北海道在住のアウトドア系ライターが選ぶ2023年のベストバイ5選+α

齋藤 千歳

Specialアウトドア・お出かけ使ってみた

ジョギングにも、ウォーキングにも、撮影にも、子育てにもおすすめのランニングバックパック

身長168cmの筆者が背負って、このサイズ感なのでかなりコンパクトです。しかし、容量はしっかりと15L以上あるので本当に便利

荷物を気にせず動き回れる「ADV SKIN CROSS SEASON RACE FLAG」

ランニングバックパックをご存じでしょうか。ランニングの際に荷物を入れるバックパックで、ランニングベストなどとも呼ばれます。身体を包み込んで着るように密着して、走行時の荷物の揺れを軽減。荷物を背負っても気持ちよく走れるように工夫が凝らしてあるアイテムです。

筆者はジョギングの際にポケットに入れたスマートフォンが揺れるのがとてもイヤで、これを防ぐために普段からこの製品を愛用しています。ランニングバックパックには、スマートフォンとカギ、ハイドレーション(給水)程度の最低限のアイテムが収納できるものから、10Lを超える日帰り登山の荷物が十分に入るレベルの容量のものまで、さまざまな製品が販売されています。

このランニングバックパックを筆者は3着ほど所有しており、現在もっとも気に入っているのが、このSALOMONの「ADV SKIN CROSS SEASON RACE FLAG」(税込1万8700円)です。お気に入りの一番の理由は、とにかくポケットの数が多いこと。体の前の部分にくるショルダーハーネス部分だけで、ファスナー付きの大型ポケットが2つ、500mlの水分が入るソフトフラスクを収納できるポケットが2つ、大きめのメッシュポケットが2つ、さらに小さめのメッシュポケットが2つと大小合わせて8つのポケットが装備されています。

筆者の場合、ジョギングの際にはスマートフォン、ポケットWi-Fi、クルマと家のカギ、ジップロックに入れた現金、そしてデジカメの5つのアイテムを携行します。それらがぶつからないよう別々のポケットに収納したいので、予備の場所まで入れると最低6つ以上のポケットがほしいのです。そんな筆者の要望を完全に満たしてくれるのがこの製品です。

子育てや野生動物の撮影にもおすすめの「ADV SKIN CROSS SEASON RACE FLAG」

筆者の場合、これに一眼レフデジカメや超望遠レンズまで収納しています。ポケットWi-Fiなどアイテム数は多いのですが、それでもポケットの数や収納量にまだ余裕があります

普段はショルダーハーネス部分のポケットに最低限必要なアイテムを入れて、普通にジョギングをしているのですが、少し時間に余裕があるときはランニングバックパックの背面、メインコンパートメントに一眼レフデジカメと超望遠レンズも収納。近くの青葉公園などで、走りながら野生動物などの被写体を探し、撮影してはまた走る“フォトバイアスロン”スタイルでジョギングを楽しんでいます。青葉公園については、過去記事「スマホでも撮れる!北海道ならではのかわいい野生動物「エゾリス」と「ナキウサギ」に出合う方法」をぜひご覧ください。

「ADV SKIN CROSS SEASON RACE FLAG」はメインコンパートメントの開閉が一般的なファスナーではなく、開閉口部分を巻き込んでとめるロールトップ方式なので、バッグの中に入れたレンズとカメラの振動で不用意に口が開いてしまう心配もありません。しかもメインコンパートメントの長さをある程度調整できるため、異なるレンズを入れたときにできる無駄な隙間を小さくすることが可能です。こうすることで背負って走っているときのレンズとカメラの揺れが小さくでき、本当に便利です。

走っては撮影し、また走るときはもちろん、普通に歩いてレンズとカメラを運ぶときにも荷物が揺れず快適なのでおすすめです。

また、かなり活発に動くようになった3歳の息子を子育て中の筆者が、息子を連れて1人でお出かけする際、着替えやウェットティッシュ、ビニール、オムツなどを「ADV SKIN CROSS SEASON RACE FLAG」に入れて背負っています。身長1m程度の息子が急に走り出すのを制止するには、しゃがみ込んだり、かがんだりといった動きが多くなります。しかし身体に密着しないバッグでは、動きが制限されてとっさの1歩目が出遅れることがあるからです。

身体に密着し、とっさの動きのさまたげにならないランニングバックパックは、ランニングやウォーキング、撮影、フォトバイアスロンだけでなく、子育てバッグとしても有能なので1つ持っておくと便利です。「ADV SKIN CROSS SEASON RACE FLAG」はポケットが多く、日帰りの登山などにも十分対応する容量でありながら、わずか320gしかない点も、とても気に入っています。

