20世紀後半にコンピュータが登場して以降、インターネットやスマートフォンが当たり前になるにつれ、デジタルテクノロジーをテーマにしたカンファレンスやビジネス展示会が世界各地で開催されるようになりました。
1981年から台湾で開催されている「COMPUTEX TAIPEI(コンピュテックス・タイペイ、以下、COMPUTEX)」は、この数年PC系のITイベントから、世界から注目されるアジア最大級のイベントへと成長しています。
今年5月に開催されたCOMPUTEXでは、AIや半導体の最新動向が展示されました。本稿では、その中でも特に印象的だった展示内容を中心に紹介していきます。
1981年から台湾で開催されている「COMPUTEX TAIPEI(コンピュテックス・タイペイ、以下、COMPUTEX)」は、この数年PC系のITイベントから、世界から注目されるアジア最大級のイベントへと成長しています。
今年5月に開催されたCOMPUTEXでは、AIや半導体の最新動向が展示されました。本稿では、その中でも特に印象的だった展示内容を中心に紹介していきます。
“アキバ感”から一転、AIブームで急速に規模が拡大
台湾IT業界の展示会としてスタートしたCOMPUTEXは、コンピュータやデジタル機器を構成する半導体やメモリ、各種パーツや周辺機器などを製造するメーカーが数多く出展する、ハードウェア業界向けの展示会として知られています。会場には自作コンピュータやゲーミングマシンがずらりと並び、オーバークロック技術を競うイベントが開催され、まるで“アキバ”のような雰囲気が漂っていました。
その様子が大きく変化したのは数年前のこと。AI(人工知能)の飛躍的な成長とDX(デジタルトランスフォーメーション)の広がりにより、高性能半導体やHPC(ハイパフォーマンスコンピュータ)、ネットワークサーバーやインフラ関連といった台湾メーカーが得意とする技術を中心に、大手メーカーが巨大ブースを出展するようになりました。
今年は「AI Next」をテーマに、5月20〜23日までの4日間、IT産業が集まるビジネスエリアに位置する「台北南港展覧館」で開催されました。1号館と2号館をあわせた展示会場には1400社が4800のブースを出展し、152カ国からのべ8万7000人が参加しました。
会場は台湾デジタル業界の勢いをそのまま映し出すように、明るく華やかなブースであふれ、ASUS、Acer、GIGABYTE、MSIといった、日本でもおなじみのコンピュータ企業のブースがずらりと並んでいます。
今年は例年より2週間ほど早い開催だったためか、パソコンやタブレット、スマートフォン、ウェアラブルコンピュータといったデジタルデバイス関連の新製品発表はやや控えめでしたが、それでも来場者の関心は高く、会場は歩くのも困難なほどの混雑ぶりでした。
その様子が大きく変化したのは数年前のこと。AI(人工知能)の飛躍的な成長とDX(デジタルトランスフォーメーション)の広がりにより、高性能半導体やHPC(ハイパフォーマンスコンピュータ)、ネットワークサーバーやインフラ関連といった台湾メーカーが得意とする技術を中心に、大手メーカーが巨大ブースを出展するようになりました。
今年は「AI Next」をテーマに、5月20〜23日までの4日間、IT産業が集まるビジネスエリアに位置する「台北南港展覧館」で開催されました。1号館と2号館をあわせた展示会場には1400社が4800のブースを出展し、152カ国からのべ8万7000人が参加しました。
会場は台湾デジタル業界の勢いをそのまま映し出すように、明るく華やかなブースであふれ、ASUS、Acer、GIGABYTE、MSIといった、日本でもおなじみのコンピュータ企業のブースがずらりと並んでいます。
今年は例年より2週間ほど早い開催だったためか、パソコンやタブレット、スマートフォン、ウェアラブルコンピュータといったデジタルデバイス関連の新製品発表はやや控えめでしたが、それでも来場者の関心は高く、会場は歩くのも困難なほどの混雑ぶりでした。

展示は台北南港展覧館の1号館と2号館で各2フロア計4フロアあり、初日は歩けないほど来場者が押し寄せていた

日本でもおなじみの大手パソコンメーカーの華やかなブースがずらりと並ぶ
世界を代表する半導体大手のトップが基調講演に登壇
展示会と並んで世界から注目を集めているのが、半導体大手メーカーのトップが登壇する基調講演です。
今年は、AppleやMicrosoftを抜いて世界時価総額1位となったNVIDIA(エヌビディア)のCEOジェンスン・フアン氏、パソコンからクルマ向けまで幅広く高機能チップを展開するQualcomm(クアルコム)の CEOクリスティアーノ・アモン氏、そしてiPhoneの製造で知られる台湾を代表する製造メーカーFoxconn(フォックスコン)ことホンハイ(鴻海精密工業)のCEO・劉揚偉氏が登壇。FoxconnがCOMPUTEXにブースを出展したのは今回が初めてで、それも大きな話題となっていました。
今年は、AppleやMicrosoftを抜いて世界時価総額1位となったNVIDIA(エヌビディア)のCEOジェンスン・フアン氏、パソコンからクルマ向けまで幅広く高機能チップを展開するQualcomm(クアルコム)の CEOクリスティアーノ・アモン氏、そしてiPhoneの製造で知られる台湾を代表する製造メーカーFoxconn(フォックスコン)ことホンハイ(鴻海精密工業)のCEO・劉揚偉氏が登壇。FoxconnがCOMPUTEXにブースを出展したのは今回が初めてで、それも大きな話題となっていました。

基調講演には世界から数多くのメディアが詰めかけた
どのセッションでも共通して取り上げられていたのがAIの話題です。生成AIをはじめ、AIエージェントやヒューマノイドロボットなど、これからの社会を支える最先端技術が紹介され、次世代半導体のアイデアなども発表されました。
中でも特に話題になったのがNVIDIAのフアン氏による基調講演です。
中でも特に話題になったのがNVIDIAのフアン氏による基調講演です。

野々下 裕子(NOISIA)
テックジャーナリスト
神戸を拠点に国内外のテック系イベントやカンファレンスの取材、インタビュー、リサーチなどを幅広く行う。オンラインメディアを中心に執筆多数。