2022年上半期、ハンドメイド業界のトレンドワードは？「お出かけ」「ウェディング」「オタ活」など、minneが発表

2022.7.28

GMOインターネットグループのGMOペパボが運営するハンドメイドマーケット「minne byGMOペパボ」は、検索数の増えたワードや特に購入が増えたカテゴリーなど、2022年上半期におけるminne のトレンドを発表しました。

2022年上半期のminne内の検索ワードを2021年上半期と比較し、検索数が増加した特徴的なワードを抽出しビジュアル化したもの

“アフターコロナ”のムードが反映された2022年上半期のトレンドワード

2022年上半期は、作品を制作する過程の動画をきっかけに注目が集まっている「ハートシェイカー（レジンなどを使って作られた、中央の透明部分にビーズやパールが入った韓国発祥のキーホルダー）」や「テスクチャーアート（凹凸や質感を楽しむアート）」といったSNS上でのトレンドが検索ワードに反映されています。

また、「スマホショルダー」や「ネイルチップ韓国」、2022年春夏のトレンドである、かぎ針編みに関連した「グラニースクエア（四角いモチーフのかぎ針編み）」「クロシェ（かぎ針編みのこと）」などファッション関連のワードのほか、「おりたたみテーブル」などのアウトドア関連ワードの検索が大きく伸びました。2020年から続いた外出自粛ムードから一転し、2022年は外出する人が増え、外出を楽しむためのアイテムを買い求める人が増えているのでしょう。

外出同様、コロナ禍前の日常が戻ってきたことに関連するワードとして「結婚式両親プレゼント」「婚姻届」といった結婚式関連のアイテムの検索も増えており、コロナ禍で中止や延期が相次いでいた結婚式を行う方が増えつつある傾向が見えます。

さらに、「推し活」や「トレカ（トレーディングカード）ケース」などオタ活関連の作品も人気が高まっています。minneには色や文字入れなどのオーダーを受け付けている作家・ブランドも多く、推し（好きなアイドルやキャラクター）のカラーやイニシャルが入ったアイテムが欲しいという、推し活やオタ活を行っている人との相性が良いと考えられます。

そのほか、「勉強子ども」というワードも検索が増えています。子ども部屋のサイズや好みに合わせてオーダーできる勉強机や、日常に溶け込むような洗練されたデザインのオリジナリティにあふれた知育玩具などの人気が高いようです。

外出機会の増加でファッションやファッション小物の需要が増加

minneでは、登録されている作品を19件の大カテゴリーと295件の小カテゴリーに分類しています（2022年6月末時点）。

2020年12月末から2022年6月末まで存在している小カテゴリーで、2021年と2022年の上半期の注文金額を比較してみました。

2021年の上半期と比較して注文金額が最も伸びたカテゴリーは「版画・彫刻」で、注文金額が前年比約2.2倍にアップしました。「版画・彫刻」にはアート作品のほか、式場や自宅に飾れる結婚証明書、ウェルカムボードなどが多く登録されており、結婚式を行う人が増えてきたことが要因の1つと考えられます。

2位以下を見ると、2位に子ども用の「着物・浴衣・甚平（約1.87倍）」、3位に手作りキットカテゴリー内の「ファッション（約1.76倍）」と続きます。また、10位以内にランクインしたカテゴリーのうち、5カテゴリーがファッション関連でした。

若年層を中心としたネイルチップ人気の高まりが加速

急上昇カテゴリーで9位にランクインしている「ネイルチップ」は、「ネイルチップ韓国」「マグネットネイル（鉄紛を含むネイルポリッシュを使い、マグネットで模様を描くネイル）」「ワンホンネイル（中国のインフルエンサー発祥のネイルデザイン）」など、2022年上半期トレンドワードでも関連キーワードが多く見られます。minneでの「ネイルチップ」の検索数はこの5年間上昇し続けており、2022年上半期と2017年上半期を比較すると約3倍に増加しています。

「ネイルチップ」は、ファッションやTPOに合わせて気軽にネイルのデザインを変更できる点が支持され、この数年で人気が高まっています。minneでは9万点近いデザイン豊富なネイルチップが販売され、気軽にオーダーもできることから、若い世代を中心に注目を集めています。

ハンドメイドは見せる時代!?　動画を活用する10代の作家・ブランド

minneでは近年、10代の作家・ブランドの登録が伸びており、2022年上半期の登録数は前年同期比約2.28倍に増加しています。また10代は、購入者も約1.7倍に増えています。

minne byGMOペパボのWebサイト

最近では、10代の人気も高いTikTokやInstagramなどのSNSで、動画やライブ配信などを活用し、作品制作の過程や作品梱包の様子を公開する作家・ブランドが増えており、ハンドメイドの楽しさや作品の魅力がこれまで以上に伝わりやすくなっています。また、「ハートシェイカー」やオタ活グッズといった、自分好みにカスタマイズしたいアイテムが流行していることも10代がハンドメイドにチャレンジするきっかけになっていると考えられます。

minneは、全国83万を超える作家・ブランドによる、1500万点以上のアクセサリーや家具・生活雑貨・食品、ものづくりの素材・道具、手作りキットのほか、アンティーク・ヴィンテージアイテムまで290を超えるカテゴリーのハンドメイド作品が展示・販売されています。

素材や道具などを手に入れてハンドメイドにチャレンジしてもいいですし、世界に一点しかないハンドメイド作品を購入するのもいいでしょう。アクセサリーや生活雑貨のトレンドに興味がある方は、一度訪れてはいかがでしょうか。

安蔵靖志

Techジャーナリスト／家電エバンジェリスト
家電製品協会認定　家電製品総合アドバイザー（プラチナグレード）、スマートマスター。AllAbout デジタル・家電ガイド。ビジネス・IT系出版社を経てフリーに。デジタル家電や生活家電に関連する記事を執筆するほか、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。KBCラジオ「キャイ～ンの家電ソムリエ」にレギュラー出演するほか、ラジオ番組の家電製品紹介コーナーの商品リサーチ・構成にも携わっている。