1年の半分着続けるから分かる普段着ダウンジャケットのイチオシ

なんてことのないダウンジャケットに見えますが、寒冷地で生活したことのある人がデザインしたとしか思えない細部までの作り込みが素晴らしい「ショベルヘッドジャケット」

big agnesの「ショベルヘッドジャケット」は細部にわたるバランスが秀逸

筆者の服装は、基本的にTシャツにジーンズか、そこにダウンジャケットが追加されるかの2パターンだけ。寒くなったら、トレーナーやセーターを着る感覚でダウンジャケットを着ています。

10月には着始め、ちょっと暑ければ前を開け、袖をまくってダウンジャケットを着ていますし、本格的に建物のセントラルヒーティングを動かすまでは部屋の中でもダウンジャケットを着ています。本格的な冬が来ても屋外で長時間行動する予定がなければ、そのままクルマに乗って外出。そんな状態が春になるまで続きます。

10月~3月くらいまで、つまり極論すれば1年の半分はダウンジャケットを着て過ごしています。しかしあまりにも長い時間着ているせいか、本当に気に入った普段用のダウンジャケットは、なかなか見つかりません。そんななか、今シーズン過去最高に気に入っているダウンジャケットがbig agnesの「ショベルヘッドジャケット」(税込3万2780円)です。

実は北国の普段着用ダウンジャケットは、みなさんが思うよりも、かなり薄手のものがおすすめ。基本的に部屋の中は暖かいですし、移動の基本もクルマなので長時間吹きさらしの外にいることはとても少ないのです。逆に本当に吹きさらしの屋外に長時間いるなら、別途本格的な防寒具が必要になるからです。

この「ショベルヘッドジャケット」は重量が454gと絶妙。アウトドア好きの方以外は知らない方も多いかもしれませんが、big agnes(ビッグアグネス)は北米でテントの大きなシェアを持ち、ユニークで実用的な製品を送り出すことで有名なブランドです。オフィスから山まではわずか数分という環境で何度もフィールドテストを繰り返した実用性の高いアイテムでユーザーの高い信頼を得ています。

このbig agnesがあるコロラド州スティームボードスプリングは、実は冬はマイナス20℃を下回ることがある北海道千歳市よりも寒い場所。そのためか、「ショベルヘッドジャケット」は一日中着ていても気にならない重さで、しかもクルマに乗ったときにそのまま着ていても気にならない程度の暖かさ。まさに寒冷地で生活している人にしか分からない絶妙な厚みになっているのです。

一日中着たまま生活していても疲れないリラックス仕様

「ショベルヘッドジャケット」の胸ポケットに自身を収納できるパッカブル構造。おかげで持ち運びもとてもラク。アウトドアはもちろん、旅行でも活躍してくれます

寒冷地の北海道においては、ダウンジャケットは特別な防寒着ではなく、夏でも冷え込んだ夜なら羽織ることのあるオールシーズンな防寒着です。そのため、着たまま手を洗ったり、食器を洗ったりすることも珍しくないので、スムーズに袖がまくれることは結構重要で、筆者はダウンジャケットを試着する際に必ず袖をまくるのですが、袖をスムーズにまくれないダウンジャケットが思った以上に多いのに驚きます。しかし「ショベルヘッドジャケット」は非常に気持ちよく袖がまくれるのです。

さらにチェックしてほしいのが、フードのフィット感や、袖の部分に親指を入れる穴(サムホール)が付いていて手のひらまで暖めることができる機構かどうかなど。これは試着して、きちんとチェックしてほしいポイントなのですが、フードは付いていても実際に使うことを考慮していないのでは? と思われるようなものもあります。

大きいだけでかぶっていないときは邪魔で、かぶってもフィット感が悪く風が吹けば脱げてしまうような設計のものもあるのに対して、「ショベルヘッドジャケット」のフードはかぶっていないときは首の後ろの肩の上にうまく乗るコンパクトさ。かぶるとしっかりと頭と顔にフィットして、かなり強風でも脱げない設計になっています。またサムホールも袖口の構造と連携して、きっちりと手のひらを覆ってくれる構造なので、手袋を忘れた際にはつい頼ってしまう使いやすさです。このあたりは実際に年中ダウンジャケットを着ている人間にしか設計できない秀逸さといえるでしょう。

このほかにもポケットの数とか、滑らかなファスナーの動きとか、撥水加工済みのダウンなど、細かな部分までの出来の良さを示す項目はたくさんあるのですが、最後に忘れずにお伝えしたいのが、寝心地の良さです。ダウンジャケットの寝心地の良さって何? と思われる方も多いでしょう。しかしアウトドアやキャンプのシーンでは、寒さのあまり寝袋の中でダウンジャケットを着たまま寝ることもあるわけです。筆者の場合、ダウンジャケットを着たまま、家でゴロゴロしていることもありますが……。

こんなとき、実は寝ることまでを想定していないダウンジャケットでは、ファスナーの金具が気になったり、袖ぐりがタイトで寝づらかったりしますが、「ショベルヘッドジャケット」は寝間着のスエットのように快適でリラックスできます。

