ダイソーの「非常用簡易トイレ」とキャンドゥの「組立て式簡易トイレ」を組み立てる
3パーツで単純に組み上げられるダイソーの「非常用簡易トイレ」

ダイソーの簡易トイレのパーツは3つ
ダイソーの簡易トイレ本体は写真左から、側面パーツ、底面パーツ、上面パーツの3つで構成されています。これに組立説明書が付属します。

テープなしで組み立て可能
側面パーツを丸めるようにして、その両端部分を差し込み、ロックして組み上げます。非常用なのでテープなどがなくても組み上げられるようになっているのは、さすがです。作業自体はとても簡単。

底面パーツの取り付け
側面パーツの内側のヘリを折り目に沿って内側に折った後、底面パーツを取り付けます。これもダンボール同士を組み込んでいくだけなので、とても簡単です。

フタの役割もある上面パーツの組み立て
上面パーツを折り目に沿って折り込んで折り爪を差し込んで形にしていきます。フタを作るイメージでしょうか。

側面と底面のパーツに、上面を組み合わせて完成
組み上げた上面パーツを取り付けたら便器本体は完成です。実用性は不明ですが、便器のフタがアイコン的にデザインされている点も、ちょっと楽しいのです。
実用本位のキャンドゥの「組立て式簡易トイレ」はやや煩雑

キャンドゥは側面と底面のパーツが一体化
キャンドゥの簡易トイレ本体は、写真の側面と底面が一体化したパーツと、最後に上面に乗せる便座パーツの2つからできています。こちらにも組立説明書が同梱されています。

側面パーツの周囲4枚を内側に折り込む
側面パーツの外側に出ていた4枚の板状のパーツをすべて側面パーツの内側に折り込みます。これで側面パーツの強度がアップするようです。

底面の周囲のフチを外側に折って本体にセット
内部の切り込みを1つの内側に折り込んだ後、底面部分のフチを外側に折り、側面パーツ本体に差し込みます。

底面をロックするとしっかりした強度に
差し込んだ底面部分を側面部分の本体でロックすると便器本体は完成です。折り込み部分が多いので、思った以上の強度を感じます。

かなり縦長の六角形のトイレに
完成したキャンドゥの「組立て式簡易トイレ」便器本体。六角形にすることで便器の前後の長さを確保しているのでしょう。

汚物袋を装着し、便座パーツを取り付ければ完成
汚物袋を装着して、最後に便座パーツを取り付けたら完成です。ここに凝固剤を入れれば、排泄の準備は万端といえます。
ポンチョも装着して実際に使ってみた

目隠しポンチョを着て、簡易トイレの便座に座ったところ。周りから排泄の様子が見えないのはいいのですが、自分でも確認できません。手探りです
キャンドゥの簡易トイレのほうが全体に使いやすい
最後に、それぞれを実際に使ってみました。筆者の家はトイレがちょっと広めということもあり、トイレの本来の便座の前に簡易トイレを設置して実際に排便しました。そのため目隠し用のポンチョは必要ないのですが、せっかくなので、こちらも装着し、テストしました。
気になる便器の安定性は身長約168cm、体重67kgの平均的な成人日本人男性である筆者が座ってもどちらも問題は感じません。当然、普段の便座よりも小さいので少し窮屈ではありますが、スマートフォンで読書をしながら使えるぐらい余裕があります。
ただし、細かな部分でいうならキャンドゥの簡易トイレに軍配を上げます。理由は耐荷重は約70kgと筆者でギリギリなのですが、前後の幅が約45cmと広いこと。ダイソーの「非常用簡易トイレ」は約32cmです。
気になる便器の安定性は身長約168cm、体重67kgの平均的な成人日本人男性である筆者が座ってもどちらも問題は感じません。当然、普段の便座よりも小さいので少し窮屈ではありますが、スマートフォンで読書をしながら使えるぐらい余裕があります。
ただし、細かな部分でいうならキャンドゥの簡易トイレに軍配を上げます。理由は耐荷重は約70kgと筆者でギリギリなのですが、前後の幅が約45cmと広いこと。ダイソーの「非常用簡易トイレ」は約32cmです。

