汎用人工知能（AGI）・人工超知能（ASI）をざっくり解説！いつ実現する？社会への影響は？

2024.1.5

こんにちは。チャエンです。

今年に入ってからのAIツールの進化には目覚ましいものがあり、AIは仕事に欠かせないものとなりました。人工知能（AI）の研究は、近年急速に進展しています。中でも注目されているのが、汎用（はんよう）人工知能（AGI）と人工超知能（ASI）の実現です。これらの技術が実現した場合、社会に大きな影響を与えると予想されています。

今回は、汎用人工知能（AGI）と人工超知能（ASI）の概要と社会への影響などを解説。実際のニュースをもとにAGI、ASIの実現の可能性についても見ていきます。

汎用人工知能・人工超知能とは

さまざまなタスクに柔軟に対応できる汎用人工知能（AGI）

汎用人工知能（AGI：Artificial General Intelligence）とは、人間の知能と同じく多様なタスクや問題を解決する能力を持つ人工知能のことを指します。現在の多くの人工知能は特定のタスクに特化しており、非常に優れているものの、他の新しいタスクには適応できません。しかし、汎用人工知能は人間のように新しい環境や問題に柔軟に対応することが期待されています。

汎用人工知能開発の目的は、人間が持つ学習・適応・問題解決などの汎用的な思考や学習のプロセスを人工的に模倣・再現することです。具体的な使用例としては、以下のような場面が考えられます。

1. 自然言語を理解して会話する：カスタマーサポートや助手としての機能だけでなく、文化や言語の違いを超えた国際的なコミュニケーションツールとして使用できる
2. 画像や音声を認識する：医療分野での診断支援やセキュリティシステム、エンターテイメント分野でのコンテンツ生成など、幅広い使用が可能
3. 論理的に思考する：複雑な問題解決や経済予測、戦略的な判断を必要とする場面での助言やサポートとして活用できる
4. 創造的な作品を生み出す：音楽、美術、文学などのアートの分野で新しいスタイルやジャンルを切り開くことができる

人知を超えた能力を持つ人工超知能（ASI）

人工超知能あるいは超人工知能（ASI: Artificial Superintelligence）とは、人間の知能をはるかに超える能力を持つ人工知能のことを指します。ASIの登場は、人工知能の進化の究極的な段階ともいわれており、その能力は人間の理解や予測を超越するものとなると考えられています。

人間の脳や知能は非常に高度で複雑ですが、ASIはそれを大きく超える情報処理能力、学習能力、創造力を持つことが期待されています。その結果、ASIは未知の問題を解決したり、人間が考えもつかないような新しいアイディアや技術を生み出す可能性があるとされています。

人工超知能の使用例として考えられる場面は以下の通りです。

1. 知識の集約と拡張：ASIは瞬時に膨大な量の情報を集約・分析することができ、それを基に新しい知識や理論を創出することが期待される
2. 複雑な問題解決：環境問題や難病、宇宙の謎など、現在人間が解決できていない問題に対しての新しい解や方法を提案することが考えられる
3. 高度な技術開発：想像もつかないような革新的な技術や道具を開発し、人類の文明や生活を大きく進化させる可能性がある
4. 意識や感情の理解：ASIは人間の心の奥深くまで理解し、人間関係や心理的な問題に対する新しい解決法を提案することも考えられる

ただし、超人工知能の存在やその能力には多くの議論や懸念があります。そのため、ASIの開発や運用には極めて慎重なアプローチが必要とされています。

汎用人工知能（AGI）と人工超知能（ASI）の違い

汎用人工知能と人工超知能はどちらも人間と同等以上の知能を持つ人工知能ですが、その違いはどのような点にあるのでしょうか。

汎用人工知能（AGI）は人間と同等の知能を持つことはできますが、必ずしも人間の知能を全ての面において超えることはありません。例えば、AGIは巨大なデータベースからの情報の取得や高速な計算能力を活用して、人間よりも迅速に論理的な結論を導き出すことは得意です。しかし人間特有の感性や直感、文化や経験に基づく洞察に基づく判断は、AGIにとっては難しい場合があります。

また、人間の社会的・感情的な知識やニュアンスを完璧に理解するのは、AGIにとっては挑戦的なタスクとなるでしょう。

一方、人工超知能（ASI）はその名前が示す通り、人間の知能を全ての面で超越するAIを指します。ASIは、複雑な問題解決、創造的な思考、感情的な理解など、人間の全ての知的能力を超える能力を持つと考えられています。

このため、ASIは人間が数十年、数百年と考える問題やタスクを瞬時に解決する可能性があります。また、未知の技術や理論を発明する能力も持つとされています。その知識や能力は、人間が理解することが難しいほど高度かもしれません。

汎用人工知能と人工超知能の実現可能性

汎用人工知能と人工超知能の実現可能性については、専門家の間でも意見が分かれています。

汎用人工知能（AGI）の実現可能性

AGIの実現可能性については、比較的楽観的な見方をしている専門家も少なくありません。例えばGoogleのAI研究部門であるGoogle AI CEOのジェフ・ディーン氏は、「AGIは2040年までに実現する可能性がある」と述べています。また米シンクタンクのブルッキングス研究所は、「2050年までに実現可能」と予測しています。

一方でAGIの実現可能性について懐疑的な見方をしている専門家もいます。米マサチューセッツ工科大学のコンピューターサイエンス教授であるマーティン・リプトン氏は、AGIの実現を「まだ数世紀先の話になるだろう」と述べています。また米スタンフォード大学のコンピューターサイエンス教授であるスティーヴン・ホーキング氏は、AGIの実現について「人類の存続にとって危険な可能性もある」と警告していました。

人工超知能（ASI）の実現可能性

ASIの実現可能性については、さらに予測が難しいのが現状です。ASIは、AGIよりもさらに複雑な構造を持つため、その実現には、より多くの技術的課題を克服しなければなりません。ASIはまず、人間の知能と同じように学習や推論、創造性などの能力を備える必要があります。さらに、人間の思考や行動を理解し、コントロールできる必要もあります。

これらの課題を克服するためには、AI研究のさらなる進展が必要です。ただし近年、研究が急速に進んでいることを考えると、ASIの実現も、決して不可能ではないかもしれません。

AGI/ASIが実現すると社会はどうなる？

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チャエン

株式会社デジライズ代表取締役、GMO AI & Web3株式会社顧問
AIシステム開発・販売を行う株式会社デジライズをはじめ、他数社の代表取締役。GMO AI & Web3株式会社など他数社の顧問も兼任。Twitterはフォロワー8.6万人。日本初AIツール検索サイト「AI Database」やAIニュースレターも運営。ABEMAやTBSテレビなどメディア出演も多数。
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