「AirTag」はロストバゲージへの恐怖心を和らげる!おかげで落ち着いて海外旅行を楽しめるように
一度経験すると精神にダメージが深く刻み込まれ、二度と忘れられないもの。それが海外旅行中のロストバゲージです。私は過去に2回経験しました。どちらもEU圏内の移動で発生し、幸いスーツケースはすぐに見つかって数日後には手元へ返ってきました。でもね、戻ってきたからいいでしょってもんじゃないんですよ。
不便であること以上に、空港の手荷物受け取り場で待てど暮らせど現れないスーツケースを心配する冷たい時間が最悪なんです。不安と孤独と「ヤベー」って焦りで血の気が引いていくあの薄ら寒さ。あれがつらい!
どんなに用心しても100%防げないのがロストバゲージの困ったところ。せめてもの対策として、今年の旅行からはAppleの落とし物トラッカー・AirTag(エアタグ)をスーツケースに忍ばせ、iPhoneでスーツケースの居場所を追跡することにしました。これが大正解。使って良かった!
なお、2022年10月時点においては、各航空会社は国際線の受託手荷物にAirTagを入れることを禁止していませんが、最新の状況は航空会社ごとに必ず事前にチェックしてくださいね。
不便であること以上に、空港の手荷物受け取り場で待てど暮らせど現れないスーツケースを心配する冷たい時間が最悪なんです。不安と孤独と「ヤベー」って焦りで血の気が引いていくあの薄ら寒さ。あれがつらい!
どんなに用心しても100%防げないのがロストバゲージの困ったところ。せめてもの対策として、今年の旅行からはAppleの落とし物トラッカー・AirTag(エアタグ)をスーツケースに忍ばせ、iPhoneでスーツケースの居場所を追跡することにしました。これが大正解。使って良かった!
なお、2022年10月時点においては、各航空会社は国際線の受託手荷物にAirTagを入れることを禁止していませんが、最新の状況は航空会社ごとに必ず事前にチェックしてくださいね。
ロストバゲージ=相棒が行方不明
ロストバゲージを経験した人の多くは「あれは悲しいよなあ」と慰め合います。そう、とても悲しい。だって旅先でのスーツケースは自分の相棒のような存在だから。
パスポートとクレジットカードとメガネと常備薬さえあれば、旅はどうとでもなる。それでもお気に入りの洋服やおみやげをたっぷり抱えた相棒を見失うつらさは、心身にこたえるんです。
ロストバゲージで私が一番つらいのは、こんな時間です。
「このスーツケースは私のじゃない、ああこれも違う、まだ出てこないのかな」そうやって荷物レーンを凝視するうちに、そこで突っ立っているのは自分を含めわずか数名であることに気がつきます。最初は80人くらい一緒に待っていたはずなのに! ほかの旅行客たちは、もうとっくに自分のスーツケースと共に慌ただしく立ち去っているのです。いいなあ。心細さで精神がガリガリ削られる。
同じくスーツケースがなかなか出てこなくて居残り組となった人たちの表情は暗く、目が合っても肩をすくめるばかり。そこには連帯感が湧く余裕など毛ほどもありません。自分の荷物が見つかりさえすれば「ヒャッホー! びっくりさせるなよ〜!」みたいな顔してサッサといなくなるんですよ、みんな。ええ、私だってそうします。
やがて独りぼっちになり、荷物レーンが「すーん」みたいな音を立ててストップすると、晴れてロストバゲージが確定します。ここまで来ると何かが吹っ切れる。で、「ロストバゲージしました〜っ!」と窓口で元気よく手続きをして(ハキハキ話さないと聞いてもらえないから)、航空会社の誠実さと自分の運を信じ、なるようになるさと開き直るのです。
……このつらい経験によって、私が旅行するときには、まったく要らぬアクティビティ「スーツケースの行方を過剰に心配する」が必ず発動するようになってしまいました。ずっとビクビクしてる。
国際線のカウンターで手荷物を預け入れる時は「どうか無事で」とスーツケースに100回くらい願掛けして、まるで今生の別れかのように見送り、フライト中も「ああスーツケースも乗り込んだかしら」とソワソワし、着陸後はイの一番に手荷物受け取り場へすっ飛んで行き、腕組みして荷物レーンが動き出すのを待ち構える。フライトの疲れも相まって目はギラギラ。やがてどんぶらこと流れて来た自分のスーツケースを抱きしめんばかりに引っつかむのです。もう毎回しんどい。
パスポートとクレジットカードとメガネと常備薬さえあれば、旅はどうとでもなる。それでもお気に入りの洋服やおみやげをたっぷり抱えた相棒を見失うつらさは、心身にこたえるんです。
ロストバゲージで私が一番つらいのは、こんな時間です。
「このスーツケースは私のじゃない、ああこれも違う、まだ出てこないのかな」そうやって荷物レーンを凝視するうちに、そこで突っ立っているのは自分を含めわずか数名であることに気がつきます。最初は80人くらい一緒に待っていたはずなのに! ほかの旅行客たちは、もうとっくに自分のスーツケースと共に慌ただしく立ち去っているのです。いいなあ。心細さで精神がガリガリ削られる。
同じくスーツケースがなかなか出てこなくて居残り組となった人たちの表情は暗く、目が合っても肩をすくめるばかり。そこには連帯感が湧く余裕など毛ほどもありません。自分の荷物が見つかりさえすれば「ヒャッホー! びっくりさせるなよ〜!」みたいな顔してサッサといなくなるんですよ、みんな。ええ、私だってそうします。
やがて独りぼっちになり、荷物レーンが「すーん」みたいな音を立ててストップすると、晴れてロストバゲージが確定します。ここまで来ると何かが吹っ切れる。で、「ロストバゲージしました〜っ!」と窓口で元気よく手続きをして(ハキハキ話さないと聞いてもらえないから)、航空会社の誠実さと自分の運を信じ、なるようになるさと開き直るのです。
……このつらい経験によって、私が旅行するときには、まったく要らぬアクティビティ「スーツケースの行方を過剰に心配する」が必ず発動するようになってしまいました。ずっとビクビクしてる。
国際線のカウンターで手荷物を預け入れる時は「どうか無事で」とスーツケースに100回くらい願掛けして、まるで今生の別れかのように見送り、フライト中も「ああスーツケースも乗り込んだかしら」とソワソワし、着陸後はイの一番に手荷物受け取り場へすっ飛んで行き、腕組みして荷物レーンが動き出すのを待ち構える。フライトの疲れも相まって目はギラギラ。やがてどんぶらこと流れて来た自分のスーツケースを抱きしめんばかりに引っつかむのです。もう毎回しんどい。
私のピンクのスーツケースは結構目立つ。ああ、よくぞ無事で!
スーツケースひとつを受け取るだけで、あまりに精神のアップダウンが激しすぎる現状をなんとかしたい。せめて「どこにあるか」をいち早く確認できれば、不安は少し和らぐのでは……? そう期待して、AppleのAirTagを使ってみることにしたのです。
花森 リド
ライター・コラムニスト
主にゲーム、マンガ、書籍、映画、ガジェットに関する記事をよく書く。講談社「今日のおすすめ」、日経BP「日経トレンディネット」「日経クロステック(xTECH)」、「Engadget 日本版」、「映画秘宝」などで執筆。
X:@LidoHanamori