編集者の対人コミュニケーション術に学ぶ
クライアントや他社からの連絡に対して、あなたはスムーズに反応できているだろうか。メールの返信やリアクションは、その後の関係性を左右する、重要な最初の1歩だ。速度や距離感、言葉遣いなどに配慮することで、円滑なコミュニケーションは必ず築いていける。
本書は、8名の編集者が、実際に行っているメールの返信を中心に、クリエイターたちとのコミュニケーション術がまとめられた1冊。返信するタイミングや手段の使い分け、ボリュームの調整といった具体的なテクニックをはじめ、日々のリアルなやり取りを掘り下げている。
さらに、相手の作品に対して、「まずポジティブなフィードバックから始める」「敬意を持つ」「コンテンツ作りよりコミュニケーションと考えて取り組む」という心がけや、作品の判断軸の定め方など、8名が実務経験で培ったマイルールを公開。相手や組織によってケースバイケースなのでマニュアル化はできないが、丁寧に熟考しながらコミュニケーションを行っていくと違いは必ず現れてくるだろう。対人コミュニケーション全般について心に留めておきたいノウハウが満載で、特に社外とのやり取りが多い社会人にオススメしたい。
本書は、8名の編集者が、実際に行っているメールの返信を中心に、クリエイターたちとのコミュニケーション術がまとめられた1冊。返信するタイミングや手段の使い分け、ボリュームの調整といった具体的なテクニックをはじめ、日々のリアルなやり取りを掘り下げている。
さらに、相手の作品に対して、「まずポジティブなフィードバックから始める」「敬意を持つ」「コンテンツ作りよりコミュニケーションと考えて取り組む」という心がけや、作品の判断軸の定め方など、8名が実務経験で培ったマイルールを公開。相手や組織によってケースバイケースなのでマニュアル化はできないが、丁寧に熟考しながらコミュニケーションを行っていくと違いは必ず現れてくるだろう。対人コミュニケーション全般について心に留めておきたいノウハウが満載で、特に社外とのやり取りが多い社会人にオススメしたい。
『編集者の返信術』
発行:宣伝会議
著者:宣伝会議編集部
定価:1,980円(税込)
発行日:2023年6月20日
判型:四六判
頁数:160P
ISBN:978-4-883-35578-5
https://www.sendenkaigi.com/books/media-pr/detail.php?id=30599
発行:宣伝会議
著者:宣伝会議編集部
定価:1,980円(税込)
発行日:2023年6月20日
判型:四六判
頁数:160P
ISBN:978-4-883-35578-5
https://www.sendenkaigi.com/books/media-pr/detail.php?id=30599
戦後文学史を築いた伝説の編集者の軌跡に迫る
伝説と言われる編集者の中に、2002年に逝去した坂本一亀がいる。昨年亡くなった坂本龍一の父親である一亀は、1921年福岡で生まれ、戦時中の青年期を経て「戦後は余命にしか過ぎない。でも多くの仲間のためにがんばらなければいけない」と、同世代の若者を育てたいという使命感を持って河出書房に入社。文芸誌『文藝』の復刊と、新人発掘のための「文藝賞」創設に尽力し、気鋭の戦後派作家たちを次々と世に送り出した名編集者だ。
本書は、かつて一亀の部下だった著者による、編集者としての仕事の軌跡を詳細に綴った評伝。一亀は純粋に文学を追い求め、彼なしではこの世に出なかった作家も数知れずといわれるほど、戦後の文学史を形成した立役者だ。
現代では考えられない破天荒かつ強烈な社内外の人間関係、仕事のやり方が通用していた時代だが、一亀自身は敏腕、豪傑というより緊張と抑圧が抜けないような繊細な人物だった。目をかけた作家は徹底的に面倒を見続けた信念の持ち主で、組織には向かない頑固さゆえ敵も多かったが、一亀の仕事への飽くなき情熱、邁進する姿勢には胸を打つものがあるだろう。生涯をかける仕事とはいったいどんなものなのかを考えるためのきっかけを与えてくれる。
本書は、かつて一亀の部下だった著者による、編集者としての仕事の軌跡を詳細に綴った評伝。一亀は純粋に文学を追い求め、彼なしではこの世に出なかった作家も数知れずといわれるほど、戦後の文学史を形成した立役者だ。
現代では考えられない破天荒かつ強烈な社内外の人間関係、仕事のやり方が通用していた時代だが、一亀自身は敏腕、豪傑というより緊張と抑圧が抜けないような繊細な人物だった。目をかけた作家は徹底的に面倒を見続けた信念の持ち主で、組織には向かない頑固さゆえ敵も多かったが、一亀の仕事への飽くなき情熱、邁進する姿勢には胸を打つものがあるだろう。生涯をかける仕事とはいったいどんなものなのかを考えるためのきっかけを与えてくれる。
『伝説の編集者 坂本一亀とその時代』
発行:河出書房新社
著者:田邊園子
定価:913円(税込)
発行日:2018年4月17日
判型:文庫
頁数:240P
ISBN:978-4-309-41600-7
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309416007/
発行:河出書房新社
著者:田邊園子
定価:913円(税込)
発行日:2018年4月17日
判型:文庫
頁数:240P
ISBN:978-4-309-41600-7
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309416007/
「編集力」は全体を見据える総合力
プロジェクト管理からビジネスコミュニケーションの質の向上まで、編集者のスキルがさまざまなビジネスの現場で役立つことが伝わっただろうか。
紹介した5冊には、アイデア出しの方法論から、クライアントとのやり取りで気をつけたい点、アウトプットする際の判断術など、具体的な編集者のスキル(=編集力)を取り入れるコツが満載だ。
そしてなにより、編集力には、全体を見据える総合力が含まれていることがよく分かる。組織全体のパフォーマンスを向上させるためにも、オススメの書籍を手に取り、編集について理解を深め、仕事の全体像を意識した総合力を身につけていこう。
紹介した5冊には、アイデア出しの方法論から、クライアントとのやり取りで気をつけたい点、アウトプットする際の判断術など、具体的な編集者のスキル(=編集力)を取り入れるコツが満載だ。
そしてなにより、編集力には、全体を見据える総合力が含まれていることがよく分かる。組織全体のパフォーマンスを向上させるためにも、オススメの書籍を手に取り、編集について理解を深め、仕事の全体像を意識した総合力を身につけていこう。
葉々社 小谷輝之
本屋と出版社
2社の出版社勤務を経て、2022年4月に東京・梅屋敷で本屋「葉々社」を開店。ひとりで本屋の運営を切り盛りしながら、出版社としての本作りにも取り組み中。Twitter:@youyousha_books