昭和ノスタルジックも楽しめる「サイフォンコーヒー」にアウトドアでチャレンジする
コーヒーサイフォンでコーヒーを抽出したところ。何か錬金術的な雰囲気が漂うのも楽しいところです
専用ケースも用意されたアウトドア向けのコーヒーサイフォンをご存じでしょうか
世の中はサードウェーブと呼ばれる第3次コーヒーブームの真っただ中。2000年以降から続く、高付加価値のスペシャルティコーヒーの時代で、コーヒー豆の個性を生かし、焙煎方法や抽出方法にもこだわるのが特徴です。このサードウェーブの火付け役となったのがブルーボトルコーヒーといわれており、2008年にはサンフランシスコにサイフォンでコーヒーを抽出する店舗もオープンしているそうです。
ただこのコーヒーサイフォン、日本では実は見慣れたもの。1960〜70年代に始まるコーヒーの大量生産・大量消費が特徴のファーストウェーブの際に、時代に対抗する流れとして喫茶店ブームが起きました。このとき喫茶店のマスターがコーヒーサイフォンなどの器具を使って、丁寧に抽出したコーヒーのおいしさを追求する文化が花開いたといわれています。
残念ながら、筆者はコーヒーサイフォンには「昔大人たちが使っていた、なんだかかっこいい道具」くらいの認識しかなく、自分で実際に使ったことはありませんでした。「できれば一度くらい使ってみたい」と思っていたこのコーヒーサイフォンですが、アウトドアブランドのキャプテンスタッグと、日本で唯一耐熱ガラス製造工場を保有する1921年創業のHARIOとのダブルネームでアウトドア向けに専用ケースも用意されたコーヒーサイフォンが発売されました。
HARIOは1948年からコーヒーサイフォンの生産を手がける国内の老舗メーカー。せっかくなのでこのコーヒーサイフォンを使って、ゆっくりとキャンプでコーヒーをいれてみようと考えました。
ただこのコーヒーサイフォン、日本では実は見慣れたもの。1960〜70年代に始まるコーヒーの大量生産・大量消費が特徴のファーストウェーブの際に、時代に対抗する流れとして喫茶店ブームが起きました。このとき喫茶店のマスターがコーヒーサイフォンなどの器具を使って、丁寧に抽出したコーヒーのおいしさを追求する文化が花開いたといわれています。
残念ながら、筆者はコーヒーサイフォンには「昔大人たちが使っていた、なんだかかっこいい道具」くらいの認識しかなく、自分で実際に使ったことはありませんでした。「できれば一度くらい使ってみたい」と思っていたこのコーヒーサイフォンですが、アウトドアブランドのキャプテンスタッグと、日本で唯一耐熱ガラス製造工場を保有する1921年創業のHARIOとのダブルネームでアウトドア向けに専用ケースも用意されたコーヒーサイフォンが発売されました。
HARIOは1948年からコーヒーサイフォンの生産を手がける国内の老舗メーカー。せっかくなのでこのコーヒーサイフォンを使って、ゆっくりとキャンプでコーヒーをいれてみようと考えました。
まずはコーヒーを粉にするミルから始めてみた
このコーヒーミルはハンドル部分が取り外せるのでコンパクトにまとまり、持ち歩きにも便利です
いきなりコーヒーサイフォンでコーヒーをいれるところから始めてもよいのですが、今回の主題はキャンプ時間をぜいたくに過ごすことなので、コーヒー豆をひく(ミル)から始めてみました。
実はコーヒー豆をひくところから始めた理由は、より時間を掛けたいという以外にもあります。コーヒーサイフォン向きのコーヒー豆が「中挽き」だからという点です。日本国内で一般的に販売されているペーパードリップ用のコーヒー粉は「中細挽き」であり、コーヒーサイフォンで使うには少し細かすぎるので、コーヒーミルでザラメとグラニュー糖の中間くらいといわれる「中挽き」のコーヒー粉を作ったわけです。
