あとから見てもうれしい! お気に入りの「いい写真」を撮るには

中野 亜希

Specialカルチャークリエイタースマートフォンライフスタイル
あとから自分で見返した時に「いい写真だな」と思うような、お気に入りの1枚はありますか?

SNSでたくさんいいねがつくようなものではなくても、自分が「残したい!」と思った瞬間を切り取ることができて、あとから見たときもうれしくなるような写真は「いい写真」だと、私は思います。

そんな「いい写真」を撮りたいなーと思ったときに必要なことは何でしょうか。いいカメラが必要? スマホでできることは? 初めてでも「いい写真」を撮るために、どんなことから気を付ければよいのか、まとめてみました。

カメラは必要?

「ちゃんと写真を撮ろうと思ったら、やっぱりカメラを買わなきゃダメ?」

写真を始めたいという友人たちから聞かれる質問の代表といえばこれ。意見が分かれるところですが、個人的には「カメラの購入はマストではない」と思います。

「背景をぼかした写真を撮りたい」「『野鳥』『星空』といった『撮りたいもの』が決まっている」など、撮りたい写真のイメージがある程度固まっている場合は、初めからそれに合わせたカメラや機材をそろえてしまったほうがいいとは思います。

しかし、最近のスマホカメラは画質もいいし、「動画から静止画を切り出せる」「余計な映り込みを消せる」などの補正機能も充実していて、「スマホの写真=キレイじゃない」というイメージは過去のものに。それぞれ、こんな特色があります。

カメラを使う場合は「脱・フルオート」がカギ!

スマホカメラでも十分キレイな写真が撮れる昨今。あえてカメラを使うのは、レンズの画角選びも含めて「撮影に関する設定を自分で決められる」ことが最大の理由になるでしょう。自分の頭の中にあるイメージを形にするなら、カメラの設定を理解することが大きなポイントです。

デジタルカメラには、自分で全てを設定する「マニュアル露出」モードと、カメラにおまかせの「オート露出」モードがあります。「オート露出」は、カメラが明るさを判断して、シャッタースピードなどを決めてくれる撮影モードです。大きな失敗が起きにくく、何を撮ってもだいたいキレイですが、無難な仕上がりになりがち。マニュアル露出なら、絞り、明るさ、シャッタースピードの調整をすることで、イメージ通りの一枚を狙うことができます。
最初から自分ですべてを設定するのは難しく感じますが、「絞り(F値)」を自分で決め、それに合わせてカメラがシャッタースピードを決めてくれる「絞り優先モード」や、シャッタースピードを自分で決めると、カメラが絞りを決めてくれる「シャッタースピード優先モード」などから入り、撮りたい写真に合わせたマニュアル露出の設定ができることを目指しましょう。

後に説明する「センサーサイズ」が大きいカメラであれば写真の画質は上がりますが、フルオート設定のままでは、写真の魅力という点においてはスマホとさほど差が生まれない場合も。カメラを買うならスペックはもちろんですが、一日も早く「脱・フルオート」することが最大のカギになるでしょう。

デジカメにはそれぞれ、「目」の役割を持つ「イメージセンサー」が搭載されています。基本的にイメージセンサーが大きいほうが画質が良くなりますが、比例して価格も高めになります。しかしデジカメに採用されている一番小さなイメージセンサーは1/2.3型センサー。最近は「高画質」を謳うスマートフォンがこの大きさのセンサーを採用することも増えています。

あえてお金を出してカメラを買うなら、スマホの写真とはっきり差がつく高画質を期待したり、背景をぼかすなど目的があったりすると思います。スマホカメラより大きな「1型センサー」以上を搭載したものを購入するとよいでしょう。

また、編集ソフトで撮った写真の色味や明るさを変える楽しみも見逃せません。編集しやすい「RAWデータ」で撮影・記録ができるのもデジカメの強みです。

「失敗しない」だけじゃない! メリットも多いスマホ

スマホカメラの魅力は、何と言っても「失敗しない」こと!「暗くて映らなかった」「変な位置にピントが合ってしまった」といった失敗がほとんど起きないのが強みです。

前章で「スマホカメラはセンサーが小さい」と書きましたが、小さいセンサーは「隅々までピントが合いやすい」のが特色。細かいことを意識しなくても、全体を明るくクッキリ写せるのは大きなメリットです。

また、スマホカメラのレンズは基本的に広角なので、広い範囲を写し取ることができます。例えばカフェでのひとときを雰囲気まで写したい、という場合にも向いています。標準画角のレンズの場合は、真上からのテーブルフォトを撮る際に背伸びが必要になったり、料理とカフェのインテリアを1枚に収めるために、撮影者が思い切り後ろに下がる必要がありますが、スマホならどちらも簡単です。
余談ですがカフェの窓際のようにサイドから自然光が差し込む席は、たとえスマホとコンビニパスタでもいい感じに撮れるので、ぜひ何か撮ってみてほしいです。

また、日常の中の写真を撮っていると「いいな」と感じた1秒後にはシャッターチャンスを逃していることも。
「いつも手元にあって即撮れる」ことは、カメラとしての性能を超えた魅力といえるでしょう。「大きなカメラを向けられると緊張して笑顔になれないけれど、スマホなら平気」という人も少なくありません。ポートレート撮影をするとき、被写体を緊張させずに自然体を引き出すことができるのも「みんな持ってる」ことの強みですね。

写真における「画質」という言葉が、色調の豊かさや描写の細かさだけを指すのであれば、やはりスマホはカメラにかなわない部分もあります。しかし、今は「フィルム風」や「映画のような」加工が根強い人気を誇っています。カメラで撮った写真は、場合によってはシャープに撮れすぎてしまい、フイルム調や映画風の空気感を出すのが難しい場合も。こんな時、「センサーサイズが小さい=色調が豊かではない=ややパキッとポップに写る」スマホの画質がむしろプラスに働くので、カメラを持っているときも、カメラとスマホ両方で同じシーンを撮っておくと、あとで重宝することもよくあります。

先ほど「スマホカメラの特徴は広角レンズ」と説明しました。焦点距離50mm前後のいわゆる「標準レンズ」より広い範囲を写し取ることが可能です。しかし、一方で画面の端が伸びるので、被写体がゆがみやすくなります。スマホカメラで四角いものを撮ったら台形に写ってしまったり、アップの自撮りをしたら顔が伸びたように感じた経験がある人もいるでしょう。遠くからズームで撮ってこのゆがみを軽減したり、ポートレートを撮る場合はあえて画面の隅に手足がくるようなポーズにして、手足を長く、スタイルよく見せるなど、広角レンズの特性を理解してうまく付き合うのが、スマホカメラを思い通りに使いこなすコツです。
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中野 亜希

ライター・コラムニスト
大学卒業後、ブログをきっかけにライターに。会社員として勤務する傍らブックレビューや美容コラム、各種ガジェットに関する記事執筆は2000本以上。趣味は読書、料理、美容、写真撮影など。
X:@752019

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