CESをはじめとする世界規模の見本市に行くと、アイデアをひねり出しすぎたあまり、実用性があるのか謎な面白い製品もあれば、未来のスタンダードになる可能性を秘めた製品も見つかる。
今回はそれらの中から「謎スマホ」や「変態端末」とでも呼べそうな、ちょっと変わったスマートフォンを5機種紹介しよう。いずれも2025年のケータイ業界の行方を占うような個性派ぞろいだ。
今回はそれらの中から「謎スマホ」や「変態端末」とでも呼べそうな、ちょっと変わったスマートフォンを5機種紹介しよう。いずれも2025年のケータイ業界の行方を占うような個性派ぞろいだ。
一体どうしてこんな構造に?スマートウォッチを内蔵できるスマホ「Oukitel WP200 Pro」
おそらく2025年1月時点で、今年最大の変態クラスと呼べるスマートフォンがOukitelの「WP 200 Pro」だ。あまりの変態っぷりに、ついディスプレイ側の写真を撮り忘れてしまったほどだが、このモデルは背面の機能だけで世界中の人を虜(とりこ)にするに違いない。
Oukitelは頑丈で多機能なタフネス仕様のスマートフォン開発を得意とするメーカーで、このWP200 Proは背面に時刻や通知を表示する小さなセカンドディスプレイを搭載している。
Oukitelは頑丈で多機能なタフネス仕様のスマートフォン開発を得意とするメーカーで、このWP200 Proは背面に時刻や通知を表示する小さなセカンドディスプレイを搭載している。

背面にディスプレイのあるWP200 Pro
このセカンドディスプレイの下部には、小さなボタンがある。それを押してみると、なんとセカンドディスプレイが飛び出してくる。そして指先でつまんでみると、セカンドディスプレイを本体から取り外せてしまうのだ。一体どうしてこんな構造になっているのだろうか?

背面のセカンドディスプレイは取り外しできる
その答えは、セカンドディスプレイを完全に取り外してみると判明する。このディスプレイの背面には、突起物が付いていることがわかるだろう。

外したサブディスプレイはワイヤレスイヤホンだった
実はこのセカンドディスプレイは、取り外し式のワイヤレスイヤホンなのだ。ワイヤレスイヤホンといえば、通常ならば専用ケースに入れて持ち運ぶものだが、WP200 Proはスマートフォンの背面に収納できるのである。
これなら自宅を出るときにヘッドホンを持ち出し忘れてしまうこともない。しかもWP200 ProはOukitelらしいタフネス仕様で、一般的なスマートフォンの数倍の巨大バッテリーを搭載しているので、背面にワイヤレスイヤホンを収納するだけで常に満充電できる。「ボタンを押せば飛び出すワイヤレスイヤホン内蔵」という文字通り飛び道具的なネタかと思いきや、実用性も高いのだ。
これなら自宅を出るときにヘッドホンを持ち出し忘れてしまうこともない。しかもWP200 ProはOukitelらしいタフネス仕様で、一般的なスマートフォンの数倍の巨大バッテリーを搭載しているので、背面にワイヤレスイヤホンを収納するだけで常に満充電できる。「ボタンを押せば飛び出すワイヤレスイヤホン内蔵」という文字通り飛び道具的なネタかと思いきや、実用性も高いのだ。

ワイヤレスイヤホンを常に充電して持ち運べる
ところがWP200 Proの変態っぷりはこれだけではない。WP200 Proには、時計というかリストバンドの“バンドだけ”のようなものが、なぜか付属している。

WP200 Pro付属のバンド
このバンドに、先ほど取り外したワイヤレスイヤホンを装着すると、なんとスマートウォッチになってしまうのである。

サブディスプレイがスマートウォッチに変身する
イヤホンが収納されているだけなら「どうしてセカンドディスプレイがついているんだろう」と思われただろう。WP200 Proの分離式ギミックの最終形態は、このスマートウォッチ化で完成する。ちなみにOukitelによると、このWP200 Proは日本での販売も予定しているという。
背面でもカジュアルゲームができる、ASUSのゲーミングスマホ「ROG Phone 9 Pro」
PCメーカーで知られるASUSのゲーミングブランド「ROG」。この名前を冠したスマートフォンの最新モデルが「ROG Phone 9 Pro」だ。
本体の側面にはゲームプレイを容易にするタッチ式のゲームボタンを備え、本体を横向きに持ったときに充電ケーブルが邪魔にならないよう、下部側(縦持ち時は左側)にUSB端子を備えるなど、ゲームプレイのことを考えた本体設計になっている。ディスプレイ表示の書き換え速度(リフレッシュレート)も世界初の超高速な185Hzを実現した。
本体の側面にはゲームプレイを容易にするタッチ式のゲームボタンを備え、本体を横向きに持ったときに充電ケーブルが邪魔にならないよう、下部側(縦持ち時は左側)にUSB端子を備えるなど、ゲームプレイのことを考えた本体設計になっている。ディスプレイ表示の書き換え速度(リフレッシュレート)も世界初の超高速な185Hzを実現した。

