筆者は子どもの時からよく「叫び声を上げて助けを呼びたいのに、声が出ない」と言う悪夢を見ます。実際、災害や事故に遭遇した際は、緊張や恐怖で思ったより声が出ないものだという話も聞きますし、いい年した大人の自分はまだしもわが子や妻に何か対策しておかなくて大丈夫か、と勝手に心配になってきました。
そこで、防犯だけではなく災害時にも役立つ、100円ショップで購入可能な「防犯ブザー」&「ホイッスル」の4アイテムを試してみました。いざというときのために、本気で使ったらどこまで音が聞こえるのか、実際に計測してみます。
そこで、防犯だけではなく災害時にも役立つ、100円ショップで購入可能な「防犯ブザー」&「ホイッスル」の4アイテムを試してみました。いざというときのために、本気で使ったらどこまで音が聞こえるのか、実際に計測してみます。
ライト付きがうれしい「ライト付き防犯ブザー」は音量100〜110dB
筆者はこの「ライト付き防犯ブザー」をセリアで購入しましたが、ダイソーなどほかの100円ショップで見かけることも多い、100円ショップの定番アイテムです。筆者が購入したホワイトのほかにブラックもセレクト可能。楕円形の非常にシンプルなデザインで、ボタンを押すとライトが光り、キーホルダーにつながったピンを抜くとブザーが鳴る仕組みです。
シンプルなデザインの「ライト付き防犯ブザー」(税込110円、セリア)。写真のホワイトのほかにブラックも用意されています
非常にシンプルな仕組みなので、非常時にも慌てず操作ができそうです。また、ライト付きなので日常生活で手元にちょっと明かりがほしいときや、停電などの際にも活躍してくれるでしょう。
シンプルなデザインなので、老若男女問わずに持ち歩けるのも良いところです。とりあえずひとつ買っておくならば、ちょうど良いスタンダードな防犯ブザーだといえます。
シンプルなデザインなので、老若男女問わずに持ち歩けるのも良いところです。とりあえずひとつ買っておくならば、ちょうど良いスタンダードな防犯ブザーだといえます。
現在100円ショップでみかける最もスタンダードな防犯ブザーが「ライト付き防犯ブザー」でしょう。ライトがついているので、停電などの災害時にも役立つ頼もしいアイテムです
「ライト付き防犯ブザー」のパッケージに記載された仕様によると、ブザーの音量は100〜110dB。音は「ピヒョヒョヒョヒョ」といった、かなりせわしない印象で、この音を立てられたときの警告的なイメージは十分です。しかし実際のところ100〜110dBという音量がどの程度聞こえるものなのか、まったく想像がつかないので、実際に防犯ブザーを鳴らし、どの程度離れたところで筆者に音が聞こえなくなるか、ロードメジャーを使って実測しました。
メーカーが実施する厳密なテストとは違い、環境音や風向きなど使用環境によってもちろん結果は変化しますのでアバウトなテストではありますが、参考値としてご紹介します。
メーカーが実施する厳密なテストとは違い、環境音や風向きなど使用環境によってもちろん結果は変化しますのでアバウトなテストではありますが、参考値としてご紹介します。
「ライト付き防犯ブザー」を実際に鳴らしてみると表記通り110dB程度。どこまで離れて音が聞こえるかロードメジャーを使って実測した結果「400m」でした
まず、音が聞こえる距離を計測する前にそれぞれのアイテムの音量を10cm程度の距離でスマホアプリ「デシベル X」を使って計測。「ライト付き防犯ブザー」は110dB程度とパッケージ表記のとおりでした。また、どこまで音が聞こえるかの結果は、直線ではなく道なりにではあるものの400mほど離れた地点で風や国道を通る自動車のエンジン音にブザーの音がかき消されるまで聞こえました。
今回のテストは、国道から新千歳空港に隣接するカート場「新千歳モーターランド」へ向かう道で実施。住宅地でこれだけ大きな音を出すと近所から苦情が出そうなほどで、これほど遠くまで聞こえるとは完全に予想以上。防犯ブザーの実力を知ることができました。
今回のテストは、国道から新千歳空港に隣接するカート場「新千歳モーターランド」へ向かう道で実施。住宅地でこれだけ大きな音を出すと近所から苦情が出そうなほどで、これほど遠くまで聞こえるとは完全に予想以上。防犯ブザーの実力を知ることができました。
子ども向けのかわいいデザインが魅力の「防犯ブザー」は90dB仕様
筆者がキャンドゥで購入した、羽をイメージしたデザインが特徴的な「防犯ブザー」(税込110円)。これもダイソーなどほかの100円ショップでも販売されていました。ゴム製のストラップがついており、バッグやランドセルなどに取り付けやすい仕様です。また、ブザー本体にはさらに小さな羽がついており、この部分を引っ張るとピンが抜けてブザーが鳴る仕組みです。小さな子どもも簡単で使い方が理解できるでしょう。
羽をイメージしたデザインがかわいい「防犯ブザー」(税込110円、キャンドゥ)。写真のピンクのほかに同じデザインで色違いのブルーも用意されています
こちらはライトなどのオプションもなく、シンプルに防犯ブザーのみ。子どもに使わせることを考えると、シンプルな方が非常時には確実に操作できるように感じます。デザインもかわいいので使う子ども自身も気に入ってくれそうです。ただし、パッケージ表記の音量が90dBと少し小さめなのが気になります。実際はどうでしょうか。
パッケージのイラストからも想像されるように、子ども向けの商品なのでしょう。ランドセルなどにもつけやすいように、ゴムストラップが採用されています
「防犯ブザー」の音もどこまで聞こえるのか? 実際に実験してみました。「防犯ブザー」パッケージの記載によると発生する音の大きさは90dB。一般的な騒音の目安としては、90dBを越えると「きわめてうるさい」と定義され、騒々しい工場の中や5mの距離で犬の鳴き声を聞くレベルの騒音になるといいます。また、個人差はありますが、ブザー音などを音として認識するためには、周囲の騒音+3〜10dBの音が必要とのこと。
「防犯ブザー」の音の大きさはパッケージの表記を超える約105dB程度。実際にロードメジャーを使って聞こえなくなる地点までの距離は「327m」でした
「デシベル X 」で計測したところ、「防犯ブザー」の音の大きさは約105dB。今回テストを行った環境の騒音は50〜60dB程度だったため、105dBは十分な音量として認識できました。パッケージの記載よりも大きな音が出ているようです。
音自体は、前述の「ライト付き防犯ブザー」と同傾向の「ピヒョヒョヒョヒョ」というもの。量販家電店の防犯装置と似たような音だと筆者は感じました。音が聞こえた限界距離は約327m。こうした機械音はまわりの騒音の影響をやや受けやすいようですが、300mを越える距離で聞こえれば十分以上の結果といえるでしょう。
音自体は、前述の「ライト付き防犯ブザー」と同傾向の「ピヒョヒョヒョヒョ」というもの。量販家電店の防犯装置と似たような音だと筆者は感じました。音が聞こえた限界距離は約327m。こうした機械音はまわりの騒音の影響をやや受けやすいようですが、300mを越える距離で聞こえれば十分以上の結果といえるでしょう。
齋藤 千歳
フォトグラファー・ライター
北海道千歳市在住・千歳市生まれのフォトグラファー/ライター。キャンピングカーの「方丈号」から各種アウトドア、カメラ、レンズ、ガジェットに関する情報を発信したり、家族3人で北海道一周などしたりを楽しんでいる。