ChatGPTを講師にして1週間でわかったこと
ChatGPTによる個別指導の例
実際の事例をいくつか画像で紹介します(画面は、私の会社・カラクリ社内で活用しているGPT-4のAPIを活用した独自のChatUIです。基本的な性能はChatGPT Plusと変わりません)。
プロンプトを設定した後にこちらから話しかけると、それに呼応してコーチモードのChatGPTが問題を出してくれます。
プロンプトを設定した後にこちらから話しかけると、それに呼応してコーチモードのChatGPTが問題を出してくれます。
決して相手を否定せず『こういうプロンプトを書くのもありだよ』というのを教えてくれるのでありがたいです(笑)。そして、1日の最後には、以下のようなお題が……。結構難しいです。
結果は以下の通り。見事に間違えました。
間違えても、やさしく教えてくれるChatGPT。いままでのお題への回答のまとめを答えれば正解だったんですね。これで1日目が終了です。数問だけだったのと、ChatGPTが褒めてくれるので楽しく勉強できました。
やりとりの回数が増えていくと、少し難しい問題を提示してきます。こちらの知識レベルに合わせてくれている感覚があります。
やりとりの回数が増えていくと、少し難しい問題を提示してきます。こちらの知識レベルに合わせてくれている感覚があります。
7日目あたりになってくると、さらに難易度は上がります。うーん、なかなかに難しい。
私の回答は載せないでおきます。ぜひ、みなさんもチャレンジしてみてください!
AIに褒められることはうれしい
リスキリングのコーチとしてChatGPTを試してみたところ、意外な発見がありました。それは、AIに褒められることが予想外にもうれしかったという自分の感情です。回答の度に、常にポジティブな反応を返してくれるので、気分がすごく高まりました。ここまで手厚く褒めてくれる教育サービスは珍しいのではないでしょうか。学習は継続が肝心ですが、このようなサポートがあれば、きっと続けられると確信しました。
ChatGPTを使ったリスキリングの課題
AIの限界と注意点
ChatGPTを利用する際、すべての内容が正確であるというわけではないことに注意が必要です。ChatGPTを通じて疑問が生じた場合は、Google検索や書籍などで確かな情報を確認すると良いでしょう。また、同僚と話題を共有し、情報交換することも有益です。
前提として、ChatGPTはインターネット上のデータを学習してはいますが、2021年9月以前のデータのみとされています。それ以降の新しい話題については正しく回答できないことも知っておくべきかと思います。
前提として、ChatGPTはインターネット上のデータを学習してはいますが、2021年9月以前のデータのみとされています。それ以降の新しい話題については正しく回答できないことも知っておくべきかと思います。
ユーザーの努力は不可欠
ChatGPTの回答が常に正しいわけではない、という視点を持ち、批判的な目線で内容をチェックする努力は惜しまないようにしましょう。自分が間違った知識を、知らず知らず獲得してしまっている可能性があることを常に意識し、間違いに気づいたり指摘されたりした場合は冷静に誠意をもって人と対話するように心がけてください。
批判的な目線でものごとを捉えることは、ChatGPT活用シーン以外のビジネス上のさまざな場面でも役立つでしょう。
批判的な目線でものごとを捉えることは、ChatGPT活用シーン以外のビジネス上のさまざな場面でも役立つでしょう。
人間のコーチとの協力も必要
ChatGPTはリスキリングの入り口として有益ですが、職務で必要な高いレベルのスキル習得には、引き続き人間(他の社員など)と連携してレベルアップすることが不可欠です。人間のコーチと協力し、より効果的なリスキリングを実現しましょう。
まとめ
ChatGPTをリスキリングのコーチとして活用するメリット
毎日手軽に、特定のテーマに沿った対話を通じたChatGPTの支援によるリスキリングは大変有益です。今回は「ChatGPTの活用方法」をテーマに、気分良く対話しながらストレスフリーで学習を続けることができました。
AIで知識を深めた後の学習こそ大事
ChatGPTによるリスキリングは基本的に知識の導入段階であり、本格的な学習はそこからがスタートと言えます。初めの一歩を踏み出したら、ぜひ本格的に学びを続けて欲しいと願っています。ChatGPTでは「ストレスのない学習」ができるという表現をしましたが、成長には「ストレス」がつきものです。言い換えれば、ストレスのない学習“だけ”を続けても成長はしないともいえます。これからが本番です。
今後はオリジナルの研修が対話形式で実現する可能性も
今回は「ChatGPTの利用方法」をテーマとしてChatGPTにコーチしてもらいましたが、リスキリングは一般教養やビジネススキルなど、幅広いテーマが対象となります。例えば、英語、歴史、IT知識、デジタルマーケティング、SEO、クレーム対応、店頭での接客など、さまざまな分野でChatGPTによるコーチを試すことができます。
今後は、独自のデータを組み込んで、企業独自の研修が対話形式で実施できるような事例も登場するかもしれません。数年以内には、社員1人ひとりに専属のAIコーチがつく時代が到来するかもしれませんね。
今後は、独自のデータを組み込んで、企業独自の研修が対話形式で実施できるような事例も登場するかもしれません。数年以内には、社員1人ひとりに専属のAIコーチがつく時代が到来するかもしれませんね。
カラクリ 小田志門
カラクリ代表取締役CEO
1980年京都府生まれ。2003年から、イー・ガーディアン(東証一部)の創業メンバー(取締役)として、SNS監視・コンタクトセンター事業の立ち上げに従事。2017年から「カスタマーサポートをエンパワーメントする」ためのAIソリューション「KARAKURI digital CS series」の開発・提供を開始。GMOメディアやGMOペイメントゲートウェイにもAIチャットボットを提供する。