今日からできる、「なんかいいな」と思わせる写真の撮り方

中野 亜希

Specialカルチャースマートフォンライフスタイル

やっておくとよいカメラの設定3つ

最近のカメラやスマホは優秀。ただシャッターを押すだけでも、十分にきれいな写真が撮れます。

しかし、それだけではやっぱり「いつも似たような写真になる」「撮りたいものは写っているけど、あまり美しく感じない」という問題は解消しないかも。撮りたい写真を撮ることをアシストしてくれる設定を行いましょう。

1. グリッド線を出す

必ずやってほしいのが、撮影をアシストする「グリッド線」を表示することです。

スマートフォンのカメラでグリッド線を表示。iPhoneなら「設定」→「カメラ」で「グリッド」をオンに、Androidなら「設定」→右下の「その他の設定」→「グリッドの種類」で設定できる(Google Pixelの場合)

先ほど「三分割構図」で触れた「写真の縦・横を三分割する」線を、画面上に表示する設定です。この線は三分割構図に限らず、構図を決めるのに役立つのはもちろんですが、写真の水平・垂直を確認することにも使えます。写真が曲がらずに水平・垂直が守られていることで、画面全体に安定感が生まれます。

スマートフォンの画面を真上・真下に向けたときに画面中央に出る十字の「真俯瞰(まふかん)マーク」と合わせて、チェックする習慣をつけましょう。

傾くことなく真俯瞰になっていると、十字がぴったり重なります

2. アスペクト比の設定

アスペクト比とは、画像の縦横比を意味します。一般に「3:2」「16:9」「4:3」などで表記されることが多く、これらの比率もカメラ側で調整することができます。

デジタルカメラでは「3:2」のアスペクト比が使われることが多く、「3:2」が標準と考えるとよいでしょう。

表現の1つとして撮影ごとにアスペクト比を変える人もいますし、撮影した写真の使い道によって変える人もいます。たとえば、インスタグラムに投稿することを主な目的として写真を撮影する場合、インスタグラムのフィード表示に合わせた縦横比を知っておくと、写真が大きく表示されます。

インスタグラムでは個人のホームに表示されるサムネイルは1:1の正方形の形、縦長の投稿には4:5の比率、横長の投稿には1.91:1の比率を使用します。

撮影後に写真をトリミングしてこの比率にすることも可能ですが、あらかじめ設定しておくと、「せっかくうまく撮れた写真をトリミングしたら構図が崩れてしまった」ということが起きにくくなります。

3. 露出を下げておく

被写体の一部に光が強く当たり、写真の一部が白く飛んでしまうと「白飛び」が起こります。

右の方の海が反射で白く飛んでしまっている

写真の持ち味として活かせる場合もありますが、光で飛んでしまった部分には色彩に関するデータがないため、後で色味を調整しても被写体の本来の質感を取り戻すことはできません。

「ISO感度を下げる」「撮影時にヒストグラムで白飛びが起きていないか確認する」といった方法もありますが、スマホやカメラによってはそれらの設定がない場合も。一番簡単に対処できるのが、あらかじめ「露出を下げておく」方法なのです。

露出を下げて撮影することで全体の空気感が捉えられる

露出とは、カメラのセンサーに取り込まれる光の量です。被写体に極端に明るい部分がある場合や、全体に強い光が当たっている場合は、写真にコントラストが付きすぎたり、全体が薄く写ることも。そうした「明るすぎる写真」は後から補正することができないため、あらかじめ露出を少し下げておくのです。暗く撮った写真もそれはそれで雰囲気が出ることもありますし、後でスマホでも簡単に修正できるので安心してください。撮った写真を見るだけでなく、明るさや色味を補正して、理想の仕上がりに近づけたいときにオススメの仕込みです。

光を意識する

光は写真の出来栄えを左右する大切な要素のひとつ。写真は「構図」だけでなく「光」によってもかなり出来栄えが変わってきます。被写体に当たる光の方向や強さによって、写真の雰囲気は大きく左右されるのです。

撮影者側から被写体の正面に当たる光を「順光」といいます。被写体をくっきりはっきり映せますが、正面から光が当たるので凹凸や奥行きは出にくくなります。

被写体の側面から当たる光は「サイド光」です。真横からの光をサイド光、斜め前からの光を斜光と区別して呼ぶ場合もあります。被写体の持つ凹凸に沿って陰影ができ、立体的な写真になります。

被写体の背後から当たる光は「逆光」です。斜め後ろから当たる光を半逆光と呼ぶ場合もあります。被写体の前面は暗くなりますが、被写体の輪郭は際立ちます。被写体自体が暗くなりすぎる場合は、フラッシュやレフ板などで明るさを調整しながら撮影します。人物ポートレートの場合は「逆光+フラッシュ」の組み合わせで、顔は明るく、髪には艶があるような仕上がりにできます。

撮影時の光源は基本的に自然光がよいです。おすすめは、日中に窓の近くで撮影すること。

日中の室内、窓の近くで撮影することで自然な色合いが出せる

色を正確に出したい化粧品なども、自然な色合いに写ります。このとき、室内の照明がついていると、「ミックス光」と呼ばれる状態になります。複数の光源に対してそれぞれ違うホワイトバランスの正解がある状態になり、描写の妨げになるので、室内の照明は消しましょう。

さらに窓からの距離や角度によって、光の当たり具合は微妙に変わります。自分が撮りたい写真のトーンが出せる位置を探して、アングルを変えながら撮ってみましょう。この試行錯誤も写真がうまくなるためのトレーニングになります。
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中野 亜希

ライター・コラムニスト
大学卒業後、ブログをきっかけにライターに。会社員として勤務する傍らブックレビューや美容コラム、各種ガジェットに関する記事執筆は2000本以上。趣味は読書、料理、美容、写真撮影など。
X:@752019

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