GMOグローバルサイン・ホールディングスは、自社が開発提供する電子契約サービス「電子印鑑GMOサイン」が、総合行政ネットワーク（LGWAN）環境下で安全な運用が可能な電子契約サービスである「LGWAN外部電子契約サービス」にサービス登録されたと発表しました。「LGWAN外部電子契約サービス」にサービス登録された電子契約サービスはほかに先例がなく、「GMOサイン」が日本初となります。

今回のサービス登録により、各自治体はLGWAN環境で「GMOサイン」を使用して締結完了した電子契約文書の署名情報を安全に保持できるようになるため、契約業務の安全性・利便性が向上します。

押印義務の見直しやDXの気運は、コロナ禍を経て一層高まり、電子契約サービスを利用する企業・団体が急増しています。自治体でも電子契約サービスの導入によって、大幅な業務効率化や紙資源の節約などが実現されています。

しかし自治体では、民間企業や個人が利用するインターネットとは別に、セキュアな行政専用の閉域ネットワークである「LGWAN（エルジーワン）」を使用して、業務を行う必要があります。

LGWAN環境では、安全性を保つために外部から取り込むすべてのファイルを「無害化」する処理が求められます。しかし電子契約で契約を締結した電子文書では、署名の有効性が失われてしまうという課題がありました。

国と地方公共団体が共同で管理する地方公共団体情報システム機構（J-LIS）は、時代の変化と電子契約サービスの普及に対応するため、一定の安全基準をクリアした電子契約サービスを「LGWAN外部電子契約サービス」としてサービス登録する運用を2023年5月16日にスタート。これは無害化の処理緩和を認めることで、安全性と利便性を両立するもので、J-LISによる審査基準を満たした電子印鑑GMOサインが「LGWAN外部電子契約サービス」の第1号として2023年6月にサービス登録されました。

システムの利便性と安全性は相反することから、当初はLGWAN内で外部の電子契約サービスの利用は困難でしたが、「LGWAN外部電子契約サービス」の制度がスタートしたことで、外部サービスが接続できるようになりました。制度では、通信要件や技術要件、サービス事業者の運用管理やセキュリティ対策などさまざまな要件が指定されています。こうした要件をクリアしたことで、セキュアに利便性の高い電子契約サービスを利用できるようになったのです。

「民」から産まれた安全かつ利便性高いサービスが「官」に導入されることで、政府主導の「自治体デジタル・トランスフォーメーション（DX）推進計画」や、総務省が推進する「スマート自治体」の文脈においても意義深く、自治体のDXに大いに寄与することが期待されます。