愛知県内の2自治体、電子契約サービス「電子印鑑GMOサイン」を導入

2024.11.5

GMOグローバルサイン・ホールディングスは、自社が開発・運営する電子契約サービス「電子印鑑GMOサイン」が愛知県内の東海市、大府市の2つの自治体に導入されると発表しました。

愛知県東海市は、2024年10月頃から庁内すべての課を対象に電子印鑑GMOサインの利用を開始します。愛知県大府市は、2024年10月以降に公告を行う工事契約から順次利用を開始します。

DX推進基本方針やデジタル戦略に基づいて電子印鑑GMOサインを導入

東海市は2022年3月に「東海市デジタル・トランスフォーメーション（DX）推進基本方針」を策定し、「スマートな行政運営」「容易に必要な情報を必要なときに享受できるデータの利活用」「誰一人取り残さない人に優しいデジタル社会」の実現を目指しています。本方針で行政手続きのオンライン化は、市民の利便性向上や、働き手の業務効率化を図る重要な取り組みと位置付けられています。

一方、大府市は2021年3月に「大府市デジタル戦略」を策定（2024年6月に改訂）し、「市民と奏でるデジタルハーモニー『おおぶ』」を基本理念に「人に優しいデジタル行政」と「デジタル活用による地域活性化」の実現を目指しています。本戦略では、市民の行政サービス利用時の利便性向上のため「行かなくても良い」「書かなくても良い」「いつでも対応できる」の実現を一目標として掲げ、行政手続きのオンライン化を推進しています。

このような取り組みを行う両市が電子印鑑GMOサインを導入することで、従来は紙で行っていた契約を電子化できます。これにより、印刷・製本・郵送にかかる時間や手間を削減した効率的な業務フローの実現や、非来庁型の行政サービス実現によって利用者の利便性向上に貢献します。

電子印鑑GMOサインは、書面の暗号化による安全性も確保されていることに加えて、マニュアルなどを利用しなくても直感的に署名を行えるシンプルな操作画面なため、電子契約を初めて利用する相手方も安心して利用できます。安全性と利便性を両立しながら行政業務を効率化できる点が評価され、電子印鑑GMOサインの導入が決定しました。

契約の締結から管理までをワンストップで行える「電子印鑑GMOサイン」

電子印鑑GMOサインは、契約の締結から管理までをワンストップで行えるクラウド型の電子契約サービスです。印紙税や郵送費の削減、契約締結にかかる手間の軽減や時間の大幅な短縮により、業務の効率化を実現できます。

署名タイプは、一般的な「メールアドレス等により認証を行う立会人型（契約印タイプ）」と、「電子認証局による厳格な本人認証を行う当事者型（実印タイプ）」に加え、ハイブリッド契約（送信元は当事者型・相手方は立会人型）にも対応できます。契約内容に応じて署名タイプを使い分けることで、利便性と安全性のバランスを取りやすいことが特長です。

電子契約と紙の契約の違い

情報セキュリティマネジメントシステム（ISMS）の国際規格である「ISO/IEC 27001」、クラウドサービスセキュリティ「ISO/IEC27017」を取得しています。また、米国公認会計士協会（AICPA）によるサイバーセキュリティフレームワークの国際認証「SOC2 type2」の取得、日本政府の定めるセキュリティ基準を満たす「ISMAP」への登録を果たすなど、国内外の外部機関からも安全性の高さを評価されています。

GMOグローバルサインHDは、今後も全国各地の自治体DXに関する知見を提供し、各自治体とともに庁内における契約業務の効率化や、安全性を確保した行政サービスの向上、ペーパーレス化を通じた環境保護・SDGsへの貢献を推進していくとのことです。

自治体がDX推進方針に基づいて電子契約サービスを導入することは、自治体はもちろん、自治体と契約する企業、市民それぞれに大きなメリットをもたらします。

自治体にとっては業務効率化やコスト削減、契約内容の電子化による透明性の向上、セキュリティ強化、環境負荷軽減などさまざまなメリットがあります。自治体と契約する企業にとっても業務効率化やコスト削減、迅速な契約締結によるビジネスチャンスの拡大、セキュリティ強化など多くのメリットを得られます。市民にとっても契約手続きがオンラインで行えることによる利便性の向上がもたらされるだけでなく、自治体業務の効率化によって市民サービスが向上する期待も持てます。

電子契約サービスの導入は、自治体、企業、市民のすべてにメリットをもたらす画期的な取り組みです。今後さらに多くの自治体がDX推進の一環として積極的に電子契約サービスの導入を検討し、脱ハンコ化が進んでいくことを期待したいですね。

安蔵靖志

Techジャーナリスト／家電エバンジェリスト
家電製品協会認定　家電製品総合アドバイザー（プラチナグレード）、スマートマスター。AllAbout デジタル・家電ガイド。ビジネス・IT系出版社を経てフリーに。デジタル家電や生活家電に関連する記事を執筆するほか、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。KBCラジオ「キャイ～ンの家電ソムリエ」にレギュラー出演するほか、ラジオ番組の家電製品紹介コーナーの商品リサーチ・構成にも携わっている。