左がダイソー、右がキャンドゥの簡易トイレ。約13cmの奥行の差が使い勝手の差につながっています
簡易トイレを室内などに設置すると、男性でも当然、大小どちらも座って行うことになると思います。このときに、前後の幅が広いと小もスムーズにできるのです。
また、大も前後の幅が広いと余裕があり、安心感もありますし、事後の拭き取り作業もスムーズになります。さらにキャンドゥの簡易トイレは便器の後ろ側が一段高くなっており、ここも汚物袋で覆われる構造です。
これが思った以上に重要。普段より小さなトイレで、状況によっては目隠しのポンチョを装着して、自分自身も状態が見えない状況で、この突起があることで後ろに排泄物がはみ出してしまうリスクと、それを恐れるストレスが大きく軽減されるのです。秀逸。
また、大も前後の幅が広いと余裕があり、安心感もありますし、事後の拭き取り作業もスムーズになります。さらにキャンドゥの簡易トイレは便器の後ろ側が一段高くなっており、ここも汚物袋で覆われる構造です。
これが思った以上に重要。普段より小さなトイレで、状況によっては目隠しのポンチョを装着して、自分自身も状態が見えない状況で、この突起があることで後ろに排泄物がはみ出してしまうリスクと、それを恐れるストレスが大きく軽減されるのです。秀逸。

便座の背後に汚物袋で覆われた突起部分があるので、排泄時にはみ出してしまうのではないかという不安を大きく低減してくれます
一方で、ダイソーの簡易トイレのフタの用途は筆者にはよくわかりませんでした。一般的な便器を想起させるデザインとして取り付けたのかもしれませんが、汚物袋に覆われるわけでもないので、後方に対するはみだしの予防にはなりません。
さらに簡易トイレは1度使用すると汚物袋ごと縛って廃棄するので、フタがついていることで便器の内部からの臭気が拡散しないといった効果も得られそうにはないのです。単なるデザインということなのでしょう。
最後に目隠し用のポンチョですが、大きさなどもほとんど変わらないので、使い勝手に大きな差はありません。ただしダイソーの目隠しポンチョは極限までコストを削られているのか、薄すぎて破れないように気を使います。
さらに簡易トイレは1度使用すると汚物袋ごと縛って廃棄するので、フタがついていることで便器の内部からの臭気が拡散しないといった効果も得られそうにはないのです。単なるデザインということなのでしょう。
最後に目隠し用のポンチョですが、大きさなどもほとんど変わらないので、使い勝手に大きな差はありません。ただしダイソーの目隠しポンチョは極限までコストを削られているのか、薄すぎて破れないように気を使います。

ダイソーの目隠しポンチョのポンチョには、フードがついています。しかし、そのメリットよりも超ペラペラな点が気になります
なお、雨のなかで屋外で簡易トイレを使うことを考慮しているのかフードもついているのですが、筆者はこれによって脱着がしづらくなるというデメリットしか感じませんでした。
雨のなかで屋外で用を足したいとか、ポケットティッシュや凝固剤セットも一緒にほしいといった理由がなければ、筆者は目隠し用ポンチョは、少し厚手でフードのないキャンドゥの目隠しポンチョをおすすめします。
雨のなかで屋外で用を足したいとか、ポケットティッシュや凝固剤セットも一緒にほしいといった理由がなければ、筆者は目隠し用ポンチョは、少し厚手でフードのないキャンドゥの目隠しポンチョをおすすめします。
100円ショップで簡易トイレをそろえるなら、キャンドゥが◎

