PCR検査結果報告書・渡航用陰性証明書のオンライン発行へ電子署名で正当性を保証

2021.10.26

PCR検査は、新型コロナウイルス感染拡大初期では感染の疑いのある方のみが行っていましたが、現在では感染の疑いのない方にとっても「感染していない」ことを証明するための重要な検査となっています。また、企業の社員の安全性確保や海外渡航、施設利用、イベント参加などに際して、利用者の健康状態証明としての利用が増加しています。

こうした状況を受けて、GMOインターネットグループで電子認証サービスを展開するGMOグローバルサインは、クラウド型電子署名ソリューション「電子印鑑ソリューションDSS byGMO」とアルムが開発・提供する多職種連携ソリューション「Team」を連携し、オンライン発行された新型コロナウイルス感染症のPCR検査結果報告書と海外渡航用の陰性証明書への電子署名・タイムスタンプの提供を開始しました。

これにより、オンラインで発行されたPCR検査結果証明書・海外渡航用の陰性証明書の発行日や発行者、氏名、検査結果、発行元などの改ざんが防止できるとともに、検査結果証明書の正当性が担保され、悪用を防ぐことができるようになりました。

電子署名・タイムスタンプが付与されたPCR検査結果報告書のオンライン発行の概要

今後GMOグローバルサインとアルムは、オンラインで手軽に確認できるだけでなく、電子署名によって高い信頼性を保証されたPCR検査結果報告書・渡航用陰性証明書の特徴を生かし、国内外での大型イベントや行動制限緩和時の陰性証明、公的な証明など、幅広い分野での活用を進めていく予定です。

電子署名が付与されたPCR検査結果報告書・渡航用陰性証明書の特徴とは

●悪用・改ざんを防止し、正当性が保証されたPCR検査結果報告書と渡航用陰性証明書のオンライン発行が可能

アルムが開発・提供する「Team」は、医療・介護サービスをシームレスにつなぎ、多職種連携をサポートするソリューションです。タブレット端末で申し送り事項や利用者状況などを記録し、Teamクラウドシステム上で多職種間でのリアルタイムな情報共有を可能にすることにより、スムーズな多職種連携を実現します。これによってPCR検査の予約から結果通知、PCR検査結果報告書・渡航用陰性証明書の発行までをオンライン化しました。

さらに「Team」とGMOグローバルサインが開発・提供する「電子印鑑ソリューションDSS」を連携することで、PCR検査結果発行元となるアルムと、提携する検査医療機関を審査した電子署名を付与することによって、発行元の信頼性も担保しています。

●PCR検査結果報告書の改ざんの検知も容易に

GMOグローバルサインの電子署名は、AdobeおよびMicrosoftの認定も取得しており、電子署名を付与されたPDFファイルで改ざんが行われた場合には、「Adobe Acrobat」または「Adobe Acrobat Reader」などのソフトウエアで容易に検知できるようになっています。

“ウィズコロナ時代”のビジネスや旅行などに重要な役割を果たす

日本政府は2021年11月末以降の行動制限の緩和を検討しており、今後、飲食店などの店舗利用やイベント参加時におけるPCR検査結果の活用が見込まれていることから、PCR検査結果報告書の需要はこれまで以上に高まることが予想されています。

一方で、一足先にPCR検査結果などの活用により行動制限の緩和が行われている欧米諸国では、PCR検査結果報告書偽造事件が多発し、正当性の担保や悪用防止は喫緊の課題になっていました。

GMOグローバルサインとアルムによる今回のシステム連携は、“ウィズコロナ時代”に対応したソリューションの1つとして、医療を含めた社会全体のDX（デジタル・トランスフォーメーション）、ニューノーマルビジネスの推進に向けた一役を担うのではないでしょうか。

安蔵靖志

Techジャーナリスト／家電エバンジェリスト
家電製品協会認定　家電製品総合アドバイザー（プラチナグレード）、スマートマスター。AllAbout デジタル・家電ガイド。ビジネス・IT系出版社を経てフリーに。デジタル家電や生活家電に関連する記事を執筆するほか、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。KBCラジオ「キャイ～ンの家電ソムリエ」にレギュラー出演するほか、ラジオ番組の家電製品紹介コーナーの商品リサーチ・構成にも携わっている。