地元民が教える「絶対に教えたい」北海道の春の絶景3選

2023.4.26

まるで絵本のような「花畑」に現れる「エゾリス」の愛らしい姿

エゾエンゴサクの花畑にエゾリスが現れる絶景スポット

エゾエンゴサクの花畑のなかに現れたエゾリスを撮影した1枚。本当に絵本のなかの風景を見ているようで楽しくなります（写真提供：内藤賢）

北海道旅行で出会ってみたい野生動物ランキングをとったら、必ず上位にランクインするであろう動物がエゾリスでしょう。まあ、かわいい。基本的に北海道全土で見られ、大都市圏である札幌や筆者の家の近所のような住宅地でも、よく見る出会いやすい野生動物です。

しかし、クルマでドライブ中に出会うとだいたいアスファルトの道路を横断中であったり、街灯や電柱、住宅などの人工物に張り付いているところだったりと、かなり現実的なビジュアルになってしまうのです。できれば、森のお花畑のような場所で出会いたい、筆者の場合はそんな絵本の中の風景と見まがうような背景で写真が撮りたいわけです。

こんな夢のような希望を比較的簡単に叶えてくれるのが「浦臼町」にある「浦臼神社」。「浦臼神社」はカタクリやエゾエンゴサクの群生地として有名で、ここにエゾリスが現れるのです。例年4月下旬から5月上旬に高さが20cm前後のカタクリやエゾエンゴサクの花が咲いた中にエゾリスが現れると、ちょうど掲載した写真のようなサイズ感になります。絵本の「ぐりとぐら」がお花畑で遊んでいるような光景を比較的簡単に撮影することができます。新千歳空港からクルマで約2時間とさほど遠くないのもうれしいところです。

この記事のトップの画像も、もちろんここで撮影したもの。使用レンズは「SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports」で、望遠端でクロップして900mm相当で撮影しました。なかなか場所に現れてくれないのも、何度も通ってしまう理由のひとつです。

天気が恵まれなければ「坂本龍馬家の墓」を訪ねてみるのもあり

北海道浦臼町にある坂本龍馬家の墓。ちなみに隣は武市安哉氏の墓です。土佐勤王党を結成した武市半平太や坂本龍馬とは親戚になるといいます

道民である筆者にとっても、あまりメジャーな観光地といった印象のない「浦臼神社」ですが、実は隣が道の駅「つるぬま」です。また、向かいには「浦臼温泉」と「鶴沼公園」。「鶴沼公園」のなかには「鶴沼公園キャンプ場」があり、駐車場や宿泊施設、トイレ、お風呂、食事などを心配する必要はありません。ただし、深夜営業している施設は少ないので注意が必要です。「浦臼温泉」の日帰り入浴は450円と銭湯並みのお値段で温泉が楽しめます。

そして「浦臼町」の観光地で筆者が気になったのが「坂本龍馬家の墓」です。なぜ北海道に土佐の「坂本龍馬家の墓」が……というわけですが、「浦臼町」のWEBサイトによると「坂本龍馬の養子高松太郎が没した後、妻の留とその息子が浦臼にすでに入植していた坂本直寛を頼りに移住し、没するまで町内で駄菓子屋を経営して生計を立てながら、浦臼町の発展に尽力しました」という説明がありました。ここまではっきりしていると「そうですか」としか言えませんが、筆者はエゾリス撮影の合間に、この「坂本龍馬家の墓」にも行ってきました。「浦臼神社」からクルマで約8分と至近です。

エゾリスをねらうなら空港のある千歳市「青葉公園」もおすすめ

住んでいる場所や個体にもよりますが、エゾリスにはかなり人懐っこい子もいます。ゆっくりと散歩をしながら探してみてください

「浦臼神社」の花のシーズンは終わっているし、エゾリスのためだけにどこかに行くほどではないが、エゾリスを見たいと言う方もいるでしょう。であれば、新千歳空港からクルマで約10分の千歳市内にある「青葉公園」をおすすめします。

