都会ほど重大な「災害時のトイレ問題」
水や食料と同レベルで用意しておきたい非常用トイレ
食事と水分補給、そして排尿・排便。6時間我慢してくださいといわれたら、いちばん辛いのはどれでしょう。食事はそもそも多くの方が6時間前後おきでしょうし、水分補給も喉は渇きそうですが、室内であれば我慢もできるでしょうし、何かしらの飲料ストックもあるでしょうから、耐えれる範囲かと思います。
しかし、排尿・排便を6時間我慢するのは、かなりきついもの。一般的に成人で1日5〜7回排尿するそうです。多くの場合、間隔は3〜5時間おき。そして、尿意を感じてから我慢できるのは1時間程度だといいます。
となると、長めの間隔で5時間で尿意を感じて、そこから1時間我慢をしても計6時間。筆者にはとても我慢できそうにはありません。ですが、地震などの災害による停電が発生すると、仮に上下水道に損壊がなくても、タワーマンションや集合住宅ではトイレが使えなくなる例が散見されます。
人口密集率の低い地域の一軒家ならまだしも、人口密集地のマンションでは、人の尊厳のかかった排泄問題がわずか数時間で勃発するのです。なお、全国平均でも40%を超える方がマンション暮らしだといいます。
しかし、排尿・排便を6時間我慢するのは、かなりきついもの。一般的に成人で1日5〜7回排尿するそうです。多くの場合、間隔は3〜5時間おき。そして、尿意を感じてから我慢できるのは1時間程度だといいます。
となると、長めの間隔で5時間で尿意を感じて、そこから1時間我慢をしても計6時間。筆者にはとても我慢できそうにはありません。ですが、地震などの災害による停電が発生すると、仮に上下水道に損壊がなくても、タワーマンションや集合住宅ではトイレが使えなくなる例が散見されます。
人口密集率の低い地域の一軒家ならまだしも、人口密集地のマンションでは、人の尊厳のかかった排泄問題がわずか数時間で勃発するのです。なお、全国平均でも40%を超える方がマンション暮らしだといいます。
そう、災害時は水よりも、食料よりも先に深刻なレベルで不足するのは、実はトイレなのです。ですから非常用トイレはぜひ用意しておくことをおすすめします。筆者は以前、イオンで購入した「組み立て式緊急トイレ10回分」をi4Uの記事「災害や断水に備えて!「組み立て式緊急トイレ10回分」を実際に使ってみた」で紹介しましたが、今やこの組み立て式簡易トイレは、今やプチプラの代表であるダイソーやキャンドゥなどの100円ショップでも用意されており、屋外で使うための目隠し用のポンチョまでセットで購入しても1000円以下で入手可能です。

写真上の黄色いパッケージカラーがキャンドゥの「組立て式簡易トイレ」シリーズ。写真下の青がメインカラーのアイテムがダイソーの「非常用簡易トイレ」シリーズです
そこで、今回はダイソーとキャンドゥの簡易トイレを中心に、非常用トイレの基本セットを1000円以下の予算でそろえ、「コストパフォーマンス」「組み立てやすさ」「実際の使用感」に至るまで徹底比較してみました。
想定以上に価格差が大きいダイソーとキャンドゥ

