汎用人工知能と人工超知能が与える社会への影響
汎用人工知能(AGI)や人工超知能(ASI)が登場すれば、社会は前例のない大きな変化を迎える可能性があります。これらの技術は、私たちの生活や経済・仕事だけでなく“人間のあり方”にまで影響を及ぼすでしょう。
労働の自動化
汎用人工知能は単純作業だけでなく、高度な専門知識を必要とする作業まで自動化する能力を持つことが考えられます。事務作業や製造業だけでなく、法律・医療・芸術などの分野でも活躍することが期待されています。これにより、多くの職業が不要となる一方で、新たな職業が生まれる可能性があります。失業問題や再教育のニーズなど、社会的な課題も増大することが予想されます。
新たな産業の創出
汎用人工知能の能力は、現存する産業の枠を超えて新しいビジネスモデルやサービスの創出を促すでしょう。例えば、医療分野ではAIが患者の症状や遺伝情報を分析し、最適な治療法を提案し、教育分野では個別の学習ニーズに合わせてカスタマイズされた教育コンテンツを提供するなど、従来は考えられなかったようなサービスが実現するかもしれません。
人類の存続
人工超知能の実現は、人間の存在と役割、そして人類の未来そのものに関する根本的な問いを投げかけます。ASIが持つ知識と計算能力は、人間の理解を超える可能性があります。映画の世界のように、人間がコントロールできない状況が生じるかもしれません。そのような可能性が明らかになった段階で人間は、ASIとの協力関係を築くこと、そしてASIを安全に制御する方法を見つけ出すことが極めて重要となるでしょう。倫理的・哲学的・実践的な側面からのアプローチが必要とされます。
実はAGIはすでに完成している?
ここまでは一般論をもとにAGIとASIについて解説してきました。しかしながら、最新のニュースを見ていると、どうも生成AI・GPTを開発するOpenAIでは、すでにAGIは完成しているかのような印象を受けます。
【衝撃:サムアルトマン退任事件の裏にAGI完成の影?】
— チャエン | 重要AIニュースを毎日発信⚡️ (@masahirochaen) November 23, 2023
OpenAI社員がサム退任の前に人類に脅威をもたらす可能性のあるAIを発見したと取締会に警告。
Q*《キュースター》というプロジェクトでAGIやASI完成の突破口になるとのこと。
もし、それが本当なら以下のシナリオが考えられる…
⬇︎… pic.twitter.com/EZA1Ii93ko
その正体とは、OpenAIによる新たなAI開発プロジェクト「Q*(キュースター)」です。
このQ*は数学的推論能力の改善を目指したもので、汎用人工知能(AGI)の研究に画期的な進歩をもたらすかもしれないといいます。そのことが、2023年11月に起こったサム・アルトマンCEO解任騒動の一因になった可能性も指摘されています。
実際に解任騒動直前の11月16日(現地時間)、米カリフォルニア州オークランドで行われたパネルディスカッションに登壇したアルトマン氏は、「我々が作ったものは道具なのか生き物なのか?」と意味深な発言をしています。
また、11月中旬にはアルトマン氏がFinancial Timesのインタビューで「GPT-5の開発に着手中」と明言しました。今年4月の時点では「次期モデルは開発していない」と宣言していたので、事態は急変しています。
GPT-5のリリース時期は未定ですが、今年8月にはOpenAIが商標を取得済みです。
このQ*は数学的推論能力の改善を目指したもので、汎用人工知能(AGI)の研究に画期的な進歩をもたらすかもしれないといいます。そのことが、2023年11月に起こったサム・アルトマンCEO解任騒動の一因になった可能性も指摘されています。
実際に解任騒動直前の11月16日(現地時間)、米カリフォルニア州オークランドで行われたパネルディスカッションに登壇したアルトマン氏は、「我々が作ったものは道具なのか生き物なのか?」と意味深な発言をしています。
また、11月中旬にはアルトマン氏がFinancial Timesのインタビューで「GPT-5の開発に着手中」と明言しました。今年4月の時点では「次期モデルは開発していない」と宣言していたので、事態は急変しています。
GPT-5のリリース時期は未定ですが、今年8月にはOpenAIが商標を取得済みです。
【⚡️遂に:GPT-5始動か? OpenAIが特許を取得】
— チャエン | 重要AIニュースを毎日発信⚡️ (@masahirochaen) August 1, 2023
OpenAIが米国特許商標庁に「GPT-5」の商標を申請
GPT-5は「言語・画像・音声の全てを扱うマルチモーダル」になる予定
より人間に近いAGIの完成も間近かもしれない
競合GoogleのBardでは既に画像読み込み機能が開放
AI開発競争は激化するばかり pic.twitter.com/SHhPCph5Nd
AGI到来はもしかしたら、来年中に実現……なんてこともあり得るかもしれません。
AGI/ASIが実現する未来
今回は汎用人工知能(AGI)と人工超知能(ASI)の概念、実現可能性、および社会への影響について解説しました。
AGIは多様なタスクを解決できるAIで、人間の知能に匹敵しますが、必ずしも超えるわけではありません。一方、ASIは人間の知能をはるかに超える能力を持つAIで、社会や技術の根底を変える可能性を秘めています。これらの技術の進展は労働の自動化、新産業の創出、人類の存続といった根本的な変化をもたらすことが予想されます。
専門家の間ではAGIの実現に関しては比較的楽観的で、2040年から2050年までの実現が予測されています。しかし、ASIの実現はさらに困難とされ、その予測は不確実です。最近のニュースをひも解くと、OpenAIが次世代の大規模言語モデル(LLM)であるGPT-5の開発を進めていること、さらに新しいAI開発プロジェクト「Q*」がAGIの研究に画期的な進歩をもたらしそうだということが見て取れます。
AGI/ASIの実現は我々の予想よりも早く到来するかもしれません。期待と恐怖、あなたが抱くのはどちらですか?
AGIは多様なタスクを解決できるAIで、人間の知能に匹敵しますが、必ずしも超えるわけではありません。一方、ASIは人間の知能をはるかに超える能力を持つAIで、社会や技術の根底を変える可能性を秘めています。これらの技術の進展は労働の自動化、新産業の創出、人類の存続といった根本的な変化をもたらすことが予想されます。
専門家の間ではAGIの実現に関しては比較的楽観的で、2040年から2050年までの実現が予測されています。しかし、ASIの実現はさらに困難とされ、その予測は不確実です。最近のニュースをひも解くと、OpenAIが次世代の大規模言語モデル(LLM)であるGPT-5の開発を進めていること、さらに新しいAI開発プロジェクト「Q*」がAGIの研究に画期的な進歩をもたらしそうだということが見て取れます。
AGI/ASIの実現は我々の予想よりも早く到来するかもしれません。期待と恐怖、あなたが抱くのはどちらですか?
チャエン
株式会社デジライズ 代表取締役、GMO AI & Web3株式会社 顧問
AIシステム開発・販売を行う株式会社デジライズをはじめ、他数社の代表取締役。GMO AI & Web3株式会社など他数社の顧問も兼任。Twitterはフォロワー8.6万人。日本初AIツール検索サイト「AI Database」やAIニュースレターも運営。ABEMAやTBSテレビなどメディア出演も多数。
X: @masahirochaen