水切りのメカニズムは航空機の研究に役立つ
実は、この研究の出発点は水切りのメカニズムを解明することではありませんでした。
研究者らは飛行中の航空機の表面にどうして氷が形成されるのかを調べ、それを緩和する方法を探ることを目的として研究を始めたのです。航空機の表面に形成された薄い水の層に空気中の氷の結晶が付着しないよう、跳ね返す方法を知るために数学的モデリングを行ったところ、翼の水の層を水面に、氷の結晶が水切り石に見立てて考えるのがわかりやすかったのだそう。パーマーは、Twitterで「航空機の表面における氷の形成は数学、物理学、光学の組み合わせによる魅力的なトピックであり、深く掘り下げて研究する価値がある」と述べています。
研究者らは飛行中の航空機の表面にどうして氷が形成されるのかを調べ、それを緩和する方法を探ることを目的として研究を始めたのです。航空機の表面に形成された薄い水の層に空気中の氷の結晶が付着しないよう、跳ね返す方法を知るために数学的モデリングを行ったところ、翼の水の層を水面に、氷の結晶が水切り石に見立てて考えるのがわかりやすかったのだそう。パーマーは、Twitterで「航空機の表面における氷の形成は数学、物理学、光学の組み合わせによる魅力的なトピックであり、深く掘り下げて研究する価値がある」と述べています。
In this case, the skimmer is an ice crystal and the water a layer on the aircraft.
— Ryan Palmer (@r_palmr) January 4, 2023
Aircraft icing is a fascinating topic, bringing together maths, physics and engineering and worth a deepdive.
実際やってみてどうだった? 肩が痛くなった……
ちなみにこの週末、筆者も近くの河原に出かけて実際に水切りをやってみました。最初は平たい石を投げて、昔の感覚を取り戻しつつ、次に手頃なジャガイモ風の石をいくつか探し、メガバウンドとやらが本当に起こるのか、試してみました。
ジャガイモ風の石は本当に水面を跳ぶのか
ところが、浅い角度で水面に飛び込んだ石は「ドブゥン!」と低い音をたて、ものの見事に川底へ。5つ投げてみても、10個投げてみても、当然ながら跳ねる様子はなし。挙げ句の果てには踏み出した左足がうっかり水際を越えてしまい、靴の中までずぶ濡れになる有様。
「ドブゥン!」と沈むジャガイモ風の石
だんだん面倒になってきたし、左足は冷たいしで次を最後の一投と決めました。そして形はジャガイモに似た、軟式の野球ボールほどの石を手に取り、渾身のアンダースローを投じてみたところ、なんと予想外にも水面を1度跳ねたではありませんか。
これが研究者の言うメガバウンドかといえば微妙ですが、とりあえず跳ねそうにない石でも水切りはできるということは確認できました。
ただ、普段から運動をサボっているのに突然色々な重さの石をいくつも投げたせいか、帰宅してからしばらくは肩が上がりづらい感覚が……。とはいえ、水切りは川と石さえあれば誰でも簡単に“実験”できます。読者の皆さまも、一度ジャガイモ石を投げて検証してみてはいかがでしょうか。もちろん、周囲の安全確認と準備運動はお忘れなく……。
これが研究者の言うメガバウンドかといえば微妙ですが、とりあえず跳ねそうにない石でも水切りはできるということは確認できました。
ただ、普段から運動をサボっているのに突然色々な重さの石をいくつも投げたせいか、帰宅してからしばらくは肩が上がりづらい感覚が……。とはいえ、水切りは川と石さえあれば誰でも簡単に“実験”できます。読者の皆さまも、一度ジャガイモ石を投げて検証してみてはいかがでしょうか。もちろん、周囲の安全確認と準備運動はお忘れなく……。
Munenori Taniguchi
ライター。ガジェット全般、宇宙、科学、音楽、モータースポーツetc.、電気・ネットワーク技術者。
実績媒体:TechnoEdge、Gadget Gate、Engadget日本版、Autoblog日本版、Forbes JAPAN他
Twitter:@mu_taniguchi