ChatGPTをはじめとするAIの台頭が目覚ましい中、自己学習や能力の応用も可能な、人間に近いAIとして話題となっているのが“AGI”です。AGIとは汎用人工知能(Artificial General Intelligence)の頭文字をとったもの。決められた処理に特化した従来のAIと比べて高い汎用性、自律性を持ち、プログラムされた特定の状況以外の課題についても解決を図ることができるといわれています。その実用化には高い期待が寄せられ、数多くの企業や研究機関が実現に向けて取り組んでいます。
また、AGIがさらに進歩した“ASI(Artificial Superintelligence:人工超知能)”も注目を集めています。ASIは、人間を超えたレベルの知能を有し、さまざまなタスクや問題に対する解決能力も人間を超えるといわれています。
IT化、DX推進が加速し、ここ数年でビジネス環境は大きく変化しています。そんな中、AGIやASIが実用化されたら、私たち人間にも影響があるはずです。特に仕事の面においてはAGIが登場した時点で「作業するだけ」「他人任せ」「指示待ち人間」はニーズがなくなってしまうかもしれません。求められ続ける人材であるために、私たちは何を意識していけばいいのでしょうか。
大切なポイントとして「自律型人材」になることが挙げられます。自律型人材とは、自分の頭で考えて仕事に取り組む姿勢を持ち、予期せぬ出来事に対しても柔軟な思考で結果を出すための行動ができる人間です。自律型人材がチームに入ると周囲の人間がその人をロールモデルとしたり、業務効率化やコストカットにつながったりするため、企業に自律型人材が増えるとマネジメント業務の負担が軽減されるメリットもあります。
ビジネスで求められる自律型人材になるには、どんな力を身に付ければよいのでしょうか。自律型人材に見られる5つの特徴をご紹介します。
また、AGIがさらに進歩した“ASI(Artificial Superintelligence:人工超知能)”も注目を集めています。ASIは、人間を超えたレベルの知能を有し、さまざまなタスクや問題に対する解決能力も人間を超えるといわれています。
IT化、DX推進が加速し、ここ数年でビジネス環境は大きく変化しています。そんな中、AGIやASIが実用化されたら、私たち人間にも影響があるはずです。特に仕事の面においてはAGIが登場した時点で「作業するだけ」「他人任せ」「指示待ち人間」はニーズがなくなってしまうかもしれません。求められ続ける人材であるために、私たちは何を意識していけばいいのでしょうか。
大切なポイントとして「自律型人材」になることが挙げられます。自律型人材とは、自分の頭で考えて仕事に取り組む姿勢を持ち、予期せぬ出来事に対しても柔軟な思考で結果を出すための行動ができる人間です。自律型人材がチームに入ると周囲の人間がその人をロールモデルとしたり、業務効率化やコストカットにつながったりするため、企業に自律型人材が増えるとマネジメント業務の負担が軽減されるメリットもあります。
ビジネスで求められる自律型人材になるには、どんな力を身に付ければよいのでしょうか。自律型人材に見られる5つの特徴をご紹介します。
1. 自己管理能力がある
「広く求められる人材」というと、特別な能力が必要なように思えます。しかし、自分自身の時間やエネルギーといったリソースを効果的に管理することも、立派な「自律」の能力の1つです。優先順位をつけ、目標を設定し、それに向かって立てた計画を遂行する能力を身につけることは難しいことではありません。
タスクや目標は優先順位に従って整理し、重要なものから取り組むようにします。それぞれの作業に対し重要度と緊急度のマトリックスを使用したり、デイリープランナーやタスク管理アプリを活用することで、効果的な優先順位設定ができます。
類似したタスクをまとめて時間を割り当てて集中して取り組むことも、効率的な時間の使い方です。たとえば、メールの確認や会議の設定など、日常的なルーチンタスクを特定の時間帯にまとめることで、他の重要な仕事に集中することができます。
また、自己の強みや弱点を客観的に認識するのも、自律型人材の特徴です。自律的な人は、新しいスキルや知識を学び、成長し続けるよう努力します。また、フィードバックや反省を活用し、自分の弱点や課題に取り組む際にも過剰な苦手意識を持ちません。
自分の欲求やさまざまな誘惑に対して自制心を持つことでプラン通りにタスクを進めることも大事ですが、むしろ自分の「苦手な作業」「やる気がなくなる時間帯」などを客観的に把握して、それを踏まえたスケジューリングができることも自己管理スキルの1つです。
