狙い通りの表情を引き出して、かわいいペット写真を撮るコツ!

中野 亜希

Specialカルチャークリエイターライフスタイル
かわいい動物の写真を撮りたいのに「いつも逃げられる」「ブレたりピンボケしてちゃんと撮れない」といった悩みを聞くことがあります。動物たちはどう撮ってもかわいいとは思いますが、自分が見ている通りのかわいさを写真に写すには、いくつかのポイントを無視することはできません。以下に紹介するのは、どれも小さなことですが、かわいいペット写真を撮るのに外せないコツです。一緒に見ていきましょう。

怖がらせない! まずはカメラに慣らすのが大切

かわいいペット写真を撮るには、動物たちにカメラに慣れてもらい、驚かせないことが大切です。

散歩のときに見かける猫ちゃんを撮りたくても、ミラーレス・一眼レフなどの大きなカメラが苦手な子は、カメラを向けただけで逃げたり、顔をそむけてしまう場合もあります。そんな時はコンパクトデジタルカメラ(コンデジ)や、スマホでの撮影に切り替えるなどして、まずは写真に撮られることに慣らしてあげるとよいでしょう。

スマホの場合でも、突然スマホを向ける動きを怖がる子も多いので、最初からスマホを手にした状態で近づく、あるいは声をかけてからスマホを出すなど、怖がらせない工夫は必要です。また、シャッター音を嫌う子もいるので、可能であればシャッター音は消しておきます。

「撮られるといいことがある」と覚えてもらう

私の場合は、飼っている犬が小さいころから毎日写真を撮っていました。「手におやつを持ち、カメラに視線を誘導し、シャッターを切るまで待てたらおやつをあげる」「カメラを向けているときにこちらを見たら『かわいい』『いい子』と褒める」などして、撮影に慣れてもらいました。

今では、物撮りをしているだけでこうして犬がカットインしてきて、予期せぬおもしろ写真が撮れることも。
カメラに対する警戒心をなくせば、「おやつ」「動き」「声かけ」などでペットを注目させ、カメラ目線の写真が撮れるようになります。

ペットは正直!「楽しんでいるタイミング」で撮る

気分が乗らない時に写真を撮られるのは、人間だって嫌なもの。無理して撮り続けても、つまらなそうな顔が撮れるだけでなく、カメラ自体を嫌うようになるので、ペットが気乗りしていない様子の場合は潔く引くことも大事です。
これは本当に嫌そうな顔をしていて、かわいそうなことをしたと思いました。かわいく撮るには、ペットが楽しんでいるときや、リラックスしているタイミングで撮るのはマスト。
遊びに熱中しているときや散歩中は、いい表情をしていることが多いですし、ポートレートのように撮りたい時も、ほめたり、明るく声をかけながら撮ることで、かわいい表情を引き出せます。

また、ドッグランで一眼レフを持って立っていると、知らない犬たちがワラワラと寄ってきて、こちらを見ながらポーズをとったり、「お座り」して見上げてくることがあります。
そして、その飼い主さんを見るとたいていカメラを持っています。あの子たちは普段から、飼い主さんに大きなカメラで写真を撮られ、褒められることに慣れているのでしょう。「カメラを持っている人間の前でかわいい顔をすると褒めてもらえる」「カメラを向けられると楽しいことがある」とペットが理解すると、撮影にやる気を見せてくれますよ。

目のキラキラ感が大事! 近いほうの目にピントを合わせる

ペットをかわいく撮るには、目にピントが合っていることが大切です。
人間の目は、人や動物の顔を認識すると、その「目」に視線が行きます。さらに両方の目が映っている場合は手前の目に注目します。そのため、そこにピントが合っていないと写真全体がぼんやりした印象に。

望遠レンズや、F値(絞り値)の低い単焦点レンズはペットの背景をぼかした写真が撮れますが、その分、ピント合わせもシビアになります。カメラのピーキング機能(ピントの合った部分をマークしてくれる)を使うなどして、意図したところにピントが合っているか確認しながら撮影しましょう。動物向けの「瞳AF」が搭載された機種であれば、カメラに近いほうの目に自動でピントを合わせてくれます。

スマホ撮影の場合は、広くピントが合うのであまり神経質になる必要はありませんが、タッチフォーカスで撮影すると、狙った場所にピントを合わせやすいでしょう。

また「手前の目にピントを合わせる」のが原則ですが、このように顔の半分が明るい場合は、明るい側の目に合わせてあげるのも良いです。
目に光(キャッチライト)を入れるのも大切です。目が輝いて見えるだけでなく、顔全体が明るく、生き生きとした楽しげな表情に写ります。

これはキャッチライトがないもの。段ボールでいたずらしているので、本人(犬)的には楽しい瞬間のはずなのですが、そうは見えません。
目にしっかり光が入っていると、さほど楽しげではなくても、生き生きした感じに見えますね。
屋外で撮影するときはよほど暗くない限り、目に光が入りますが、室内で撮影するときは、逆光にならないように注意しましょう。

フラッシュはたかない

ペットの撮影では、フラッシュはたかないほうが良いです。ペット写真は被写体に寄ったほうがかわいく撮れますが、近い位置からフラッシュをたくとペットの目が赤目になったり、目だけがギラギラした宇宙人のような写真になりがちです。
自然光が理想ですが、室内の明かりだけでも撮影はできます。次の写真は上と同じ条件で、差はフラッシュの有無だけですが、かわいさが全然違います。
カメラを使った撮影の場合は、ISO感度を高めに設定して、シャッタースピードが遅くなりすぎないようにすると、手ブレを防ぐことができます。
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中野 亜希

ライター・コラムニスト
大学卒業後、ブログをきっかけにライターに。会社員として勤務する傍らブックレビューや美容コラム、各種ガジェットに関する記事執筆は2000本以上。趣味は読書、料理、美容、写真撮影など。
X:@752019

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