岩手県北上市が電子契約サービス「電子印鑑GMOサイン」の導入を決定

2024.3.5

GMOグローバルサイン・ホールディングスは、自社が開発運営する電子契約サービス「電子印鑑GMOサイン」が岩手県北上市に導入されることを発表しました。北上市では、2024年2月以降の入札案件を対象に、電子印鑑GMOサインによる電子契約の運用を開始する予定です。

北上市では2023年4月に発表した「北上市情報基本計画2023」に基づいて自治体DXを推進しています。この基本計画ではデジタル活用による「市民」「市」「職員」の三方良しの街づくりを目指しており、単なるICTの利活用やデータ活用ではなく、社会変革を進めるためのDX化に発展することをミッションとしています。

市と事業者との間で交わす契約業務をDX化し、効率的な行政経営を実現すれば、自治体のコア業務である企画立案や相談業務などに従事する人材の増員を図れます。そこで、自治体での利活用・効率化で成果を上げている電子契約サービスの導入に至ったとのことです。

契約の締結から管理までをワンストップで行える「電子印鑑GMOサイン」

「電子印鑑GMOサイン」は、契約の締結から管理までをワンストップで行えるクラウド型の電子契約サービスです。印紙税や郵送費の削減、契約締結にかかる手間の軽減や時間の大幅な短縮により、業務の効率化を実現できます。

署名タイプは、一般的な「メールアドレス等により認証を行う立会人型（契約印タイプ）」と、「電子認証局による厳格な本人認証を行う当事者型（実印タイプ）」に加え、ハイブリッド契約（送信元は当事者型・相手方は立会人型）にも対応可能です。契約内容に応じて署名タイプを使い分けることで、利便性と安全性のバランスを取りやすいことが特長となっています。

電子契約と紙の契約における、フローの違い

GMOグローバルサインHDは、グローバルでシェアを持つ世界トップ5社のなかで唯一の国産認証局「GlobalSign」を保有しており、国内外の主要な電子契約・署名ベンダーへ認証技術を提供しています。さらに導入企業数300万社以上（2023年7月末時点）で自社開発の「電子印鑑GMOサイン」と連携することにより、コストパフォーマンスの高いセキュアなサービスを提供しており、多くの自治体や企業に利用されています。

GMOグローバルサインHDと北上市は、行政サービスの向上を目指すとともに、自治体の業務効率化やペーパーレス化を通じた環境保護・SDGsへの貢献を支援していくとのことです。

日本情報経済社会推進協会と調査マーケティングを行うITRが2023年1月に実施した「企業IT利活用動向調査2023」によると、電子契約サービスを利用する企業は年々増加傾向にあり、最新調査では何らかの電子契約サービスを導入している企業は約73.9％に上りました。同調査では導入の目的として業務効率化や文書の電子化、コスト削減などが挙げられています。

電子契約サービスの導入は自治体にとっても、自治体と取り引きをする事業者にとっても業務効率化やコスト削減、安全性の強化などさまざまなメリットがあります。一般市民にとっては利用する機会はあまりないかもしれませんが、こうしたメリットを自治体が得ることで、コア業務である行政サービスに人員を割くことができ、品質向上やスピードアップが期待できます。今後さらに多くの自治体への導入が進んでいくといいですね。

安蔵靖志

Techジャーナリスト／家電エバンジェリスト
家電製品協会認定　家電製品総合アドバイザー（プラチナグレード）、スマートマスター。AllAbout デジタル・家電ガイド。ビジネス・IT系出版社を経てフリーに。デジタル家電や生活家電に関連する記事を執筆するほか、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。KBCラジオ「キャイ～ンの家電ソムリエ」にレギュラー出演するほか、ラジオ番組の家電製品紹介コーナーの商品リサーチ・構成にも携わっている。