コミュニケーションの達人になる6つの習慣+α

中野 亜希

Specialインターネットビジネス
プライベートだけでなく、ビジネスシーンにおいても「コミュニケーション力」が求められるようになって久しいです。仕事で結果を出し、「あの人と一緒に働きたい」と思われるような人たちには「話を深く理解する力」「要点を押さえて聴く力」「ニーズを引き出す力」「相手に気持ち良く話をさせる力」「共感する力」が備わっているように感じます。

こうしたポイントを押さえたコミュニケーションは、深い会話を生み、お互いの理解へとつながります。ここでは、コミュニケーションの達人たちが意識して、あるいは無意識にやっている習慣をまとめました。

コミュニケーションの目的を意識する

目的なき行動は惰性を生みます。

コミュニケーションの達人は、目的を持ったコミュニケーションを行います。仕事であれば「行動させたい」「問題点を聞き出したい」、プライベートであれば「仲良くなりたい」など、「なぜ、その人とコミュニケーションを取るのか」という目的があるはずです。それを念頭に置いて行動するかどうかで、同じ働きかけでも効果が変わってきます。

例えば、コミュニケーションを活性化させる要素として「アクティブリスニング(積極的傾聴)」が挙げられます。

アクティブリスニングは、相手の話を受動的に聞き流すのではなく、聞き手が会話を通じて話者の感情や事実を主体的に把握するもの。多くの場合、話し手=部下、聞き手=上司となることが多いですが、話し手は、聞き手が自分の話を受け流さず「しっかりと聞いてくれている」ことで自己開示しやすくなり、活発なやり取りが期待できます。「アクティブリスニング」は企業においても、管理者やリーダーに必須で求められるスキルになりそうです。

この場合の聞き手の目的は「会話を通して話の本質を明らかにし、話し手の感情や考えや事実などを把握しながら、話し手が自身で問題を解決できるように導くこと」といえるでしょう。すると「話し手の気持ちや意見に共感する」「相槌を打つ」「相手の言葉を繰り返すことで“しっかり聞いている”姿勢を見せる」など、取るべき言動が見えてきます。

また、アクティブリスニングには話題を掘り下げていく質問が必須ですが、この場合は「はい・いいえ」で答えられるクローズドクエスチョンでは、会話の掘り下げが不十分です。「そのとき、どう感じましたか?」「どうするべきだったと思いますか?」といったオープンクエスチョンを投げかけることで、話し手の思考を促す必要があります。

このように、コミュニケーションの目的を把握することで、より効果的な振る舞いができるようになるのです。

超重要!「質問力」を上げる

質問は、相手がいることが前提です。ゆえに質問力もコミュニケーション能力の1つといえます。「質問力」という言葉が指すとおり、適切な質問で会話を発展させたり、相手への理解を深める問いかけができることは、一種の能力です。高い質問力は、不明点や疑問点などを問うだけでなく、「相手に関心を持っていることを示せる」「相手とスムーズに人間関係を築くことができる」「相手からより多くの情報を収集できる」といったメリットを生みます。コミュニケーションの達人を目指すなら、押さえておきたいスキルです。

さらに「質問する」こと自体が相手に興味や関心を持っていることを示すので、相手からも「この人は自分に関心を持ってくれる人だ」と好意的に受け取られて、結果的に人間関係が良くなることも多いのです。

とはいえ、「とにかく質問をすればいい」というわけでもありません。質問によっては、相手を不快にさせ、関係の構築を妨げることがあります。「相手に聞くまでもない質問」「距離感を誤った質問」がそれにあたります。

クライアントに提案に行くとします。その際、「御社のメインの事業は何ですか?」といった、事前に検索すれば即座にわかるようなことを聞くのが「相手に聞くまでもない質問」です。「そのくらいは前もって、自分で調べればいいのでは?」「調べればわかることを、なぜこちらが時間を使って説明してあげなくてはいけないのか」と感じさせ「自分の怠惰でこちらの時間を奪う人」と認識されてしまうでしょう。

例えば、用意していたテンプレを使って「御社に役立つ商材です」と伝えるだけの営業マンより、しっかりと「御社の☓☓の事業に、このようにこの商材は役立ちます」と具体的な提案をする営業マンの方が実績を積み上げるはずです。

また、初対面の相手や、仕事でしか付き合いのない相手に「恋人はいますか」「休日はどんなところに出かけるんですか?」といった踏み込んだことを聞くのが「距離感を誤った質問」です。相手に警戒心を抱かせたり、「ぶしつけな人だな」と思われる可能性があります。一度、そういう人だと認識されると、コミュニケーション以前に相手が心を閉ざしてしまうので、関係構築に通常の何倍もの時間がかかってしまいます。