コーヒー豆の専門店などに行けば「中挽き」でひいてもらうことも可能ですが、キャンプ場で自然に囲まれながら、コーヒーの香りを楽しみながら豆をひくのは楽しい作業です。筆者は持ち歩きにも便利なキャプテンスタッグの「18-8ステンレスハンディーコーヒーミルS(セラミック刃)」(実勢価格3500円前後)を使いましたが、この製品は「粗さ調整ネジ」でひいた粉の大きさを調整できるので重宝しました。
実はコーヒー豆をひくところから始めた理由は、より時間を掛けたいという以外にもあります。コーヒーサイフォン向きのコーヒー豆が「中挽き」だからという点です。日本国内で一般的に販売されているペーパードリップ用のコーヒー粉は「中細挽き」であり、コーヒーサイフォンで使うには少し細かすぎるので、コーヒーミルでザラメとグラニュー糖の中間くらいといわれる「中挽き」のコーヒー粉を作ったわけです。
コーヒー豆の専門店などに行けば「中挽き」でひいてもらうことも可能ですが、キャンプ場で自然に囲まれながら、コーヒーの香りを楽しみながら豆をひくのは楽しい作業です。筆者は持ち歩きにも便利なキャプテンスタッグの「18-8ステンレスハンディーコーヒーミルS(セラミック刃)」(実勢価格3500円前後)を使いましたが、この製品は「粗さ調整ネジ」でひいた粉の大きさを調整できるので重宝しました。
コーヒーサイフォンで実際にコーヒーをいれる
「キャプテンスタッグ 珈琲サイフォン&ギア用マルチケース」に収納した「珈琲サイフォン」。必要以上にかっこいいのです
コーヒー粉をひき終わったら、早速アウトドア向けのコーヒーサイフォン「HARIO×キャプテンスタッグ 珈琲サイフォン (木柄)」(以下「珈琲サイフォン」、実勢価格1万5000円前後)を使ってコーヒーを抽出していきたいと思います。
掲載した写真で「珈琲サイフォン」を収納しているのが、別売の「キャプテンスタッグ 珈琲サイフォン&ギア用マルチケース」(実勢価格4500円前後)です。キャンプに持っていくなら本体と同時に購入しておくことをおすすめします。
また、「珈琲サイフォン」でコーヒーを抽出する手順を簡単に解説すると、下記のようになります。
掲載した写真で「珈琲サイフォン」を収納しているのが、別売の「キャプテンスタッグ 珈琲サイフォン&ギア用マルチケース」(実勢価格4500円前後)です。キャンプに持っていくなら本体と同時に購入しておくことをおすすめします。
また、「珈琲サイフォン」でコーヒーを抽出する手順を簡単に解説すると、下記のようになります。
上ポールにペーパーフィルターを装着して、コーヒー豆を入れたところ。ちょっと儀式的な手順が気分を盛り上げてくれます
1.上ポールにペーパーフィルターを装着する
2.ペーパーフィルターを装着した上ポールにコーヒー粉を入れる
3.下ポールに必要量の水を入れて、アルコールランプに火を着ける
4.上ポールを下ポールに斜めに差して、下ポールの水の沸騰を待つ
5.水が沸騰してきたら、上ポールをしっかり差してお湯が上がるのを待つ
2.ペーパーフィルターを装着した上ポールにコーヒー粉を入れる
3.下ポールに必要量の水を入れて、アルコールランプに火を着ける
4.上ポールを下ポールに斜めに差して、下ポールの水の沸騰を待つ
5.水が沸騰してきたら、上ポールをしっかり差してお湯が上がるのを待つ
下ポールの水が沸騰してきたら、上ポールをしっかりと差し込んでお湯が上ポールに移動するのを待ちます
6.お湯が上がってきたら、付属の計量スプーンでコーヒー粉を軽くほぐす
7.1分ほど加熱したらアルコールランプを消し、コーヒーが下ポールに下がるのを待つ
8.コーヒーがすべて下ポールに下がったら、上ポールを丁寧に外す
9.下ポールに下がった抽出されたコーヒーをカップなどに注いで完成
7.1分ほど加熱したらアルコールランプを消し、コーヒーが下ポールに下がるのを待つ
8.コーヒーがすべて下ポールに下がったら、上ポールを丁寧に外す