まさに寒さから自分を守ってくれる第2の皮膚とも言えるような非常に心地よいダウンジャケット、それがbig agnesの「ショベルヘッドジャケット」です。誰でも知っているメジャーブランドではありませんが、寒冷地のアウトドア大好き人間がフィールドテストを繰り返して作り上げた製品は、筆者が過去最高に気に入ったダウンジャケットとなりました。

軽量のチタンテイストフレームとサングラスプレートで1台2役

ドライブデイレンズのプレートを取り付けた状態でも完成された印象のデザインがお気に入りの理由のひとつ

度入りのメガネが必要でクルマを運転する人にとても便利なJINS Switch

加齢による遠視と、モニターの見過ぎからくる近視で視力に問題がある筆者。当然、メガネのお世話になっているのですが、かなり頻繁に利用しているのが近所のイオンにあるJINSです。通常のレンズであれば、フレームを選択するだけで、その日のうちに新しい度入りのメガネを受け取れる手軽さがとてもありがたい。

そして地方都市で暮らしていると、移動の大部分がクルマになり、その運転の際に意外と活躍するのがサングラスです。路面からの反射が強い雪の季節や、春先から初夏などにサングラスなしで運転すると、筆者は目が痛くて開けていられなくなることもあります。そのため、サングラスは生活必需品ともいえるのですが、筆者のように目が悪いとサングラスも度付きのものでないと運転ができません。しかし、度付きのサングラスはレンズの加工などに時間がかかり、購入してもしばらく待たなくてはいけなかったり、また筆者の場合はサングラス姿だとやや柄が悪く見えてしまうので、クルマの運転以外では使いにくかったりと不便な点も多いのです。

そんなときに便利なのがJINS Switchです。JINS Switchシリーズのフレームを選択して自分の視力にあわせて度入りのレンズを作成、、このフレームにマグネットで装着するサングラスプレートを装着することでサングラスとしても使える仕組み。当たり前ですがプレートを外すと普通のメガネとして使えます。

このJINS Switchが便利そうだなと思っているところに発売されたのがSnow PeakとJINSのコラボモデル「JINS×Snow Peak JINS Switch Combination Titanium」(税込2万9900円 ※度付きレンズ代込み)です。

Snow PeakとJINSのコラボモデル「JINS×Snow Peak JINS Switch Combination Titanium」

Snow Peakのロゴが入った専用のサコッシュやメガネ拭きなど付属品も充実しているのもうれしいところ。メガネ単体のデザインも気に入っています

筆者は「JINS×Snow Peak JINS Switch Combination Titanium」のデザインの良さにひと目惚れ。Snow Peakの代名詞ともいえるチタンテイスト素材の細いフレームにクリア素材のサングラスプレート、正確にはドライブデイレンズのプレートを装着した姿に心をつかまれたわけです。ちなみにドライブデイレンズのほかに偏光レンズのタイプもあります。。

Snow PeakとJINSのコラボレーションという点にも心をつかまれました。度入りのメガネという性格上、メンテナンスやアフターケアを含めて取扱い店が近くにあるという安心感も絶大。わずか16gしかない軽量なチタンテイストフレームやSnow Peakのロゴが入った専用のサコッシュが付属するなど所有の満足感も満たしてくれます。

使用感については、筆者は度入りのメガネ、サングラスを現役で4本ほど所有しているのですが、気が付くとだいたい普段はこれを掛けています。軽くて、ややレンズ面が大きくフレームの細いデザインが視界がクリアで楽に感じているようです。ドライブデイレンズのサングラスプレートについては、プレートの重量は実測で約9gと軽く、メガネと合わせても合計25gと重さが気になることはほぼありません。また、マグネット装着なので使用時の落下を気にされる方もいるかもしれませんが、マグネットだけでなく、メガネのブリッジ部分にプレートを引っ掛けてからマグネットで固定する構造なので、筆者が使っていて不用意に落下したのは1度だけです。これも脱着時にプレートを指で弾いてしまったことが理由ですから、設計上の問題とはいえないでしょう。

ほぼ毎日送り迎えなどでクルマを運転し、往復500kmほどある函館などにも結構な頻度でドライブするのですが、ドライブデイレンズのプレートを装着したこのメガネを掛けると、強い日差しや反射光から目が守られていることが実感でき、運転がとてもラクになります。クルマの運転などをしていてサングラスがほしいな、でも度入りのサングラスはいろいろと面倒だなと思ったらJINS Switchを近所のJINSで試してみてはどうでしょうか。「JINS×Snow Peak JINS Switch Combination Titanium」はちょっとお高いですが、通常のJINS Swinchであればプレート込みで税込1万2000円(度付きレンズ代込み)くらいから購入できるので、かなりお手軽です。
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齋藤 千歳

フォトグラファー・ライター
北海道千歳市在住・千歳市生まれのフォトグラファー/ライター。キャンピングカーの「方丈号」から各種アウトドア、カメラ、レンズ、ガジェットに関する情報を発信したり、家族3人で北海道一周などしたりを楽しんでいる。

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