変わるイベント 今年の「ゲームショウ」が成功した理由を考える:鵜の目「鷹木」の目

鷹木 創

IoT・モビリティi4Uイベントゲーム
実はコンビーフが大好きで、お酒のおつまみでよく食べるんですけど、量が足りずにすぐ数個食べちゃうんですよね。まあまあ高いのでビーフ100%じゃない“ニューコンミート”を買うこともあるんですが、最近気に入っているのは、「成城石井自家製 タンアスピック」。コンビーフ2缶以上の容量で647円。見つけたら買うようにしています。

さてi4U編集主幹の鷹木が、毎回気になったモノやコトを紹介していく連載、鵜の目「鷹木」の目。今回はイベントについてです。

今年の「ゲームショウ」と新「モーターショー」は成功した

近年はイベントが変化していますね。コロナ禍による規制が撤廃されつつあり、イベントがコロナ前の規模に戻ってきています。秋には「東京ゲームショウ 2023」が開かれ、東京モーターショーは「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」(ジャパンモビリティショー)と名前を変えて開催されました。この2つはリニューアルに成功したと思っています。

モーターショーは名前を変えて幅を広げました。モーターではなく「モビリティ」と銘打って期待値を広げ、対象を拡大して復活したように思います。これまでのクルマって“男子”なイメージもありました。だから以前は、露出の大きい服を着たレースクイーンやコンパニオンの女性がたくさんいたりして、ある種、昭和的な見せ方でしたけれども、最近はイベントが徐々にクルマそのものから離れ、ビジネスショーっぽい感じになってきました。

コンセプトモデルの発表も、リアル開催だからこその説得力がありますよね。オンラインでもできなくはないけれど、CGだとちょっと嘘っぽかったりしてしまう。現物を見せると説得力があるし、考えて作られているんだろうなって感じさせますよね。来場者の反応も見やすいし。

グルメエリアの「グルメキングダム」や、子どもの職業体験イベント「キッザニア」も大きな見所になっています。クルマやモビリティは興味がないけれどグルメが好きな人や、子どもを連れて行っても楽しめるイベントになっている。キッザニアは各メーカーが頑張って工夫しています。マツダは砂型鋳造職人体験を出展していたりする。クルマメーカーは“自分たちのイベント”だと思って、どこも力を入れている印象があります。

任天堂・SIE不在、ダウンロードソフトの普及で変わるゲームショウの形

対するゲームショウは、任天堂やソニー・インタラクティブ・エンタテインメント(SIE)など大手のベンダーが抜け、その存在価値が問われてきましたが、最近はeスポーツに急速にかじを切っています。昨年まではeスポーツ大会が開かれていましたし、今年も各社のブースにeスポーツ選手が多数招かれていました。それはある種、正しい方向性ではないかなと考えます。

1980~90年代のゲームショウは本来、流通向けのセールス引き締めを目的とした見本市でした。でも今、ゲームはデジタル配信にほぼ移行しています。パッケージ版もありますが、ダウンロード購入する人が多く、流通企業が不在でもゲームが売れる時代になりました。ですから見本市的なものより、みんなでeスポーツを楽しもう、といったメッセージが受けるのかなと思います。

任天堂が流通を握ろうとしていたのは、ソニー(SIE)と戦争していた時代。流通側は、任天堂と組まないとファミコンソフトを売らせてもらえなくて、人気ハードやタイトルの在庫確保では昔からのおもちゃ屋さんが謎に強かった。それを打破したのがソニーです。CDを売っているお店はPlayStationのゲームを売れるようになり、それに対抗して任天堂がまた何か仕掛けるという流通戦争でした。

配信がメインになった今、ハードウェア以外は、いわゆる物流を伴う流通に乗せなくてよくなった。ソニーや任天堂は、毎月自前でオンラインイベントを行って新作を発表しており、そちらの方が影響力が強くなっているから、ゲームショウに出る必要がないんですよね。でも今回のゲームショウで面白かったのは、自前の配信力が強いカプコンがゲームショウにも出ていたこと。eスポーツの文脈で、「ストリートファイター6」が頑張っているんです。

私もゲームソフトはダウンロード派で、量販店に買いに行くことはありません。パッケージを家に置くと、子どもたちが開けまくったりなくしたりするので。

PlayStationは4Kのコンテンツが当たり前だからゲームの容量が大きくて、SSDを増量してもすぐ埋まってしまうんですが、Nintendo SwitchはHD画質までだからゲーム容量が軽く、1TBぐらいのメモリカードを買うとどんどんゲーム入れられて幸せになれます。「ゼルダの伝説」最新作でも20GBだから、4K画質は必要ないなと思いますね。セーブデータもオンラインに保存しておけば、ゲームを本体から削除しても、後でインストールし直せばいい。エコシステムがよく考えられていますね。

モーターショー(モビリティショー)では、トヨタ自動車など日本のトップ企業が軒並み参加し、モビリティ業界全体で盛り上がり続けているのに対して、ゲームショウは大手の日本メーカーがバラバラになってしまった。各社とも「自社のプライベートショーだけで十分」っていう感じがありますよね。流通向けという意義はもう失われているし、任天堂やSIEといった、ハードを出しているところに権力が偏ってしまう問題もあるかもしれません。

プラットフォームでいうと、Appleは出ていないけどGoogleは出展していますね。Microsoftも出ています。Xboxはゲーム用ハードウェアの名称というよりは、Windowsが標準で備える機能(またはサービス)の位置付けになりました。PCゲームのインフラになるかたちで盛り返しているんですよね。Microsoft謹製のSteam的な。ハードウェアとしてのXboxも、もともとはPCに近いアーキテクチャでしたからね。

Xboxに限らずPCとコンソール機の境界は曖昧になってきています。PlayStation 5もアーキテクチャは、ほぼPCですし。その点、Switchだけは違う生態系を築いています。発表当初はみんな「売れない」と思っていたSwitchですが、めちゃくちゃ売れましたね。最初は家庭に1台でいいかなと思うんですが、1人1台にしないと納得してもらえない感じになりました。価格設定も、当時は結構高いと思っていましたが、今は安いと感じられるぐらいです。
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鷹木 創

編集主幹
2002年以来、編集記者や編集長などとしてメディアビジネスに携わる。インプレス、アイティメディアと転職し、2013年にEngadget日本版の編集長に就任。 その後スマートニュースに転職。国内トップクラスの機械学習を活用したアプリ開発会社においてビジネス開発として活躍。2021年からはフリーランスとして独立、IBM、Google などのオウンドメディアをサポートしている。

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