ペットの目線に合わせてカメラを構える
ペットはどこからどう撮ってもかわいいです。しかし、撮影者が立ったままだと、ペットがこちらを見上げることになります。顔ごとこちらに向けてくれればよいですが、目だけで見上げてくると、ペットの目つきが悪く見えてしまいがち。
表情をはっきり捉え、かわいらしく表現するには、撮影者がペットの目線に合わせてカメラを構えるのが効果的です。
カメラがほぼ地面につくくらいのローアングルにする場合もあります。
こんなとき、カメラで撮影するならチルト式液晶のある機種を使うと、撮影者も無理のない姿勢が保てます。スマホで撮影する場合は、撮影者がしゃがんだり、床に寝転ぶなども良いのですが「ノーファインダーで連写」するのも一つの手です。必ずペットが画面の中央に収まるわけではありませんが、思いもよらない表情や構図の“奇跡の1枚”が撮れることも。
連写で撮る
お座りやカメラ目線ができるペットなら1枚ずつ撮影してもよいですが、動きの多いペットのかわいい一瞬を確実に押さえるには、連写機能を使いましょう。「飛行犬」と呼ばれる、走っている犬が空中に浮いているような写真を撮りたい場合などに有効です。
スマホの場合は、カメラを向けて連写すれば、散歩中に犬が振り向いた瞬間なども、しっかり押さえることができます。
スマホの場合は、カメラを向けて連写すれば、散歩中に犬が振り向いた瞬間なども、しっかり押さえることができます。
カメラで撮影する場合は「コンティニュアスAF」(AF-Cなどと表記される場合も)モードに設定します。シャッターボタンを半押ししている間、被写体の動きを先読みしてピントを合わせ続けてくれる機能です。ピントはカメラ任せで、構図にだけ注意していれば、よい写真を撮れる確率がグッと上がる便利な機能です。
被写体ブレは「アリ」
人間のポートレートでは敬遠されがちな「ブレ」。しかしペットの写真はその限りではありません。撮影時の手ブレはNGですが、ペットの動きが素早いために起きる「被写体ブレ」は、ペットのスピード感や臨場感を出す効果がある場合も。上の写真は、犬も背景もブレていますが、被写体に合わせてカメラを動かす「流し撮り」をしたので、鼻先~頭にはピントが合っていて、疾走している感じが出たと思います。
次の写真は「手ブレ」したもの。意図してブレさせたわけでもないので、写真全体がぼんやりした印象に。失敗写真です。
次の写真は「手ブレ」したもの。意図してブレさせたわけでもないので、写真全体がぼんやりした印象に。失敗写真です。
こちらは「被写体ブレ」。動きの速い犬だけがぶれています。おもちゃをもらってはしゃいで走り回る犬の様子がわかるので、これはアリだと思っています。
これもブレていますが、ドッグラン楽しい!という気持ちが伝わってくるので、個人的にはOKの範囲です。
「ブレ」「ピンぼけ」などネガティブな要素があってもOKできるのは、そこに意図があるかどうか。意図したものが映っていれば、いい写真だと納得できると思います。
おわりに
ペットを警戒させないこと、カメラや光の特性を知っておくことが、かわいいペット写真につながります。また、ペット写真は「数撃ちゃ当たる」ジャンルでもあります。まずは、カメラを手にペットと遊びながら、たくさんの枚数を撮ってみることをおすすめします。
中野 亜希
ライター・コラムニスト
大学卒業後、ブログをきっかけにライターに。会社員として勤務する傍らブックレビューや美容コラム、各種ガジェットに関する記事執筆は2000本以上。趣味は読書、料理、美容、写真撮影など。
X:@752019