GMOインターネットグループでエンジニアをしている新里です。こんにちは。
僕は2025年1月に開催されたCES(シーイーエス、Consumer Electrics Show)に行ってきました。CESとは、毎年1月にラスベガスで開催されている世界最大規模の見本市です。初日から行ってきましたが、予想通り、大量の来場者でごった返していました。そこで、いろいろと面白いものに出合えたので、その中からいくつか紹介したいと思います。
あ、最初に書いておこうかな……。全体としては、以下のような所感を持ちました。
・機能としてAI・推論が入っているモノしかない
・ヒトも機械もAI・推論が使えないと生き残れない
・ハード・AIの共創により多様なプロダクトが生まれている
サービス・機能レベルでは、ほぼ全てのモノに何かしらのAI・推論が使われていました(構成単位となるパーツ、モーターやセンサー・抵抗などは除いて)。ヒトの機能拡張・フィードバックや寄り添い補助、機械同士の連携強化でデータを活用したAI的な機能・推論は、もはやデフォルトになった感がありますね。この点では、もう後戻りできない世界に入ってきたと強く感じます。また、ハードウェアの小型化・高性能化と、AI・推論による恩恵を多くのプロダクトが受けていると感じました。
僕は2025年1月に開催されたCES(シーイーエス、Consumer Electrics Show)に行ってきました。CESとは、毎年1月にラスベガスで開催されている世界最大規模の見本市です。初日から行ってきましたが、予想通り、大量の来場者でごった返していました。そこで、いろいろと面白いものに出合えたので、その中からいくつか紹介したいと思います。
あ、最初に書いておこうかな……。全体としては、以下のような所感を持ちました。
・機能としてAI・推論が入っているモノしかない
・ヒトも機械もAI・推論が使えないと生き残れない
・ハード・AIの共創により多様なプロダクトが生まれている
サービス・機能レベルでは、ほぼ全てのモノに何かしらのAI・推論が使われていました(構成単位となるパーツ、モーターやセンサー・抵抗などは除いて)。ヒトの機能拡張・フィードバックや寄り添い補助、機械同士の連携強化でデータを活用したAI的な機能・推論は、もはやデフォルトになった感がありますね。この点では、もう後戻りできない世界に入ってきたと強く感じます。また、ハードウェアの小型化・高性能化と、AI・推論による恩恵を多くのプロダクトが受けていると感じました。

これは面白いと思ったプロダクト
いろいろと回ってみて、「これはヤバい!(面白い!)」と感じたモノを、まずは写真と共にいくつか紹介します。
HAPLY Robotics「Inverse3」「MinVerse」
力や振動などの物理的感覚をユーザーに与える「力覚フィードバック」を行う装置は、いろいろと触ったり使ったりした気でいましたが、恥ずかしながら、こんなすさまじいモノを自分は知りませんでした。
ふらっと会場を歩いていて、ナニコレと気になって、この触覚フィードバックがある3Dコントローラー「Inverse3」を触ってみたら、「なにこれ、すごい!!」の一言に尽きました。
最大0.01mmの解像度と4kHzのリフレッシュレートで、フィードバックがあまりにも繊細で、かなり驚きでした。「ほんとすごい」と感じたのもそのはずで、同じテクノロジーを使った同社のタッチ対応3Dマウス「MinVerse」は、CES 2025 Best Innocation Awardsを受賞していました。
ふらっと会場を歩いていて、ナニコレと気になって、この触覚フィードバックがある3Dコントローラー「Inverse3」を触ってみたら、「なにこれ、すごい!!」の一言に尽きました。
最大0.01mmの解像度と4kHzのリフレッシュレートで、フィードバックがあまりにも繊細で、かなり驚きでした。「ほんとすごい」と感じたのもそのはずで、同じテクノロジーを使った同社のタッチ対応3Dマウス「MinVerse」は、CES 2025 Best Innocation Awardsを受賞していました。

