初心者向け「Pokémon Trading Card Game Pocket」(ポケポケ)のバトル攻略&デッキ構築法

池 紀彦

Specialゲームスマートフォン
ポケモンを題材にしたカードゲーム「ポケモンカードゲーム(ポケカ)」をスマートフォンで遊べる「Pokémon Trading Card Game Pocket」(通称ポケポケ)は、カードを集めてコレクションするだけではなく、デッキを組んでバトルすることも楽しみの1つです。
 
ポケカをスマホで遊べるように簡略化されたポケポケですが、そのルールの一部やギミックはオリジナルのトレーディングカードゲーム(TCG)と同様のものが多く、コイントスなどの仕掛けも共通しています。

バトルの基本ルールはゲームをプレイしていると大体覚えられますが、どのようにデッキを組むか、バトル中にどのような行動を選択するのがいいか、といった考え方については、カードゲームをプレイしたことがない人にはピンと来ない点も多々あるはず。

そこで今回は、筆者がカードゲームに詳しい友人と会話をしながらポケポケを遊んだり、デッキを組んで実戦を繰り返したりして、気が付いたことをまとめました。

今回の記事では主に「だれかと」の対戦バトルを想定してお話ししていますが、ゲームの基本的なルールなどを理解するには「ひとりで」モードでじっくり遊ぶのがおススメです

勝つも負けるも運次第!カードゲームの奥深さ

結論から先に言ってしまうと、ポケポケに必勝法はありません。そもそもTCGには山札からカードを引くという運の要素があり、どんなに強いプレーヤーであっても肝心のカードが引けなければ勝つことはできないからです。山札から思うようにカードが引けない状態を「事故」と表現しますが、TCGにおいて、こうした事故は常に発生します。さらにポケポケではルールを簡略化した結果、デッキのカード枚数が減ったこともあって、コイントスでバトルが大きく左右されるなど、運の要素がさらに強くなっています。

本作ではコイントスの結果次第でバトル展開が大きく変化するカードがあり、中でも悪名高いのがサポートカードのカスミです。コイントスで表が出続ける限り水エネルギーを付与できるので、1ターンで相手を撃破できてしまう場合もあり、運がものを言うカードといえます

ユーザー同士でポケポケの話をしていると、「環境」というワードが出てくることがあります。これは対戦で多用される人気のデッキを指す言葉。環境デッキは日々変化していきます。ポケポケでは12月17日に新しい拡張パック「幻のいる島」が追加となりましたが、追加直後はパックの目玉ともいえるポケモン「セレヴィex」と「ジャローダ」を使ったデッキが大いに流行し、環境となりました。

ところが、ある環境がはやると、その対策として、別の環境が隆盛となります。セレヴィex/ジャローダ対策としては、「キュウコン」と「カツラ」を使ったデッキが盛り上がり、その次には「クリムガン」と「ギャラドスex」を使ったデッキがよく使われるようになりました。かと思えば、「幻のいる島」で追加になった「ゴローニャ」のデッキがヨーロッパのオンライン大会で優勝したといって人気になるなど、「環境」は日々変化していくのです。

こうした理由から、本作のバトルでは、どれだけうまい人でも運や環境に左右され、ある程度、負けることが前提になってしまいます。しかし、対人戦「だれかと」モードは、ランクなどの仕組みが存在せず、負けた場合もデメリットがありません。ですので、あまり気負わずに、気楽にバトルする方がポケポケのバトルをより楽しめます。

とはいえ、強いカードゲーマーは、運の要素が強いポケポケであっても勝率が高いのも事実です。TCGで強いプレーヤーは、ポケポケにおいてもコンセプトを持ってデッキ構築を心掛けています。ゲーム中の立ち回りなどもこのコンセプトを意識した上で、2手、3手と相手の先の行動を読んだ上で行動しているようです。

環境デッキにも弱点はあるので、その弱点を突くようなデッキを構築することで勝率を上げることが可能です。分かりやすい例では「セレヴィex」などの草ポケモンが相手なら、火ポケモン中心のデッキを組むことでより勝率が上げられます。ただし、同じデッキで水ポケモンに出くわすと負ける確率が上がってしまうということも起きます

試行錯誤でデッキを構築しよう!

