『Pikmin Bloom (ピクミンブルーム)』は最強のライフログアプリ？

2021.12.15

いつの間にか積もっていく歩数とログ

毎日日記をつけるようなマメさがない私には、いまやライフログはスマホのカメラロールがあればそれで満足です。面白いことなんて毎日そうは起こらないし、気の利いた言葉だって残せない。そして、歩かないより歩いたほうが健康にいいのは誰だって知っています。そんな自明なことを言われたって「だから何？」と私は思います。

そんな自明かつ面白みのなさそうなことを、ピクミンブルームは私にガンガン促すのです。「歩くのが大事？　だから何？」とか思っていたのに、今やヒールのある靴に代わってウォーキングシューズが一軍の靴に。そこがこのゲームの凄みだと思います。

例えば、信号待ちやカフェでふとピクミンブルームをチェックすると、ピクミンたちが道すがらで見つけたフルーツを抱えて私にそそっと近づいて来ます。フルーツはそれなりに重かったんでしょうね、だいぶ反り腰気味。急いで受け取ります。あーかわいい。そしてうれしい。この辺りの表現や気の利いたサウンドからピクミンブルームのウェルメイドさが伝わってきます。

私はピクミンにもっとフルーツを見つけてもらいたい。だから歩く必要があります。

そうやって私が歩くと、ログが生まれます。歩いた場所にそってピクミンブルームの地図も青々と染まります。「東京全土をふさふさのグリーンにしてやるぜ」とは思っていませんが、もし今「お台場に行こうよ」って誘われたら、私は二つ返事で行きます（たぶんピクミンブルームで遊ぶ前ならちょっと遠いな〜と渋っていたハズ）。

なぜなら、台場は未踏の地であり、さらに言うと車でちょっと行けば空港も近いからです。私は、空港生まれのピクミンがほしい。

空港では、明らかに空飛ぶ乗り物のアレと合体したであろうデコピクミンが手に入るようです。シルエットがニクい！

そうやって出かけてちょっといい思い出ができたら、そこで見つけたピクミンには特別な名前をつけてかわいがると思います。

私の最優先事項は今でも「ピクミンいっぱい増やしたい！」ですし、「ライフログを残したい！」なんてこれっぽっちも考えていません。でも、勝手にいい感じに思い出を残してくれてサンキューと思っていますし、毎日1万歩はきっちり歩いています。

ということで、「ピクミンブルームって健康アプリ？　それともライフログアプリ？」と誰かに尋ねられたら、どちらにも「イエス！」と言えないんです。「体にいいと思うし、思い出も残るけど、とにかくピクミンと一緒にいるゲーム」と答えます。

たくさん歩いたり、思い出を残したり。ピクミンブルームは知らぬうちに自分の行動を自分の意思で積極的に変えてしまう不思議な力を持っています。ささやかでさりげないのに、パワフルでエモーショナル。ちいさなピクミンたちの魅力とも似ています。ぜひ一度お試しください。