ダイソーで予算1000円で簡易トイレを購入すると、購入できる内容は上の写真のとおり。凝固剤セットは3回分です
同じ1000円以下で使用可能な回数が2.3倍も違う
ダイソーやキャンドゥで販売されている非常用の簡易トイレは、ダンボール製で組立式の便器本体をベースに、排泄物をジェル状に凝固させて消臭する凝固剤と、排泄の際に便器本体に取り付ける汚物袋のセットや、簡易トイレを使用する際に個室が用意できないときなどに使用する目隠しポンチョの3アイテムでワンセット。
簡易トイレや目隠しポンチョは、自宅のトイレが壊れていなければ不要ですが、トイレが破損したり避難が必要になったときには必須。今回は予算1000円で比較しているため数回分ですが、凝固剤と汚物袋のセットは1人が1日に使う個数×家族の人数分×日数分が必要。そのコスト比較についても後述します。
まずは基本のセットとなる簡易トイレ本体は、ダイソーの「非常用簡易トイレ」が、ダンボール製の便器本体で税込550円。「目かくしポンチョ 簡易トイレセット」が税込220円でポンチョのほかに凝固剤セット1つとポケットティッシュ付き。凝固剤セット「非常用簡易トイレ」は1回分で税込110円です。
一方のキャンドゥでは「組立て式簡易トイレ」本体が税込660円。凝固剤セット1回分付きの「目かくしポンチョ」が税込110円、「非常用簡易トイレ」(凝固剤セット)は3回分入りで税込110円。
簡易トイレや目隠しポンチョは、自宅のトイレが壊れていなければ不要ですが、トイレが破損したり避難が必要になったときには必須。今回は予算1000円で比較しているため数回分ですが、凝固剤と汚物袋のセットは1人が1日に使う個数×家族の人数分×日数分が必要。そのコスト比較についても後述します。
まずは基本のセットとなる簡易トイレ本体は、ダイソーの「非常用簡易トイレ」が、ダンボール製の便器本体で税込550円。「目かくしポンチョ 簡易トイレセット」が税込220円でポンチョのほかに凝固剤セット1つとポケットティッシュ付き。凝固剤セット「非常用簡易トイレ」は1回分で税込110円です。
一方のキャンドゥでは「組立て式簡易トイレ」本体が税込660円。凝固剤セット1回分付きの「目かくしポンチョ」が税込110円、「非常用簡易トイレ」(凝固剤セット)は3回分入りで税込110円。

同じく予算1000円でキャンドゥで購入した簡易トイレ。購入可能な凝固剤セットの数は7回分なので、かなりコストパフォーマンスが高く感じます
今回の予算1000円だと、ダイソーでは「非常用簡易トイレ」本体、「目かくしポンチョ 簡易トイレセット」、「非常用簡易トイレ」(凝固剤セット)1回分を2つ購入して合計990円。使用できる回数は3回です。
これに対してキャンドゥでは「組立て式簡易トイレ」本体(凝固剤セット1回分付き)、「目かくしポンチョ」、「非常用簡易トイレ」(凝固剤セット)3回分入りを2つ購入してこちらも合計990円で使用できる回数は7回です。
予算1000円以下でのダイソーとキャンドゥの簡易トイレのセットでは、使用できる回数は3回と7回、約2.3倍も差が付いたのは意外な結果といえるでしょう。さらに具体的に各商品を見ていきましょう。
これに対してキャンドゥでは「組立て式簡易トイレ」本体(凝固剤セット1回分付き)、「目かくしポンチョ」、「非常用簡易トイレ」(凝固剤セット)3回分入りを2つ購入してこちらも合計990円で使用できる回数は7回です。
予算1000円以下でのダイソーとキャンドゥの簡易トイレのセットでは、使用できる回数は3回と7回、約2.3倍も差が付いたのは意外な結果といえるでしょう。さらに具体的に各商品を見ていきましょう。
大きさではキャンドゥ、耐荷重ではダイソーが優位な便器本体

ダイソーで購入した「非常用簡易トイレ」本体。税込550円で本体のみ。パッケージに大きく日本製と表記されている点もポイントです
まず簡易トイレから比較します。ダイソーの「非常用簡易トイレ」は、ダンボール製の便器本体が税込550円。対してキャンドゥの「組立て式簡易トイレ」本体は税込660円です。ただしキャンドゥのほうには凝固剤セットが1つ付属するので、価格差はほぼないと考えてよいでしょう。
そして、気になるのは組み立てた際の便器の大きさです。あまり大きすぎては邪魔ですし、かといって小さすぎると安心して用を足すことができません。これについてはダイソーの簡易トイレが幅約24cm、奥行約32cm、高さ約30cm。キャンドゥの簡易トイレが幅約29.5cm、奥行約45cm、高さ約38cm。一回りほどキャンドゥのほうが大きい作りです。
そして、気になるのは組み立てた際の便器の大きさです。あまり大きすぎては邪魔ですし、かといって小さすぎると安心して用を足すことができません。これについてはダイソーの簡易トイレが幅約24cm、奥行約32cm、高さ約30cm。キャンドゥの簡易トイレが幅約29.5cm、奥行約45cm、高さ約38cm。一回りほどキャンドゥのほうが大きい作りです。

