生成AIの利用実態・意識調査を日米で実施 生成AIを「チャンス」と考える人は米国で日本の約2倍!

安蔵 靖志

AIGMOインターネットグループ調査・レポート
GMOインターネットグループでインターネットリサーチ事業を展開するGMOリサーチは、世界53の国と地域で自社が展開する調査ネットワーク「Global Panel」のうち、日本と米国のモニター合計2095人を対象に、「生成AIの利用実態・意識に関する調査」を実施しました。この調査は、日米の比較を通じて生成AIの利用に関する洞察を提供し、意識を高めて活用を促進することを目的に実施したとのことです。

調査結果は、AIに対して肯定的な人の割合は日米間で大きな差はなかったものの、生成AIの業務利用経験は米国の方が進んでおり、さらに勤務する会社への生成AIの影響を「チャンス」と考える人は米国は日本の約2倍に上ることが分かりました。

AIに肯定的な人の割合は日米間で大きな差はないものの、利用者は米国が先行

まずはAI(人工知能)技術についてどのように感じているかを、「非常に肯定的」から「非常に否定的」まで7段階で尋ねました。生成AIを認知している人で、人工知能に肯定的な人(上位2つの選択肢を選んだ人)は日本が約20.9%、米国が約24.2%と両国で大きな隔たりはありませんでした。一方、否定的な人(下位2つの選択肢を選んだ人)は、日本では約3.7%とごく少数だったのに対し、米国では約13.4%と日本と比べて否定的な意見の割合が多く、米国での意識がやや両極化していると分かりました。

「AIに対する意識」に対する日米の回答結果

また生成AIを認知している人のうち、業務利用や個人的な利用などで既に利用経験のある人は、日本は約18.7%、米国は約29.5%と、やや米国の方が生成AIの活用が進んでいることが分かりました。

「生成AIの利用状況」に対する日米の回答結果

米国で肯定・否定に対する意識が両極化している背景には、生成AIの利用や理解が進んでいるため、はっきりとした意識を抱いている人が多いことがあると推測できます。

次に生成AIの業務利用経験について尋ねたところ、利用経験があると答えた人は日本で約10.7%、米国で約29.5%と差のある結果となりました。

そこで、業務利用未経験者に「利用していない理由」を尋ねたところ、日米ともに40%弱の人が「生成AIの利用方法が分からないから」と回答しました。

また米国では、日本より「社内/部内でのコミュニケーションが不足するから」「生成AIの安全性/品質に問題があると思うから」を利用していない理由として挙げる人が多い結果になりました。一方、日本では米国より「利用に費用がかかるから」を理由として回答する人が多い結果となりました。

「生成AIの業務利用経験と利用していない理由」に対する日米の回答結果

勤務する会社への生成AIの影響を「チャンス」と考える人は、米国が日本の約2倍

また、生成AIの勤務する会社に対する影響について尋ねたところ、日米ともに「脅威」よりも「チャンス」と捉えている人が圧倒的に多い回答となりました。ただし「大きなチャンスである」「チャンスである」と回答した人が日本では約32.8%だったのに対し、米国では約63.2%と米国が約2倍という結果になりました。

「生成AIの勤務する会社への影響」に対する日米の回答結果

「チャンス」と考える人に、自社の生成AIの活用姿勢を尋ねたところ、日本では約60.8%、米国では約69.8%の人が「積極的」だと認識していました。一方で「脅威」だと感じる人は、日米ともに半数近くの人が「消極的」と認識していることが分かりました。

「勤務する会社の生成AIに対する姿勢(会社への影響別)」に対する日米の回答結果

このような結果から、生成AIの影響が「チャンス」と考える回答と、勤務する会社の活用姿勢が「積極的」という回答は、正の相関関係が見てとれます。

さらに、脅威~チャンスの回答を生成AIの業務利用経験の有無で見ると、業務利用経験者は未経験者と比較して、自社への生成AIの影響について「チャンス」だと認識する人の割合は、日本が約56ポイント、米国が約36ポイント増加しています。

「生成AIの勤務する会社への影響(生成AIの業務利用経験の有無別)」に対する日米の回答結果

実際に業務で利用することにより、具体的な活用イメージが湧き、生成AIにポジティブな可能性を感じるのではないかと推測できます。

生成AIの利用状況についての日本と米国の比較から、両国にその利用経験の大きな差は見られませんでした。しかし業務利用については米国の方が進んでおり、会社に与える影響についてもポジティブに捉えていることがうかがえます。一方、日本ではまだ積極的な姿勢や利用実態が限定的であることが示唆されました。

生成AIとしては、米OpenAIが開発する「ChatGPT」などが有名です。ChatGPTはWebサイトを通じて無料で利用できるだけでなく、活用法を紹介するWebサイトも多くあり、雑誌や書籍なども多数販売されています。「活用法が分からない」という人は、まずそうした活用法を紹介するWebサイトなどに触れてみて、一度使ってみることをおすすめします。ビジネスやプライベートでにおける生成AIの活用方法が見えてくることでしょう。

■調査概要
・調査テーマ:生成 AI の利用実態・意識に関する調査
・調査地域 :日本、米国
・回答者数 :日本1047人、米国1048人
・調査対象 :生成AIについて認知している20歳~69歳の正社員
・調査期間 :2023年8月9日~8月18日
・調査方法 :オンライン調査

安蔵 靖志

Techジャーナリスト/家電エバンジェリスト
家電製品協会認定 家電製品総合アドバイザー(プラチナグレード)、スマートマスター。AllAbout デジタル・家電ガイド。ビジネス・IT系出版社を経てフリーに。デジタル家電や生活家電に関連する記事を執筆するほか、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。KBCラジオ「キャイ~ンの家電ソムリエ」にレギュラー出演するほか、ラジオ番組の家電製品紹介コーナーの商品リサーチ・構成にも携わっている。

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