ゲーマーのためのハイエンドスマホ、ROG Phone 9 Pro
ROG Phone 9 Proも、先ほど紹介したWP200 Proと同じく背面に特徴がある。「AniMe Vision」と呼ぶ、648個のLEDライトが配置されているのだ。このAniMe Visionはアイコンや文字を表示できる。例えば、時刻の数字、今日の天気の天気マーク、バッテリー残量の電池アイコン、などなど、ドット絵でさまざまな情報を表示できるのだ。さらに文字の表示も可能なので「自分の好きな言葉」をスクロールで表示するといったこともできる。

648個のLEDライトで背面に絵や文字などの情報を表示できる
そしてAniMe Visionを目の粗いディスプレイとして使い、簡単なゲームを動かすこともできる。レトロ風の簡単なゲームだが、気分転換したいときなど手軽に遊ぶことができるのだ。

ドットを使う簡単ゲームが遊べる
ゲーミングスマホであるROG Phone 9 Proは高度なバトルゲームなども難なくプレイできるが、そんな難しいゲームに疲れたときに、LEDのドットを使った素朴で簡単ゲームで頭を休めるというのが真のゲーマーなのかもしれない。
ライトでカスタマイズできる、“あのスマホ”そっくりなDoogee「Doogee Blade GT」
Doogeeは最初に紹介したOukitel同様に、タフなスマートフォンを数多く排出するメーカーだ。Doogeeが開発した「Doogee Blade GT」も、ベゼルの太い武骨なデザイン、落下からディスプレイを守る八角形の本体デザインなど、その外見は一般的なスマートフォンとは大きく異なる。

タフネス仕様のBlade GT
一方、背面を見るとどこかで見たことのあるようなデザインが飛び込んでくる。Nothingが開発した、背面の円形ライトが光ることでおなじみの「Nothing Phone」にそっくりだ。
実はNothing Phoneの最初のモデルが登場した当時、すぐに似たような製品が現れた。しかしスマートフォン本体のユーザーインターフェースやフォントまで精巧に作り込み、ライティングも細部までこだわりぬいた「Nothing Phone」には及ばず、“Nothing Phoneのそっくりモデル”はひっそりと姿を消していった。
では“Nothing Phoneのそっくりモデル”のDoogee Blade GTは、どのようなライティングなのだろうか。
実はNothing Phoneの最初のモデルが登場した当時、すぐに似たような製品が現れた。しかしスマートフォン本体のユーザーインターフェースやフォントまで精巧に作り込み、ライティングも細部までこだわりぬいた「Nothing Phone」には及ばず、“Nothing Phoneのそっくりモデル”はひっそりと姿を消していった。
では“Nothing Phoneのそっくりモデル”のDoogee Blade GTは、どのようなライティングなのだろうか。

「Nothing Phone」にそっくりな背面
Doogee Blade GTは、背面ライトをNothing Phoneとは異なるアプローチでデザインしている。背面を顔に見立てて好みの表情のライティングを設定できたり、電話着信やバッテリー残量が低下した際に特徴的なパターンで点滅させるなど、凝った造りに仕上げているという。
そしてタフな設計なので、水中でも使用可能であり、水の中でもライトの光が見える。普段の日常生活よりも、アウトドアで活用できそうなスマートフォンだ。
そしてタフな設計なので、水中でも使用可能であり、水の中でもライトの光が見える。普段の日常生活よりも、アウトドアで活用できそうなスマートフォンだ。

水中でも背面が光る

山根 康宏
香港在住携帯研究家
スマホとSIMを求めて世界各国を取材中。海外、特に中国の通信事情に精通している。大手メディアへの執筆も多数。海外スマホ・ケータイを1800台所有するコレクターでもある。