どんなことでもそうなのですが、「No.1になります!」から「No.1になりました!」までの間には、いろんなストーリーがあります。そして「No.1になりました!」のところが、最もたくさんニュースで取り上げられ、評価され、花吹雪と銀のテープが舞い踊らんばかりのハイライトになるけれど、No.1になるまでのストーリーがはらむ熱気や“うねり”が、実はとても面白いんじゃないかと私は思っています。
GMOインターネットグループは、2023年から「AI活用No.1企業グループ」という大きな目標を掲げて動き始めています。グループの決算説明資料やマテリアリティ(その企業グループが率先して取り組む社会の最重要課題のこと。その会社の“人柄”を知りたいときに、とりあえず最初に読むと面白いです)でも、「No.1」というワードがたくさん並んでいます。そう、No.1をめちゃくちゃ大事にして、そこに向かって必ず進んでいく集団なのです。なのでAI活用でもNo.1を目指すのは、とても自然な流れにも思えるのですが、それにしてもどうやって実現するんでしょう?
……と思っていたら、『「AI活用No.1企業グループ」実現への取り組み』という実に直球な名前を冠したページが公開されていました。本稿ではそこからいくつかの軌跡をピックアップして、No.1を目指す人たちがどんなストーリーを積み重ねているかを紹介します。
GMOインターネットグループは、2023年から「AI活用No.1企業グループ」という大きな目標を掲げて動き始めています。グループの決算説明資料やマテリアリティ(その企業グループが率先して取り組む社会の最重要課題のこと。その会社の“人柄”を知りたいときに、とりあえず最初に読むと面白いです)でも、「No.1」というワードがたくさん並んでいます。そう、No.1をめちゃくちゃ大事にして、そこに向かって必ず進んでいく集団なのです。なのでAI活用でもNo.1を目指すのは、とても自然な流れにも思えるのですが、それにしてもどうやって実現するんでしょう?
……と思っていたら、『「AI活用No.1企業グループ」実現への取り組み』という実に直球な名前を冠したページが公開されていました。本稿ではそこからいくつかの軌跡をピックアップして、No.1を目指す人たちがどんなストーリーを積み重ねているかを紹介します。
「AI活用、やったほうがいいよね」と、多くの人が思っている
まずは、GMOインターネット代表取締役会長兼社長・グループ代表である熊谷正寿氏のSNSを見ていきます。熊谷氏は、各SNSで「今、関心があること」や「大切にしていること」を積極的に発信する経営者として知られています。経営判断の一部が垣間見えるSNSなんです。特にAIに関しては、ChatGPTなどの生成AIで新しい機能が出る度に、熊谷氏自らが新機能を実際に試して「面白い!」と思ったところを発信しています。
【世界が変わる】【感動】
— 熊谷正寿【GMO】 (@m_kumagai) November 11, 2023
昨夜からChatGPTの新機能GPTsを触ってる
プログラム不要で自分だけのAIが
無限の可能性を感じる
凄すぎて感動しかないぞ#GPTs #AI #ChatGPT #GMOインターネットグループ pic.twitter.com/LqVxCAWOLJ
そんな熊谷氏のSNSで、生成AIに関する具体的な言及があったのは、2022年11月のこと。シリコンバレーの技術トレンドに詳しい久保田雅也氏の「AIはイノベーションが加速。AI関連の論文数は指数関数的な伸びを示している」というXのポストをリポストしています。また、ちょうどその翌月あたりから、日本経済新聞でも生成AIに関する記事が急増し始めます。
そして2023年3月にグループ全体で社内公募の「ChatGPT活用コンテスト」を開催することを決定(のちに「AI(愛)しあおうぜ!プロジェクト」という名前になりました)。いわば「お祭り」をやるわけです。お祭りには、集団を動かす謎の力があります。なんだかわからないけれど賑わっている場所に吸い寄せられ、そのまま巻き込まれてヨイヨイと踊ってしまう。その踊りが渦となりムーブメントとなり、なんだか大きなことにつながっていく。
おそらく2023年の前半は、いろんな企業で「AIがすごいらしいが、どうする?」という話が出たはずです。「今は様子見でいこう」「たぶん、活用したほうがいいよね……」そんなジリジリした足踏みのようなムードが世間に漂うなか、「AI活用をコンテストにしちゃおうぜ! 賞金総額1000万円!」とバーンと派手に盛り上げて、グループ全体で踊り始めたように私には見えます。楽しそう。さすが社員食堂にスティーブ・アオキを呼んだり、GMO SONICをさいたまスーパーアリーナで開催する会社だわ。
そして2023年3月にグループ全体で社内公募の「ChatGPT活用コンテスト」を開催することを決定(のちに「AI(愛)しあおうぜ!プロジェクト」という名前になりました)。いわば「お祭り」をやるわけです。お祭りには、集団を動かす謎の力があります。なんだかわからないけれど賑わっている場所に吸い寄せられ、そのまま巻き込まれてヨイヨイと踊ってしまう。その踊りが渦となりムーブメントとなり、なんだか大きなことにつながっていく。
おそらく2023年の前半は、いろんな企業で「AIがすごいらしいが、どうする?」という話が出たはずです。「今は様子見でいこう」「たぶん、活用したほうがいいよね……」そんなジリジリした足踏みのようなムードが世間に漂うなか、「AI活用をコンテストにしちゃおうぜ! 賞金総額1000万円!」とバーンと派手に盛り上げて、グループ全体で踊り始めたように私には見えます。楽しそう。さすが社員食堂にスティーブ・アオキを呼んだり、GMO SONICをさいたまスーパーアリーナで開催する会社だわ。
花森 リド
ライター・コラムニスト
主にゲーム、マンガ、書籍、映画、ガジェットに関する記事をよく書く。講談社「今日のおすすめ」、日経BP「日経トレンディネット」「日経クロステック(xTECH)」、「Engadget 日本版」、「映画秘宝」などで執筆。
X:@LidoHanamori