タスクや目標は優先順位に従って整理し、重要なものから取り組むようにします。それぞれの作業に対し重要度と緊急度のマトリックスを使用したり、デイリープランナーやタスク管理アプリを活用することで、効果的な優先順位設定ができます。
類似したタスクをまとめて時間を割り当てて集中して取り組むことも、効率的な時間の使い方です。たとえば、メールの確認や会議の設定など、日常的なルーチンタスクを特定の時間帯にまとめることで、他の重要な仕事に集中することができます。
また、自己の強みや弱点を客観的に認識するのも、自律型人材の特徴です。自律的な人は、新しいスキルや知識を学び、成長し続けるよう努力します。また、フィードバックや反省を活用し、自分の弱点や課題に取り組む際にも過剰な苦手意識を持ちません。
自分の欲求やさまざまな誘惑に対して自制心を持つことでプラン通りにタスクを進めることも大事ですが、むしろ自分の「苦手な作業」「やる気がなくなる時間帯」などを客観的に把握して、それを踏まえたスケジューリングができることも自己管理スキルの1つです。
2. 責任感がある
自律的な人は、自分の行動とその結果に責任を持つことができます。仕事においての「責任」とは主に納期や約束を守り、義務を果たすことを指しますが、仕事を「自分ごと」としてとらえ、自分の関わるチームやそのメンバーに対しても責任を持つ心構えは大きな信頼につながります。
忙しい時は、チーム内のそれぞれが自分の担当業務だけに集中する状態になりがちです。チーム全体に明確な目標設定があれば、お互いの仕事に介入せず自分の仕事だけをしていても、一見問題ないように見えるでしょう。しかし、仕事における外部環境、内部環境は変化し続けています。お互いが全く干渉しないことで、それぞれが考える「チームとして目指す方向」が意図せずバラバラになってしまうこともあり得ます。
目標を設定したら終わりではなく、常に目指すゴール、実現したいことを仕事仲間と互いに確認しあうのも責任感の1つです。
忙しい時は、チーム内のそれぞれが自分の担当業務だけに集中する状態になりがちです。チーム全体に明確な目標設定があれば、お互いの仕事に介入せず自分の仕事だけをしていても、一見問題ないように見えるでしょう。しかし、仕事における外部環境、内部環境は変化し続けています。お互いが全く干渉しないことで、それぞれが考える「チームとして目指す方向」が意図せずバラバラになってしまうこともあり得ます。
目標を設定したら終わりではなく、常に目指すゴール、実現したいことを仕事仲間と互いに確認しあうのも責任感の1つです。
3. 内面からの「動機づけ」ができる
フレックスタイム制やテレワークなどが浸透したことで、管理職による社員のマネジメントが難しくなったといわれています。そんな中、細かい指示を受けることなく自主的に仕事に取り組むことができる自律的人材は、多くの企業で高く評価されています。
「自律」には、外部の刺激やモチベーションだけでなく、自身の内部からの動機付けも必要です。
まずは自分の仕事が、組織や社会にどのように貢献しているのかを理解しましょう。自分の仕事がいかに重要であるかを認識することで、仕事への意欲が高まります。仕事を「自分ごと」として考えると、主体的に動けるようになります。自然と次に取るべき行動が分かり、「指示待ち人間」からの脱却も可能になります。
加えて、自分自身に対する目標設定をしましょう。目標は実現可能なもので、なおかつ具体的に数値で表せるようなものにします。仕事の実績だけでなく、個人の興味や関心に基づくものでもよいです。手帳などでリスト管理し、クリアできた目標は消し込むなど、「達成/未達」を分かるようにすると、できたことが増えるたびに達成感を得られます。
「自分の仕事が重要だと認識する」「目標をクリアする」。これらは自己肯定感を大きく上げ、自律的な行動を促してくれます。
「自律」には、外部の刺激やモチベーションだけでなく、自身の内部からの動機付けも必要です。
まずは自分の仕事が、組織や社会にどのように貢献しているのかを理解しましょう。自分の仕事がいかに重要であるかを認識することで、仕事への意欲が高まります。仕事を「自分ごと」として考えると、主体的に動けるようになります。自然と次に取るべき行動が分かり、「指示待ち人間」からの脱却も可能になります。
