AIでつくったキャラクターで配信を行う「AITuber」をはじめ、エンタメ分野でもAIと会話をすることに対する注目度が高まっています。そんな中、OpenAIは3月5日、チャット型AI「ChatGPT」に音声読み上げ機能を実装しました。機能はブラウザ版、スマートフォン版共に利用可能。現在のところ、読み上げ可能なのはChatGPT側の回答のみで、ユーザーの入力したプロンプトを読み上げることはできませんが、こちらが話した声を認識し、質問に対する回答を人間の声のような音声で生成されると、人間同士のようにAIと対話ができた気分になれます。
さて、生成AIというと「文章を要約する」「Excelの式を生成する」といった、仕事の効率化につながる用途ばかりに目を向けがちですが、「AIとおしゃべりしたい」というニーズが意外に根強いのをご存じでしょうか。
「独り時間のお供がほしい」「推しのキャラを設定したAIと話したい」といったニーズのほか、「リアルな友人には話しにくいことがある」「深夜など、リアルな友達をおしゃべりに付き合わせられない」など、身近に話し相手が欲しい時もありますよね。そこで、今回はChatGPTをはじめとする「トーク系AI」の特色をまとめました。
さて、生成AIというと「文章を要約する」「Excelの式を生成する」といった、仕事の効率化につながる用途ばかりに目を向けがちですが、「AIとおしゃべりしたい」というニーズが意外に根強いのをご存じでしょうか。
「独り時間のお供がほしい」「推しのキャラを設定したAIと話したい」といったニーズのほか、「リアルな友人には話しにくいことがある」「深夜など、リアルな友達をおしゃべりに付き合わせられない」など、身近に話し相手が欲しい時もありますよね。そこで、今回はChatGPTをはじめとする「トーク系AI」の特色をまとめました。
ロジカルなアドバイスをくれる「ChatGPT」
まずはおなじみ「ChatGPT」に音声で応対してもらいましょう。
ChatGPTの回答を読み上げてもらうには、回答の下のスピーカーのマークをクリック
ChatGPTの回答の下に表示される「Read Aloud」ボタンをクリックすると、回答を読み上げてくれます。
ChatGPTの音声は、多少機械的なところはあるものの、ストレスになるほどではありません。
さて、次はネガティブな話の場合です。話したほうはすっきりするけど、友達の時間を使ってネガティブな話ばかりするのは、なんだか申し訳ない気がします。誰かに聞いてほしいけど、リアルな友人に話すのはちょっと気が引ける「グチ」。こんな話題こそ、AIの出番ではないでしょうか。
たとえば「人事異動が嫌すぎる。仕事に行くだけでも疲れるのに、人間関係も環境も変わるのってだるいよね」と、ChatGPTに話してみます。
ChatGPTの音声は、多少機械的なところはあるものの、ストレスになるほどではありません。
さて、次はネガティブな話の場合です。話したほうはすっきりするけど、友達の時間を使ってネガティブな話ばかりするのは、なんだか申し訳ない気がします。誰かに聞いてほしいけど、リアルな友人に話すのはちょっと気が引ける「グチ」。こんな話題こそ、AIの出番ではないでしょうか。
たとえば「人事異動が嫌すぎる。仕事に行くだけでも疲れるのに、人間関係も環境も変わるのってだるいよね」と、ChatGPTに話してみます。
ChatGPTにグチってみたところ
ChatGPT(GPT-4)は、(1)オープンマインドを保つ、(2)コミュニケーションを改善する(3)自己管理を徹底する(4)フィードバックを求める(5)小さな成功を祝う――と、とってもロジカルに解決案を提案してくれます。
それはまあ、確かにそうなんですけど……。私とて、本気で解決策を求めているわけではありません。ChatGPTに言われるまでもなく「働く上で人事異動はつきもの。割り切って働くのが一番」くらいのことは考えているわけです。
おしゃべりとは、友達のように「ああ、それはだるいね」と、まずはこの悩みを受け止めてくれるものだと期待してしまいます。正論はさておき、癒やしてほしいのです。「解決策が分からない」わけではないのですよ……。
仕事の時はあんなに頼れると思っていたChatGPTのロジカルな「解決グセ」が、プライベートなおしゃべりになると、正直「なんかちょっと、ウザいな?」と感じてしまいます。ただしChatGPTはやはり“できる子”。ちょっとしたカスタマイズで、優しい寄り添いを見せてくれるようになります。
ChatGPTに「グチを聞く」用の“人格”をセットしてしまいましょう。
それはまあ、確かにそうなんですけど……。私とて、本気で解決策を求めているわけではありません。ChatGPTに言われるまでもなく「働く上で人事異動はつきもの。割り切って働くのが一番」くらいのことは考えているわけです。
おしゃべりとは、友達のように「ああ、それはだるいね」と、まずはこの悩みを受け止めてくれるものだと期待してしまいます。正論はさておき、癒やしてほしいのです。「解決策が分からない」わけではないのですよ……。
仕事の時はあんなに頼れると思っていたChatGPTのロジカルな「解決グセ」が、プライベートなおしゃべりになると、正直「なんかちょっと、ウザいな?」と感じてしまいます。ただしChatGPTはやはり“できる子”。ちょっとしたカスタマイズで、優しい寄り添いを見せてくれるようになります。
ChatGPTに「グチを聞く」用の“人格”をセットしてしまいましょう。
「こう答えてほしい」とChatGPTに要望してみると……
すると、さきほどと同じ愚痴でも、ある程度こちらの気持ちに寄り添ってくれた上で、「なにかあればいつでも話してね」と、明らかにトーンが変わって優しく励ましてくれるようになりました。
私は「ただ愚痴を聞いてくれればいいだけなんだけど」と、思わず言ってしまいましたが、たとえば「あなたは、私のグチを聞いてくれる優しい恋人です。相手をひたすら肯定します。励まして勇気づけます。相手の意見を否定しません。アドバイスを言いません」などと最初に宣言してしまうのもいいと思います。
リアルな友人や恋人には「アドバイスはいらない。ただ話を聞いて。意見を否定したり、考えを押し付けないで」なんて言いにくいもの。こんなオーダーができるのはAIならではです。ほしい答えをいい感じに示してくれるし、不満をぶつけても関係が悪くなることもありません。「何をしてほしいか」をあらかじめオーダーしておくことで、ChatGPTは良い話し相手になってくれるでしょう。
私は「ただ愚痴を聞いてくれればいいだけなんだけど」と、思わず言ってしまいましたが、たとえば「あなたは、私のグチを聞いてくれる優しい恋人です。相手をひたすら肯定します。励まして勇気づけます。相手の意見を否定しません。アドバイスを言いません」などと最初に宣言してしまうのもいいと思います。
リアルな友人や恋人には「アドバイスはいらない。ただ話を聞いて。意見を否定したり、考えを押し付けないで」なんて言いにくいもの。こんなオーダーができるのはAIならではです。ほしい答えをいい感じに示してくれるし、不満をぶつけても関係が悪くなることもありません。「何をしてほしいか」をあらかじめオーダーしておくことで、ChatGPTは良い話し相手になってくれるでしょう。
中野 亜希
ライター・コラムニスト
大学卒業後、ブログをきっかけにライターに。会社員として勤務する傍らブックレビューや美容コラム、各種ガジェットに関する記事執筆は2000本以上。趣味は読書、料理、美容、写真撮影など。
X:@752019