キャンドゥの簡易トイレは税込660円ですが、本体だけでなく凝固剤セットが1回分付属します
ただし、気を付けたいのは耐荷重です。ダイソーの簡易トイレは体重80kgまでに対応ですが、キャンドゥの簡易トイレは耐荷重約70kgです。使用する家族の体重などを考慮して選択する必要があるでしょう。
目隠しポンチョの質ならキャンドゥ、付属品の充実ならダイソー

ダイソーの「目かくしポンチョ 簡易トイレセット」は税込220円。ポンチョのほかに凝固剤セットが1回分、ポケットティッシュ、半透明のビニール袋が付属します
次に目隠しポンチョの比較です。ダイソーは「目かくしポンチョ 簡易トイレセット」、キャンドゥは「目かくしポンチョ」というアイテムを用意しており、簡易トイレを使う際に個室などが用意できないシーンでは、これらのポンチョを着て、用を足すことで周りの目を遮ることを可能にしています。
どちらもポリエステルやポリエチレンといったビニール製で、ざっくりいうなら大きめのゴミ袋に頭や両手を出す穴が空いてる程度の作りです。ただし、ダイソーの目隠しポンチョにはフードがついています。
どちらもポリエステルやポリエチレンといったビニール製で、ざっくりいうなら大きめのゴミ袋に頭や両手を出す穴が空いてる程度の作りです。ただし、ダイソーの目隠しポンチョにはフードがついています。

キャンドゥで購入した「目かくしポンチョ」は税込110円。こちらは単純にまっ黒なポンチョだけが入っています
大きな差はダイソーの目隠しポンチョはポンチョのほかに凝固剤セットが1回分、小さめのポケットティッシュ、さらに持ち手付きのビニール袋が1枚同梱されています。これに対してキャンドゥの目隠しポンチョは単純にポンチョのみです。
どちらも凝固剤セットの汚物袋とほとんど変わらないレベルのビニール製。キャンドゥのほうがやや厚みがあり表面に凹凸加工がありますが、ダイソーはフードはあるものの汚物袋よりもペラペラです。
どちらも凝固剤セットの汚物袋とほとんど変わらないレベルのビニール製。キャンドゥのほうがやや厚みがあり表面に凹凸加工がありますが、ダイソーはフードはあるものの汚物袋よりもペラペラです。
おどろくほど商品の差がある「非常用簡易トイレ」

ダイソーの「非常用簡易トイレ」(凝固剤セット)は税込110円で、中に入っているのは凝固剤と汚物袋が各1回分です
最後に凝固剤セットの比較です。今回、非常用の簡易トイレをダイソーとキャンドゥに買いに行って一番驚いたのは、凝固剤セットの価格差です。ダイソーの「非常用簡易トイレ」(凝固剤セット)は1回分で税込110円、これに対してキャンドゥの「非常用簡易トイレ」(凝固剤セット)は3回分で税込110円です。
簡易トイレの便器本体や目隠しポンチョのイニシャルコストを無視して、消耗品である凝固剤と汚物袋だけで価格差は3倍。簡単にいうならダイソーの簡易トイレで排泄をすると1回110円なのに対して、キャンドゥの簡易トイレなら1回約33円で済むという事実です。この差は小さくないでしょう。
簡易トイレの便器本体や目隠しポンチョのイニシャルコストを無視して、消耗品である凝固剤と汚物袋だけで価格差は3倍。簡単にいうならダイソーの簡易トイレで排泄をすると1回110円なのに対して、キャンドゥの簡易トイレなら1回約33円で済むという事実です。この差は小さくないでしょう。

キャンドゥの「非常用簡易トイレ」(凝固剤セット)は凝固剤と汚物袋が3回分セットになって税込110円とリーズナブルです
また、使用方法の違いとしては、ダイソーの凝固剤セットは便器に汚物袋をセットし排泄、排泄後に凝固剤をふりかけて凝固させる方式なのに対して、キャンドゥは便器に汚物袋をセットし、先に凝固剤を入れてから排泄するという前入れ方式です。大きな問題ではありませんが、おもしろい差といえるでしょう。

齋藤 千歳
フォトグラファー・ライター
北海道千歳市在住・千歳市生まれのフォトグラファー/ライター。キャンピングカーの「方丈号」から各種アウトドア、カメラ、レンズ、ガジェットに関する情報を発信したり、家族3人で北海道一周などしたりを楽しんでいる。