質問すべきは、相手の意見や体験など、相手に聞かなければ分からない問いです。他にも、相手が「そういう考え方もありだな」と感じる、新しい考えを引き出すような質問も喜ばれます。深い質問は、相手との距離感が近くなってから徐々にしていきましょう。

相手には根掘り葉掘り聞くのに、自分のことは話さないのも嫌がられます。適度に自分の話も織り交ぜつつ、距離感を測りながら聞いていきましょう。ビジネスシーンであれば、5W1Hのようなフレームワークを質問に組み込んでみるという方法もおすすめです。必要な情報の聞き忘れがなくなります。

「質問した後の相手の反応がいい」「話を引き出すのがうまい」と感じるような人を観察し、質問の仕方を真似てみるのも質問力を上げるコツです。

「言葉以外の引き出し」を持つ!ノンバーバル・コミュニケーション

コミュニケーション能力が高い人は、言葉以外のコミュニケーションの引き出しも多く持つ人です。先述の「アクティブリスニング」においても、「あなたの話を聞いています」というサインとして姿勢や表情、視線で「傾聴の姿勢」を示すことは重要です。適切なタイミングで相槌を打ち、相手の話にあわせて表情を豊かに変化させるなど、言葉によらない方法で、相手に自分の気持ちを伝えることができるのです。

こういった表情や仕草、声のトーンや話し方はもちろん、服装やインテリア、デザインといった要素までもが「言葉によらない」コミュニケーション(ノンバーバル・コミュニケーション)と呼ばれています。

たとえば会話中に、こちらの話に相手がタイミングよくうなずいていたら「大まかな同意を得ている」と感じられます。時計をちらちら見ていたり、荷物を片付けだしたら「時間がないのかも」「話を切り上げたがっているのかも」と思いますよね。同じ内容を話していても、話す相手に見せる表情や仕草、声のトーンなどを工夫することで、相手に与える印象をある程度コントロールすることができるのです。

ノンバーバルメッセージの重要度を説明するものとして「メラビアンの法則」が挙げられます。 メラビアンの法則では、言葉で伝わる(バーバル)情報が7%、ノンバーバルで伝わる情報は93%とされています。ノンバーバルな情報のうち、声のトーンや口調などの聴覚情報が38%、仕草や表情、姿勢などの視覚情報が55%です。人は話す内容よりも「言葉以外」の情報に頼っていることがよくわかりますね。

そのため、バーバルメッセージとノンバーバルメッセージが一致していないと、相手に不信感を与える原因になります。たとえば、口では「すごいね」と言いながら、よそ見をしているような場合は、言葉の内容よりも「よそ見」が与える「関心のなさ」のほうが強いメッセージとして伝わります。反対に、相手が見せる無意識のしぐさや表情などの「言葉以外の情報」に意識を向けることによって、相手の感情や、本心がどこにあるのかに気づくこともできるでしょう。

「服装やインテリア、デザインもノンバーバル・コミュニケーションである」と言いましたが、これは「見た目の分かりやすさが大事」と言いかえることもできます。言葉にじっと耳を傾けたり、文章を精読したりしなくても、「一目でわかる」状態を作ることは、相手が負担するコミュニケーションコストを大幅に削減します。

たとえば、営業時間を説明するときに「“午前”は9:30~12:30を指し、“午後”は14:30~18:30を指すパターン1と、14:30~17:30を指すパターン2がある。月曜日は定休日で、火曜から金曜日は午前と午後パターン1、土日祝は午前と午後パターン2で営業する」と文章で書くよりは、こういった図で示すほうが圧倒的に早く理解できるうえ、誤解も少なくなります。
また、ショップの店員が制服を着ていたり、揃いのエプロンを着けていると、客と店員の区別が容易になります。「お店の人に質問したいけど、誰に声をかければいい?」という客側のストレスを事前に解消できるので、結果的に「質問→購入」の流れが増え、売り上げ増につながることも。言葉のみに頼らず、視覚情報もうまく使うことは、コミュニケーションの精度を上げることでもあるのです。
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中野 亜希

ライター・コラムニスト
大学卒業後、ブログをきっかけにライターに。会社員として勤務する傍らブックレビューや美容コラム、各種ガジェットに関する記事執筆は2000本以上。趣味は読書、料理、美容、写真撮影など。 Twitter:@752019

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