非常時や災害用の明かりや防寒、非常食などを用意していても、意外と無防備なのが、トイレではないでしょうか? 当たり前ですが、食べることはある程度コントロールできても、出すことをコントロールするのは、ほぼ不可能です。
実際に北海道胆振東部地震に伴うブラックアウトを経験したマンションの高層階に住む筆者の友人は、声をそろえて「水を運ばないとトイレが使えなかったのが、すごくつらかった」といいます。
そんなトイレが使えない非常時に役立ってくれる「組み立て式緊急トイレ10回分」(旭電機化成)を実際に試して、その使い勝手をチェック。ニオイなどもレポートします。
実際に北海道胆振東部地震に伴うブラックアウトを経験したマンションの高層階に住む筆者の友人は、声をそろえて「水を運ばないとトイレが使えなかったのが、すごくつらかった」といいます。
そんなトイレが使えない非常時に役立ってくれる「組み立て式緊急トイレ10回分」(旭電機化成)を実際に試して、その使い勝手をチェック。ニオイなどもレポートします。
イオンでも入手可能な「組み立て式緊急トイレ10回分」を試した
旭電機化成の「組立式緊急トイレ10回分」。“安心の耐荷重約230kg”で曙や武蔵丸クラスの体重でも大丈夫……な、安心の仕様です
世の中に非常用・緊急用のトイレはたくさんあるのに、どうしてこの製品なのかというと、一般的に入手しやすいスタンダードなものだからです。実際、この製品は北海道に住む筆者の自宅近所にあるイオンで購入。これならインターネットが苦手な筆者の母でも購入可能です。
今回紹介するタイプは組み立て式の段ボール製便座がセットになった製品ですが、もともとあるトイレの便器にセットして使う、凝固剤と消臭袋だけの非常用トイレも数多くあります。凝固剤と消臭袋の使い勝手という意味では同様だと思いますので、ぜひそこだけでも参考にしてみてください。
ちなみに筆者の近所のイオンではこの「組立式緊急トイレ10回分」が税別1980円と非常用としても、とてもリアリティのある価格で販売されていました。本当に役に立つなら非常用に買っておきたい製品ですが、役に立たないなら笑って許せる金額でもないでしょう。そこで、本当に役に立つのかを使って検証してみます。
今回紹介するタイプは組み立て式の段ボール製便座がセットになった製品ですが、もともとあるトイレの便器にセットして使う、凝固剤と消臭袋だけの非常用トイレも数多くあります。凝固剤と消臭袋の使い勝手という意味では同様だと思いますので、ぜひそこだけでも参考にしてみてください。
ちなみに筆者の近所のイオンではこの「組立式緊急トイレ10回分」が税別1980円と非常用としても、とてもリアリティのある価格で販売されていました。本当に役に立つなら非常用に買っておきたい製品ですが、役に立たないなら笑って許せる金額でもないでしょう。そこで、本当に役に立つのかを使って検証してみます。
「組立式緊急トイレ10回分」の組み立ては予想以上に簡単!
「組立式緊急トイレ10回分」のダンボールを開けると、ダンボールの部品と組み立てなどの説明書が入っています
「組立式緊急トイレ10回分」のダンボールを開けたら最初にやることは、便器というか、便座になる部分を組み立てることです。
中身をすべて出すとダンボールの大きなパーツが4つ。そして、黒と白のビニール袋が10枚ずつ、凝固剤が10個。さらに取扱説明書が入っています
パーツ内枠Aと内枠B2枚を組み合わせて、便座の内枠を作ります。この内枠が約230kgという耐荷重の高さを支えているのでしょう
外枠を広げて、先に組み立てた内枠を中に組み込みます。思った以上にシンプルな作りになっています
外枠の左右をそれぞれ折り込んで、内枠と外枠を組み上げます。とはいえ、溝に差し込むだけなので、とても簡単
最後に外枠の便座部分を差し込めば、便器が完成します。見ての通り、数分で完成する簡単な作業です
便座の組み立て作業は、かなり簡単です。完成した便座は約25×36×29.5cm。思ったよりもかなりコンパクトで、重量もわずか約540g。これで耐荷重約230kgというのはちょっと驚きです。また、付属のビニール袋は黒と白で、黒は便座にかぶせて使用し、使った黒いビニールをさらに入れるのが白い処理袋になっています。袋を2重にすることでニオイが漏れるのを防いでくれるそうです。
また、使用後に振りかける凝固剤は1個約7.5gで、400mlの尿をゼリー状に固められるといいます。このビニール袋と凝固剤がそれぞれ10個ずつ付属しているので10回分です。
また、使用後に振りかける凝固剤は1個約7.5gで、400mlの尿をゼリー状に固められるといいます。このビニール袋と凝固剤がそれぞれ10個ずつ付属しているので10回分です。
「組立式緊急トイレ10回分」を実際に設置して使ってみた
トイレ内に「組立式緊急トイレ10回分」の座面を設置してテストしてみました
今回はトイレ内に「組立式緊急トイレ10回分」を設置して使用感をテストしましたが、浴室でも倉庫でも、個室にできる場所ならどこでも使えるのが、便器の役割をする組み立て簡易トイレがセットになったこのタイプの便利な部分です。
また、使った後の密閉した袋は、簡単に庭に出せないマンションなどで使う場合も想定し、同じトイレ内でダンボールに保管することにしました。
この「組立式緊急トイレ10回分」の便座に、黒いビニール袋をかけて、このなかに用を足すことになります。なお筆者と妻のふたりでトイレを10回使用するのにどのくらいの期間がかかるのかも分からずに、実験を開始しました。
また、使った後の密閉した袋は、簡単に庭に出せないマンションなどで使う場合も想定し、同じトイレ内でダンボールに保管することにしました。
この「組立式緊急トイレ10回分」の便座に、黒いビニール袋をかけて、このなかに用を足すことになります。なお筆者と妻のふたりでトイレを10回使用するのにどのくらいの期間がかかるのかも分からずに、実験を開始しました。
「組立式緊急トイレ10回分」の黒ビニール袋(汚物袋)に約300mlの水を入れ、凝固剤を投入。実際の使用を想定して縛ってみました
実際の使用手順はこうです。組み立てた段ボール製トイレに黒ビニール袋(汚物袋)をかけ、そこに腰掛けて用を足し、凝固剤を投入。黒ビニール袋を回収し、しっかりと袋を口を縛ります。凝固剤の作用で尿などがゼリー状に固まるには数分の時間が必要なようです。
この、しっかりと口を縛った黒ビニール袋をさらに白ビニール袋(処理袋)に入れて口をしっかりと縛ります。ビニール袋を2重にすることで、ニオイの漏れを防ぐとしています。
この、しっかりと口を縛った黒ビニール袋をさらに白ビニール袋(処理袋)に入れて口をしっかりと縛ります。ビニール袋を2重にすることで、ニオイの漏れを防ぐとしています。
中身はただの水ですが、黒ビニール袋(汚物袋)に入れたあと、白ビニール袋(処理袋)に入れた状態です。思ったよりもかさばります
齋藤 千歳
フォトグラファー・ライター
北海道千歳市在住・千歳市生まれのフォトグラファー/ライター。キャンピングカーの「方丈号」から各種アウトドア、カメラ、レンズ、ガジェットに関する情報を発信したり、家族3人で北海道一周などしたりを楽しんでいる。