デッキのコンセプトとはどういうものでしょうか? 今回は根強い人気の環境デッキの1つ、「ピカチュウex」デッキについて紹介しながら、その構成とデッキのコンセプトについて解説しましょう。

このデッキのコンセプトは、進化なしで軽快に動けるピカチュウexでスピーディーに相手を撃破することです。ピカチュウexは、少なめの2エネルギーで放てる、最大90ダメージのワザ「エレキサークル」が強力なポケモンです。ただし、ベンチに3体の電気ポケモンがいないと、その真価が発揮できません。またHP100以上のポケモンは一撃では倒せない、自身のHPは120しかないなど、必ずしも万能ではありません。そのため、ベンチに配置するポケモンは単に電気ポケモンであるだけではなく、こうした弱みをカバーできることが重要となります。

最近はベンチで進化を進めたり、エネルギーを貯めたりして強力なポケモンを育成するのを前提としたデッキも多く存在します。こうした相手のデッキに対抗するには、バトル場にまだ出ていないベンチのポケモンを狙撃できるワザを持つ「エレブー」(幻のいる島パックで登場したバージョン)や「ゼブライカ」など、相手が進化する前に攻撃できる電気ポケモンを加えることが有効です。

また、HP100以上のポケモンに対応できるように、「ライチュウ」(初期パック「最強の遺伝子」に含まれるバージョン)を加えるデッキも定番です。ライチュウは最大140ダメージの「10まんボルト」が使えるので、HPの高いポケモンにも対応できます。ただ、このワザは毎回エネルギーを3個も消費します。このため、「ライチュウ」など特定のポケモンにベンチポケモン全員の雷エネルギーを全て付け替えることができるトレーナーズの「マチス」をデッキに組み込み、エネルギーがライチュウに集中できるようにするのです。

このように、デッキにメインとなるポケモンを設定し、そのコンセプトを補強するような考え方で、他のポケモンやグッズ、サポートなどのカードを加えて、デッキを構築していきます。

「ピカチュウex」を使ったデッキの例。このデッキでは新たな拡張パック「幻のいる島」で登場した「エレブー」や「デデンネ」を加えていますが、「ピカチュウ」と「ライチュウ」は拡張パック「最強の遺伝子」のポケモンを採用しています。また、サポートカードに「マチス」を加え、エネルギーをバトル場のポケモンに集めやすくしています

デッキ構築後は実際にバトルを繰り返してみて、気になったところや、手元にあってもあまり役に立たなかったポケモンやサポートなどを洗い出し、それを他のポケモンやサポートに変更して試行錯誤を繰り返しましょう。こうして、より自分好みのデッキを構築することが、本作の攻略法であり、もう1つの楽しみともいえます。

デッキ構築は、最初のうちは定番デッキの模倣からのスタートで構いません。動画配信などで紹介されているデッキをそのまま構築して、バトルに挑戦してみてもいいでしょう。プレイしながら試行錯誤を繰り返せば、自分なりのオリジナルデッキに進化させることができます。

例えば前述のピカチュウexデッキ、筆者は他人のデッキなどを参考に「幻のいる島」で新たに追加になったデデンネを追加しました。HPは60と決して高くなく、ワザ「でんきショック」は1エネルギーで出せるものの10ダメージと、数値だけ見れば貧弱なポケモンです。しかし、でんきショックの特殊効果として、コイントスで表が出れば相手のバトルポケモンをマヒさせられます。

先ほどの話とやや矛盾するようにも見えますが、デデンネが採用される理由はその“軽さ”にあります。1エネルギーでワザが出せ、マヒ効果がうまく決まれば時間稼ぎができる点などから人気のポケモンなのです。このように数値で見えるステータス以外にも着目してポケモンを選定することで、より強いデッキが構築できるようになっていきます。

ポケポケのデッキ編成には「おまかせ」という機能もあり、デッキを考えるのが苦手な人でも簡単にデッキが構築できるようになっています。おまかせで組んだデッキをベースに、カードを足したり引いたりしながら試行錯誤で新たなオリジナルデッキを組んでプレイするのも面白いと思います。

デッキを組むのが面倒な人や、どんなものか試してみたい人は、デッキ編成画面にある「おまかせ」ボタンを押し、属性を選ぶだけで簡単にデッキを構築できます。これでデッキの土台を構築してから対戦を繰り返して、完成度を高めるのも面白そうです

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池 紀彦

ゲーム&ガジェットライター
自ら触れて得た体感を形にする兼業ライター。ソフトウェア事業のディレクションと検証を行なう傍ら、パソコン雑誌編集部やAV機器メディア編集部を経て得た経験を活かし、パソコン、ガジェット、ゲーム、おもちゃなどのレビューを日夜各所で執筆。ThinkPadと程よい懐古物を好み、懐かしのゲームやパソコン、アニメ、漫画などをこよなく愛します。「やってみた」には定評あり。

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