加えて、自分自身に対する目標設定をしましょう。目標は実現可能なもので、なおかつ具体的に数値で表せるようなものにします。仕事の実績だけでなく、個人の興味や関心に基づくものでもよいです。手帳などでリスト管理し、クリアできた目標は消し込むなど、「達成/未達」を分かるようにすると、できたことが増えるたびに達成感を得られます。
「自分の仕事が重要だと認識する」「目標をクリアする」。これらは自己肯定感を大きく上げ、自律的な行動を促してくれます。
4. 柔軟性と適応性がある
自律型人材は、変化に対して柔軟に対応し、新しい状況や環境に順応する能力を持っています。彼らにとって変化はチャンスでもあり、柔軟に対応することで成果を上げることもできます。
仕事における課題は複雑なものが多く、活動を始めた時にそれらすべてを洗い出すのは難しいことです。状況の変化に応じて、新たな戦略を講じる必要が出ることもありますが、自律型の人は、最初は戦略の大枠だけを仮決めします。そして動きながら振り返り、修正し続けることが重要だと知っています。
また情報収集や調査を継続的に行い、収集した情報の内容を解釈し、信頼性の高い情報かどうかを判断します。そのうえで最新の根拠を評価し、それに基づいて戦略を変えることができます。仕事を「自分ごと」として捉えていれば、多少の変化で必要以上に動揺しなくて済むのです。
仕事における課題は複雑なものが多く、活動を始めた時にそれらすべてを洗い出すのは難しいことです。状況の変化に応じて、新たな戦略を講じる必要が出ることもありますが、自律型の人は、最初は戦略の大枠だけを仮決めします。そして動きながら振り返り、修正し続けることが重要だと知っています。
また情報収集や調査を継続的に行い、収集した情報の内容を解釈し、信頼性の高い情報かどうかを判断します。そのうえで最新の根拠を評価し、それに基づいて戦略を変えることができます。仕事を「自分ごと」として捉えていれば、多少の変化で必要以上に動揺しなくて済むのです。
5.リーダーシップを発揮できる
1人ひとりの意見を尊重しながらも、全員の利益になる行動を取れるのが自律型人材の特徴です。公平な視点を持ち、その時々の最善の決断を下すことができる自律型の人は、リーダーシップを発揮する機会も多いです。
自律型の人はただ単にリーダーとしてトップダウン型の言動をするだけでなく、チームの全体像を俯瞰で見る視点も持っています。仕事は「自分ごと」にしますが、それを1人で抱え込むことにメリットはないと考えており、ある時はリーダーとして、ある時はフォロワーとして振る舞います。チームは生き物です。「全員がリーダー」として振る舞える組織は強い力を発揮します。
このようなチームを実現するには、心理的安全性も重要です。失敗しても大丈夫だと思うことができ、発言しても否定や拒絶をされない環境があれば、主体的な行動や発言ができるものです。自律的な人は、組織内の皆が能動的に振る舞うことができ、自律性を高めることができるよう、風通しの良さを心掛けています。
自律型の人はただ単にリーダーとしてトップダウン型の言動をするだけでなく、チームの全体像を俯瞰で見る視点も持っています。仕事は「自分ごと」にしますが、それを1人で抱え込むことにメリットはないと考えており、ある時はリーダーとして、ある時はフォロワーとして振る舞います。チームは生き物です。「全員がリーダー」として振る舞える組織は強い力を発揮します。
このようなチームを実現するには、心理的安全性も重要です。失敗しても大丈夫だと思うことができ、発言しても否定や拒絶をされない環境があれば、主体的な行動や発言ができるものです。自律的な人は、組織内の皆が能動的に振る舞うことができ、自律性を高めることができるよう、風通しの良さを心掛けています。
「自分ごと」として考えよう
「自律型人材」が自律的に行動できる重要な要素の1つは「仕事を自分ごととして考える」ことです。「自分ごと」だから、変化にも対応でき、指示待ち人間にもならないのです。そして「自分ごと」という切り口は、AIには持ちづらい要素です。AIが台頭する未来においても求められる人材でありたいなら、「自分ごととして考える」習慣を身につけてみてはいかがでしょうか。
中野 亜希
ライター・コラムニスト
大学卒業後、ブログをきっかけにライターに。会社員として勤務する傍らブックレビューや美容コラム、各種ガジェットに関する記事執筆は2000本以上。趣味は読書、料理、美容、写真撮影など。
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