筆者は現状100円ショップの簡易トイレは、キャンドゥで購入した「組立て式簡易トイレ」をおすすめします。ランニングコストが低いのも魅力です
使い勝手でも、コスパでもキャンドゥがおすすめ
筆者はプチプラや100円ショップが大好きで、かなりの数の比較記事などを書いているのですが、同じような商品を比較して、ここまで明確に差が出るのはとても珍しく感じています。現状の100円ショップで簡易トイレをそろえるなら筆者個人はキャンドゥをおすすめします。
使い勝手については、すでに述べたとおりですが、筆者がもっとも大きな差として感じているのは、コストパフォーマンス。例えば、家族3人で3日間なんらかの理由でトイレが使えず、簡易トイレで済ませたとします。
1人1日6回トイレを利用するとして、3人で18回、これが3日分ですから54回分の汚物袋と凝固剤(凝固剤セット)が必要になります。これをダイソーで購入した「非常用簡易トイレ」で用意すると、税込110円×54個で税込5940円になります。
使い勝手については、すでに述べたとおりですが、筆者がもっとも大きな差として感じているのは、コストパフォーマンス。例えば、家族3人で3日間なんらかの理由でトイレが使えず、簡易トイレで済ませたとします。
1人1日6回トイレを利用するとして、3人で18回、これが3日分ですから54回分の汚物袋と凝固剤(凝固剤セット)が必要になります。これをダイソーで購入した「非常用簡易トイレ」で用意すると、税込110円×54個で税込5940円になります。

ダイソーで凝固剤セットのコストを抑えるなら10回分を税込550円で購入できる10個セットがおすすめです
これに対してキャンドゥで購入した凝固剤セットは3回分で税込110円。便器本体の付属分や目隠しポンチョなどを無視し単純に計算すると3人3日分のコストは1/3の税込1980円。1人1日のトイレの費用が税込220円です。
さすがに1人1日のトイレ費用が税込660円は高すぎと考えたのか、ダイソーで販売されている「非常用簡易トイレ」の凝固剤セットには10個セットが用意されています。ただし価格は10個セットで税込550円。1人1日のトイレ費用は330円まで抑えられますが、それでもキャンドゥの1.5倍です。
これらを考慮すると現状筆者はキャンドゥで購入できる「組立て式簡易トイレ」をおすすめします。もしかすると、ダイソーの凝固剤セットのほうが高性能ということもあるかもしれませんが、筆者は排便が終了すると、できるだけ速やかに縛って密閉して廃棄するので、その差を感じることはありませんでした。
災害備蓄にそろえておきたい簡易トイレ。実際に買って、使ってみて初めて知った、価格の差や使い勝手の差も多くありました。この値段なら平常時に自分で試してみやすいのも魅力のひとつ。みなさんもご家族で実際に試してみることをおすすめします。
さすがに1人1日のトイレ費用が税込660円は高すぎと考えたのか、ダイソーで販売されている「非常用簡易トイレ」の凝固剤セットには10個セットが用意されています。ただし価格は10個セットで税込550円。1人1日のトイレ費用は330円まで抑えられますが、それでもキャンドゥの1.5倍です。
これらを考慮すると現状筆者はキャンドゥで購入できる「組立て式簡易トイレ」をおすすめします。もしかすると、ダイソーの凝固剤セットのほうが高性能ということもあるかもしれませんが、筆者は排便が終了すると、できるだけ速やかに縛って密閉して廃棄するので、その差を感じることはありませんでした。
災害備蓄にそろえておきたい簡易トイレ。実際に買って、使ってみて初めて知った、価格の差や使い勝手の差も多くありました。この値段なら平常時に自分で試してみやすいのも魅力のひとつ。みなさんもご家族で実際に試してみることをおすすめします。

齋藤 千歳
フォトグラファー・ライター
北海道千歳市在住・千歳市生まれのフォトグラファー/ライター。キャンピングカーの「方丈号」から各種アウトドア、カメラ、レンズ、ガジェットに関する情報を発信したり、家族3人で北海道一周などしたりを楽しんでいる。