掲載した写真のように、筆者はほぼ季節に関係なく、「エゾリスを撮影したい」と思ったら「青葉公園」に行きます。多くの市民がランニングやウオーキングなどを楽しむ憩いの場となっていますが、このウオーキングなどのコースで頻繁にエゾリスと遭遇するのです。筆者は実際に毎日のようにランニングをしていた時期があるのですが、ほぼ毎回エゾリスに出会っていました。新千歳空港から簡単にエゾリスに会いに行きたいなら、千歳市の「青葉公園」はとても便利なスポットです。

ぜひ一度訪れてみてください。ちなみに「青葉公園」はクマゲラやカワセミなども目撃されるバードウオッチングにも最適な公園です。

春の北海道を楽しむポイント：高倍率の超望遠ズームレンズが超便利

2倍のテレコンバーターやクロップ撮影などを併用すると最高で1800mm相当の超望遠撮影までを可能にする「SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS | Sports」

知り合いの有名なネイチャー系カメラマンが「北海道では70-200mmが標準レンズ！」なんてことをいっていたくらい北海道では望遠レンズをよく使います（70-200mm望遠ズームレンズの有名なカテゴリー）。

広い風景を撮影するから、広い範囲が撮影できる広角レンズと思う人も多いでしょう。しかし、北海道は逆に広すぎて風景のなかの主役をはっきりさせるために、超望遠よりも標準よりも望遠よりが使いやすいことが多いのです。

そして、最近の筆者のお気に入りが「SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS | Sports」。標準域の60mmから超望遠の600mmまでを1本でカバーしてくれるうえに高画質で高性能なのです。超望遠までカバーするので、少し重いのですが北海道では移動の基本はクルマですし、突然野生動物に出会っても600mm超望遠で捉えることができるので本当に便利です。北海道を撮影するならぜひ一度使ってみてほしいレンズといえます。

■浦臼神社へのアクセス

新千歳空港からはざっくり100kmと道民的には、空港からも、札幌からも近い（？）浦臼神社。高速道路を利用すると約1時間半。一般道なら約1時間50分で到着します。大きな差ではないので、ルートの選択は好みでしょう。

また、浦臼神社へのアクセスをGoogleマップなどで検索するなら、隣接する道の駅「つるぬま」か「浦臼　いこいの森公園」がおすすめ。こちらの方が駐車場の近くに誘導してもらえるはずです。また坂本龍馬家の墓はダイレクトに「坂本龍馬家の墓」で検索するとすぐにヒットしました。また千歳市青葉公園は「千歳市立図書館」のほうが分かりやすいと思います。

春の北海道は絶景ドライブが気持ちいい！

オープンカーをレンタルするのも、春の北海道にはおすすめ

新千歳空港に隣接するNCML-RENTACARで今春からにラインアップされた高級オープンカーBMW 335i カブリオレ

筆者も意外に思ったのですが、北海道はいわゆるオープンカーが思った以上に多いのです。乗れないシーズンが長すぎるのでバイクを諦めた道民（筆者を含む）やせっかく北海道に住んでいるのだから、大自然を直接肌に感じてドライブを楽しみたいと思う人が多いのでしょうか。

実は春の北海道は昼間は暖かいのですが、夜になると急に冷え込んだり、天気はよいけど風が強いと思った以上に寒かったりします。そのため窓ガラスに囲まれたクルマの中は、エアコンなどが使えるので、急激に温度が変化する春の北海道でもいつも快適。寒いのが大嫌いな道民にとっては、春は楽しみたいけど、寒いのはイヤなので、ドライブが大好きとなるわけです。

そして北海道の春のドライブで天候のよいときには、春を直接肌に感じたいと思うのは自然なことでしょう。そんなときに手軽に直接春の風を感じるのにオープンカーという選択肢になるでしょう。ちなみに筆者がお手伝いをしている、新千歳空港の至近の「NCML RENTACAR」などは、そんな要望に応えてか、意外にリーズナブルな価格でオープンカーのレンタルを行っています。

北海道の春の絶景ドライブでのレンタカーのご利用には、オープンカーという選択肢も検討してみてはどうでしょうか。最近では屋根の開閉もかなり簡単になっているので、ほとんど不便は感じませんよ。