9.下ポールに下がった抽出されたコーヒーをカップなどに注いで完成
上ポールに沸騰したお湯が上がってきたところ。ここでコーヒー粉をかき混ぜながら何秒沸騰させるかも重要なポイントです
実際に何度か行うと、それほど大層な作業ではないのですが、簡単に解説しても上の9手順ほどになるのでシンプルで簡単というわけではありません。ただし、ハンドドリップなどと違って技術による差が発生しにくく、コーヒー粉の量やひき方、お湯が沸騰して上ポールに上がってからかき混ぜ、加熱する時間の調整といった要素を同一にすれば、同じような味を再現することが容易なので、さまざまなコーヒー豆を使った味のコントロールも楽しみやすいというメリットがあります。自分好みの味のコーヒーを追求しやすいというわけです。
アウトドアで「珈琲サイフォン」を使う際の注意点は、アルコールランプの炎が風に弱いので、風が強い場合はしっかりと風よけを行いましょう。炎が風でずっと揺れている状態だと下ポールの水が20分以上も沸騰せず、うまくコーヒーを抽出できないこともあります。
筆者は、普段からあまりコーヒーにこだわりはないのですが、器具も多く、抽出の手順が多いコーヒーサイフォンはなにか儀式的な操作を行うことで、いつもコーヒーがよりおいしく感じられました。自然に囲まれたアウトドアで飲むコーヒーは、インスタントですらいつもよりおいしく感じられることが多いので、視覚的な効果もあるコーヒーサイフォンでいれたコーヒーは、よりおいしく感じるのでしょう。
アウトドアで「珈琲サイフォン」を使う際の注意点は、アルコールランプの炎が風に弱いので、風が強い場合はしっかりと風よけを行いましょう。炎が風でずっと揺れている状態だと下ポールの水が20分以上も沸騰せず、うまくコーヒーを抽出できないこともあります。
筆者は、普段からあまりコーヒーにこだわりはないのですが、器具も多く、抽出の手順が多いコーヒーサイフォンはなにか儀式的な操作を行うことで、いつもコーヒーがよりおいしく感じられました。自然に囲まれたアウトドアで飲むコーヒーは、インスタントですらいつもよりおいしく感じられることが多いので、視覚的な効果もあるコーヒーサイフォンでいれたコーヒーは、よりおいしく感じるのでしょう。
いつもよりも手間ひまかけて丁寧に抽出したコーヒーをキャンプ場で自然に囲まれて飲むといつもよりも数段おいしく感じるのは筆者だけではないでしょう
所要時間はコーヒー豆をひくところからコーヒーサイフォンでの抽出までが30分程度、コーヒーを飲んで後片付けをするところまで入れると1時間以上はぜいたくにキャンプ時間を過ごすことが可能です。また、キャンプ時間の中で何度かコーヒーをいれても不自然さはないので、その気になればかなりの時間を使うことができるでしょう。
ちなみにキャンプ場だけでなく、自宅などでも時間のある時はコーヒーサイフォンでコーヒーを抽出して楽しむことができるのも良いところです。筆者も時折思い出したかのようにコーヒーサイフォンでコーヒーをいれています。場所を選ばず、優雅な時間を過ごしているように感じられるのもおすすめのポイントです。
ちなみにキャンプ場だけでなく、自宅などでも時間のある時はコーヒーサイフォンでコーヒーを抽出して楽しむことができるのも良いところです。筆者も時折思い出したかのようにコーヒーサイフォンでコーヒーをいれています。場所を選ばず、優雅な時間を過ごしているように感じられるのもおすすめのポイントです。
アルコールランプは風に弱いので、風のある日は写真のように風よけを使っています。写真は「2way ウィンド スクリーン L」(実勢価格3300円前後)
齋藤 千歳
フォトグラファー・ライター
北海道千歳市在住・千歳市生まれのフォトグラファー/ライター。キャンピングカーの「方丈号」から各種アウトドア、カメラ、レンズ、ガジェットに関する情報を発信したり、家族3人で北海道一周などしたりを楽しんでいる。