部屋の湿気取りだけでなく衣類乾燥にも活躍!「除湿機」の選び方と家電エバンジェリストのおすすめ5モデル

安蔵 靖志

Specialライフスタイル買い物
除湿機というと、以前は納戸や地下室など湿気てカビやすい部屋の湿度を下げるといった用途に多く使われていました。しかし最近では、花粉症や黄砂などで室内干ししたいニーズが高まっており、衣類乾燥に特化した機能も加えて「衣類乾燥除湿機」として販売されている製品が増えています。

そこで今回は、衣類を外干ししにくい梅雨時期や、衣類が乾きにくい冬場の衣類乾燥、湿気がこもりやすい納戸などの除湿に便利な除湿機の選び方とおすすめ製品を、家電エバンジェリストとして執筆のほかテレビなどにも出演する筆者が紹介します。

除湿方式は「コンプレッサー式」か「ハイブリッド式」が省エネでおすすめ

まずは選び方のポイントを紹介しましょう。

除湿方式で選ぶ

除湿方式は、主に3種類に分かれています。

【コンプレッサー式】
エアコンの除湿機能と同様に、コンプレッサーで空気を冷やすことで水蒸気を結露させ、水に変えて取り除く方式です。強力な除湿能力があるだけでなく、次のデシカント方式に比べて省エネです。ヒーターを使わないため最も省エネ性が高い点が魅力です。ただし室温が低いと除湿能力が下がってしまうため、冬場の使用にはあまり向いていません。

【デシカント(ゼオライト)式】
ゼオライトと呼ばれる吸湿剤に吸着させた湿気を、ヒーターで蒸発させてから結露させ、水に変えて取り除く方式です。ヒーターを使うため冬場などの低温下でも除湿効果を発揮する点と、小型軽量化しやすい点が魅力ではあるものの、消費電力が高いのが難点です。コンプレッサー式よりも室温が上がりやすいため、夏場には不向きです。

【ハイブリッド式】
コンプレッサー式とデシカント式の両方の良いとこ取りをしたタイプです。製品が大型化しやすいことと価格が高いことが難点ですが、温度や湿度に合わせて自動で運転方式を切り替えることで、1年を通して快適な湿度を保てる点が魅力です。

除湿能力で選ぶ

部屋の広さや湿気量に合わせて除湿能力を選びましょう。除湿能力は、1日あたりの除湿量を表す「定格除湿能力」として仕様に表示されています。定格除湿能力とは、「室温27℃(デシカント方式の場合は20℃)、相対湿度60%を維持したときの1日当たりの除湿量」を表します。

東日本を中心とした50Hz地域と西日本を中心とした60Hz地域で除湿能力が異なる場合があり、「50Hz/60Hz」と表記されています。例えば「定格除湿能力(50Hz/60Hz):6.3/7.1 L/日」と表記されている場合、東日本では1日6.3L、西日本では1日7.1Lとなります。

一部の製品には、定格除湿能力に加えて「最大除湿能力」が表記されている場合があります。これは衣類乾燥モードなどでフルパワー運転した場合の除湿能力のことです。定格除湿能力よりも除湿能力が高くなるものの、消費電力が大幅に上がる場合があります。そのため、基本的には定格除湿能力で比較するのがおすすめです。

除湿機には、除湿機の能力を分かりやすく部屋のサイズで示した「適用畳数(除湿可能面積の目安)」も表記されています。気密性の低い木造住宅では狭く、気密性の高い鉄筋コンクリート住宅では広くなるので、使う部屋に合わせて選んでください。

除湿能力と適用畳数の目安は以下の通りです。

除湿能力と適用畳数の目安(各社の製品仕様を基に筆者作成)

室内干しするなら「衣類乾燥機能」にも注目

湿度の高い部屋やスポットを除湿するだけでなく、室内干しにも活用したい人は衣類乾燥機能もチェックしましょう。

衣類乾燥機能は「送風」が重要

除湿機の衣類乾燥機能は、コンプレッサー式なら温度の低い、デシカント式なら温度の高い、乾燥した風を湿った衣類に当てることで衣類を乾燥させます。効率よく衣類を乾燥させるためには衣類にしっかりと風を当てる必要があり、そのために「ルーバー」と呼ばれる細長い部品が風向きをコントロールしながら幅広い範囲に風を当てます。ルーバーが自動的に動くモデルなら、一度に大量の衣類を乾かせて便利です。

衣類乾燥時間の目安もチェック

衣類乾燥機能を持つ除湿機は、仕様に「衣類乾燥時間」の目安も表示されています。衣類乾燥時間の目安は、部屋の広さ6畳相当/室温20℃、湿度70%、60Hz/洗濯物:2kg相当(Tシャツ3枚、Yシャツ2枚、パジャマ1組、下着7枚、靴下2足、タオル3枚)という環境下で、どのくらいの時間がかかるのかというものです。衣類乾燥1回あたりの電気代の目安も表示されているので、参考にしてみてください。

温度・湿度センサーで乾燥状態を見分ける機種も

衣類乾燥機能を持つ除湿機には、温度センサーや湿度センサーを搭載し、洗濯物が乾いたと判断したら自動で衣類乾燥を停止する機能を備えている機種もあります。衣類乾燥機能をひんぱんに使いたいという人は、電気代がアップしがちなので、このような機能があるかもチェックしましょう。

そのほかの機能で選ぶ

そのほかにも注目したい機能やポイントがあるので紹介しましょう。

空気清浄機能の有無

シャープの「プラズマクラスター」やパナソニックの「ナノイー」など、独自のイオン発生機能によって消臭や脱臭機能を備えているモデルもあります。

排水タンク容量や連続排水機能もチェック

除湿機は除湿能力だけでなく、除湿した水を溜めておけるタンクの容量も機種によって異なります。タンクを大容量にするほど本体サイズも大きくなるため、除湿能力に比べてそれほどタンク容量が大きくない機種も少なくありません。

市販のホースを接続することで室外や風呂場などにたまった水を排出できる「連続排水機能」を備える機種もあります。湿気が多く困っている部屋がある場合は、タンク容量を気にせずに使える連続排水機能があるかどうかも重要なポイントです。
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安蔵 靖志

Techジャーナリスト/家電エバンジェリスト
家電製品協会認定 家電製品総合アドバイザー(プラチナグレード)、スマートマスター。AllAbout デジタル・家電ガイド。ビジネス・IT系出版社を経てフリーに。デジタル家電や生活家電に関連する記事を執筆するほか、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。KBCラジオ「キャイ~ンの家電ソムリエ」にレギュラー出演するほか、ラジオ番組の家電製品紹介コーナーの商品リサーチ・構成にも携わっている。

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