、特定のコミュニティの参加資格を獲得するのに必要ということも、実感のあることではないでしょうか。
このように、ブランドは消費者が選ぶというよりも、消費者が「選ばれる」という機能を、常に持ってきたということも見過ごせない事実です。
先述した「AIという隣人」によって、現実社会より多様性のある評価軸で、有機的で相互的な評価が、メタバースにおいては可能になるでしょう。
このような展開から想像するに、「評価される(褒められる)ブランド」から「評価する(褒める)ブランド」へという180度の転換(消費者の認識も含めて)も、メタバース後の世界では起こるのかもしれません。
すでに直近では現実社会と同様の動きが出つつあります。従来の方法論を用いて、有名ブランドのVRへの進出は加速していくでしょう。
NIKEがバーチャルアパレルのRTFKTを買収したことによって、VRファッション領域に参入することが話題になっていました。これらは現実のNIKEのアイテム同様、限定販売等も行われ、VRでの「GOT'EM」がSNSを賑わせることが想像されます。
ちなみに、「GOT'EM」というのは、NIKEのSNKRSというアプリで表示される購入成功後のメッセージです。
人気商品の場合は、それだけがSNS上での「価値」となっています。対価を支払って商品を手に入れるという、経済的な価値交換ではなく、「ブランド」からの価値交換による「バッジ」授与の典型的な例と言えるでしょう。
あなたが今からやってみるべきこと
さて、あなたがメーカーやブランドの宣伝担当者で、経営陣から「メタバースで何かやってくれ」みたいな丸投げをされて悩んでいる場合、メタバース関連の広告代理店やプラットフォームに相談を持ちかける前におすすめしたいことがあります。
それは「まずは体験してみよう」ということです。
メタバースは「没入」する「セカイ」です。先述したようにその空間の中に、今まで通りの文脈で広告を展開したり、コラボブースを作ったりするだけでは、プレーヤーの多くに「ノイズ」として受け取られることでしょう。
まずは「体験」することにより、自分目線で何に「没入」するのか、そしてなにが「ノイズ」なのかを認識してみてください。
もちろん、早いタイミングでメタバースでのプロモーションに参入することによる、プレゼンスの向上や、その経験から得ることはあるとは思います。
ですが、一旦メタバースに「没入」するという経緯を経てからのプロモーション企画は、単なる「出稿」や「スポンサード」ではない形になるはずです。
それはきっと、あなた(ブランド)とお客様の関係を、より豊かにすることでしょう。
それは「まずは体験してみよう」ということです。
メタバースは「没入」する「セカイ」です。先述したようにその空間の中に、今まで通りの文脈で広告を展開したり、コラボブースを作ったりするだけでは、プレーヤーの多くに「ノイズ」として受け取られることでしょう。
まずは「体験」することにより、自分目線で何に「没入」するのか、そしてなにが「ノイズ」なのかを認識してみてください。
もちろん、早いタイミングでメタバースでのプロモーションに参入することによる、プレゼンスの向上や、その経験から得ることはあるとは思います。
ですが、一旦メタバースに「没入」するという経緯を経てからのプロモーション企画は、単なる「出稿」や「スポンサード」ではない形になるはずです。
それはきっと、あなた(ブランド)とお客様の関係を、より豊かにすることでしょう。
GMOブランドセキュリティ 技術担当役員 山下寿也