あらゆる多幸感を連れてきたスティーブ・アオキ
普段は社員食堂であるというパーティー会場に入ると、ひたすらにアゲなMCとDJによるプレイが大音量で、キャッチーなキーワードを叩き出しながら空間をジャック。しかし良質なサウンドシステムが組まれていたおかげか、ほどよく会話や社交もしやすく、サーブされていたおいしいシャンパンやワインが進む進む。コロナの期間になかなか会えなかった友達や仕事仲間とも久しぶりに再会できたりして、久しぶりに楽しいパーティータイムに。そして何よりガラス越しの渋谷の夜景が本当にきれいでした。しかし忘れてはならないのは、ここはそもそも社員食堂! そのギャップ萌えもたまらなかったですね。
そして21時前にはスティーブ・アオキ氏が登場!まず驚いたのはスティーブ・アオキが放つ圧巻のオーラでした。まだプレイしていないのに、颯爽とブースの近くに現れただけで人の波は大移動! 絶対的なハッピーオーラというか「七福神を全員連れてきました!」みたいにキラキラしていたんです。厄除招福から商売繁盛まで、あらゆる多幸感を連れてきてみんなのところにやってきましたよ!という感じ。
そして21時前にはスティーブ・アオキ氏が登場!まず驚いたのはスティーブ・アオキが放つ圧巻のオーラでした。まだプレイしていないのに、颯爽とブースの近くに現れただけで人の波は大移動! 絶対的なハッピーオーラというか「七福神を全員連れてきました!」みたいにキラキラしていたんです。厄除招福から商売繁盛まで、あらゆる多幸感を連れてきてみんなのところにやってきましたよ!という感じ。
会場にありとあらゆる多幸感を連れてきたスティーブ・アオキ氏
プレイが始まると一瞬たりとて目も耳も離す隙のない、自然と没入してしまうMCと音楽で、今まで踊っていなかったゲストも自然と踊り出すという理想的なパーティータイムのベストな光景を拝むことができました。
アオキのケーキ・ミーは神聖な「ソンクラン」のよう
終盤には恒例のケーキタイム! スティーブ・アオキ氏がDJプレイ中に客席に向かってケーキを投げる「ケーキ・ミー」のパフォーマンスは、ネット上では見たことがありましたが、どうしてそんな流れになって、なぜそれがお客さんに喜ばれているのかは、正直に言うと理解できていませんでした。
でも、本当に不思議なことに、実際に目の当たりにすると「わぁ!ケーキの時間だ!」みたいに自然と童心に帰るムードが会場を包み込んでいるのがわかりました。今ここでケーキの洗礼を受けることが、まるで幸福の証であるかのようなのです。そしてケーキが投げ込まれると会場のボルテージとハッピー度数は最高潮に!
でも、本当に不思議なことに、実際に目の当たりにすると「わぁ!ケーキの時間だ!」みたいに自然と童心に帰るムードが会場を包み込んでいるのがわかりました。今ここでケーキの洗礼を受けることが、まるで幸福の証であるかのようなのです。そしてケーキが投げ込まれると会場のボルテージとハッピー度数は最高潮に!
ケーキの洗礼をみんなで浴びました
それはそれは圧巻の限りで、「強いなぁ、強いなぁ、あっぱれだよ」と同伴した仕事仲間と何度も乾杯。それにしても、なんだろうこの感覚? どこかで似た体験をしたような……? と考えを巡らしてみて辿り着いた答えは、豊作を願うタイの水かけ祭り「ソンクラン」でした。
ソンクランとは、タイ王国の旧正月のお祭りです。毎年4月13日から15日にかけて開催されます。
旧正月を祝い、仏像や年長者に水をかけてお清めをする伝統的な風習が、暑さをしのぐ意味合いからやがて発展して、近年は街で通行人同士も水をかけあって楽しむ祭りとして知られるようになりました。
この時期は水をかけられても誰も文句は言えず、仕事にも支障をきたすことから休暇とする企業もあるのだとか。私も数年前に社員旅行でプーケットを訪れた際に体験しました。最初は街中で水をかけられっ放しで潔くずぶ濡れになりましたが、だんだん自分からも水をかけるようになり、ホテルへ戻る頃には独特の爽快感に包まれていました。
鬱屈とした「厄」が落ちて、新しい「福」がついた感覚のようなものが訪れていたのです。同伴した渋谷花魁のスタッフたちも普段はバースタッフとしてお客さんを楽しませる側ということもありますが、日本での日常とは違う景色を心から楽しみ、感銘を受けたようでした。
閉塞感と不安で凝り固まってしまった私の感覚や、今の渋谷に必要だったのは、まさにこんなソンクラン的パーティーだったのではないでしょうか? 負のオーラや延々と続く閉塞感の原因は、すぐに解決はしそうにありませんが、一旦区切りを付けて、一瞬でもいいから忘れることによって、まだまだ頑張れるかもってみんなが思える。立場を忘れて子供のように楽しんだり、笑うって本当に大切なことです。
GMO 渋谷FUTURE 2023で音とケーキが飛び交う光景を見て、日本の未来も、渋谷の未来もきっと明るくなると私は感じましたよ。
ソンクランとは、タイ王国の旧正月のお祭りです。毎年4月13日から15日にかけて開催されます。
旧正月を祝い、仏像や年長者に水をかけてお清めをする伝統的な風習が、暑さをしのぐ意味合いからやがて発展して、近年は街で通行人同士も水をかけあって楽しむ祭りとして知られるようになりました。
この時期は水をかけられても誰も文句は言えず、仕事にも支障をきたすことから休暇とする企業もあるのだとか。私も数年前に社員旅行でプーケットを訪れた際に体験しました。最初は街中で水をかけられっ放しで潔くずぶ濡れになりましたが、だんだん自分からも水をかけるようになり、ホテルへ戻る頃には独特の爽快感に包まれていました。
鬱屈とした「厄」が落ちて、新しい「福」がついた感覚のようなものが訪れていたのです。同伴した渋谷花魁のスタッフたちも普段はバースタッフとしてお客さんを楽しませる側ということもありますが、日本での日常とは違う景色を心から楽しみ、感銘を受けたようでした。
閉塞感と不安で凝り固まってしまった私の感覚や、今の渋谷に必要だったのは、まさにこんなソンクラン的パーティーだったのではないでしょうか? 負のオーラや延々と続く閉塞感の原因は、すぐに解決はしそうにありませんが、一旦区切りを付けて、一瞬でもいいから忘れることによって、まだまだ頑張れるかもってみんなが思える。立場を忘れて子供のように楽しんだり、笑うって本当に大切なことです。
GMO 渋谷FUTURE 2023で音とケーキが飛び交う光景を見て、日本の未来も、渋谷の未来もきっと明るくなると私は感じましたよ。
カワムラユキ
DJ、選曲家、作家
築60年の古民家をリノベーションした道玄坂のウォームアップ・バー「渋谷花魁」主宰。サウンドアメニティを提唱する空間選曲家、音と旅と株式会社のコンセプト・プロデューサー。近年は渋谷区役所の館内BGM選曲、「CYBERPUNK 2077」楽曲プロデュースなどを担当。90年代に体験した渋谷系からバレアリックまでを軸に、心の楽園を探求中。