画面上の面を操作している様子

ロボットアームとの相性はまさに最高

両手持ちで手術をするデモを行っていました
Glidance「Glide」
シアトルの視覚障害者向けのロボット会社・Glidanceの「The World’s First Intelligent Guide(世界初のインテリジェントガイド)」といううたい文句に反応し、立ち寄りました。
同社製品の「Glide」は、目の不自由な人が持つ車輪付きの杖のようなロボット。持ち手の左右から手への振動と音声で誘導してくれます。触覚フィードバックと 、音声対話用スピーカーだけでなく、よくよく見るとカメラが何個か付いていて、自動ステアリング、自動ブレーキなど機能もりもり。
CEOは視覚を失った方で、英国盲導犬協会の理事長を務めていたほか、マイクロソフトリサーチでAIとロボットを使った製品開発も担っていたそう。「自分のための最強のデバイスを他のみんなにも使ってほしい!!」みたいな感じがカッコよすぎます。
同社製品の「Glide」は、目の不自由な人が持つ車輪付きの杖のようなロボット。持ち手の左右から手への振動と音声で誘導してくれます。触覚フィードバックと 、音声対話用スピーカーだけでなく、よくよく見るとカメラが何個か付いていて、自動ステアリング、自動ブレーキなど機能もりもり。
CEOは視覚を失った方で、英国盲導犬協会の理事長を務めていたほか、マイクロソフトリサーチでAIとロボットを使った製品開発も担っていたそう。「自分のための最強のデバイスを他のみんなにも使ってほしい!!」みたいな感じがカッコよすぎます。

会場にはデモ機が何台か。僕は目が不自由ではないですが、少し触らせてもらいました
Agility Robotics「Digit」
ラスベガス・コンベンションセンター(LVCC)のモビリティ関連の展示ホールを歩いていたら、ドイツの自動車部品製造大手・Schaefflerのブースで、Agility Roboticsのロボが作業していました。
Agility Robotics CES 2025
via www.youtube.com
Agility Roboticsのロボといえば、CES 2025 NVIDIA Json HuangのKeynoteのロボ一覧登場シーンで、NVIDIA CEOのJason Huangの隣に出てきたロボですね。
Agility Roboticsのロボは知っていましたが、実際に動作しているのを眼の前で見たことがなかったので、ちょっと感動。前後左右と下向きにカメラ(見たところでは、インテルの「RealSense」)が登載されていました。
Agility Roboticsのロボは知っていましたが、実際に動作しているのを眼の前で見たことがなかったので、ちょっと感動。前後左右と下向きにカメラ(見たところでは、インテルの「RealSense」)が登載されていました。

CES 2025 NVIDIA keynoteより。左がAgility Robotics「Digit」、右が「Figure 02」

寝転んで充電している
Humanoid
会場には、ほかにもいろいろなロボットがいました。中国のロボット企業・UnitreeやDeep Roboticsのブース周りはたくさんの人だかりで注目度が高かったです。
また、上で紹介した以外にも、手を振ったり、直立不動であったり、何体か二足歩行のHumanoid(人型ロボット)がいました。Booster Roboticsの二足歩行ロボットは他会場まで練り歩いていて、周りには人だかりができていました。同社のブースはLVCC South Hallで、故障したロボットをエンジニアさんが補修していました。
とても驚いたのがEnchanted Toolsの玉乗りロボットで、インタビューを受けて話していました。取材を受けるロボットというのも構図として面白いですが、まさかの玉乗り。安定していてめちゃくちゃ驚きました。
また、上で紹介した以外にも、手を振ったり、直立不動であったり、何体か二足歩行のHumanoid(人型ロボット)がいました。Booster Roboticsの二足歩行ロボットは他会場まで練り歩いていて、周りには人だかりができていました。同社のブースはLVCC South Hallで、故障したロボットをエンジニアさんが補修していました。
とても驚いたのがEnchanted Toolsの玉乗りロボットで、インタビューを受けて話していました。取材を受けるロボットというのも構図として面白いですが、まさかの玉乗り。安定していてめちゃくちゃ驚きました。

Ti5Robot https://www.ti5robot.com/

RoboSense https://www.robosense.ai/en

Booster Robotics https://www.boosterobotics.com/

CASBOT https://www.casbot.tech/

Enchanted Tools https://enchanted.tools/
Agility Roboticsのロボットをはじめ、よーく見てみると、「RealSense祭り会場はここですか?」と言いたくなるほど、どのロボにもカメラにRealSenseが採用されています(たまにOrbbecがあったり)。ほんとRealSenseは相変わらずよく使われていますね。

GMOインターネットグループ 新里祐教
GMOインターネットグループ特命担当プログラマ、デベロッパーエキスパート
先端技術から個人制作・OSS・技術誌での執筆など広く行う。 2019-2020年「IPA 未踏ターゲット ゲート式量子コンピュータ向けソフトウェア開発」、2022年「第25回文化庁メディア芸術祭 エンターテイメント部門 審査委員会推薦作品」、ほかイベントやハッカソンでの受賞など、制作した作品の展示をMaker Faireなどで行っている。