最近は、地球温暖化の影響もあって3月中に夏日を迎え、10月ごろまで暑さが残ることもあり、以前よりエアコンを使う機会が増えたという家庭も多いのではないでしょうか。温暖化対策ももちろん重要ですが、熱中症を予防するのも重要ですので、特に夏場はエアコンをうまく活用したいところです。快適さを保ちつつ、できるだけ省エネを実現する方法を紹介しましょう。
1.ゴールデンウイーク前後には試運転をして動作確認しよう!
まずお伝えしておきたいのは、夏本番を迎える前に必ず試運転をしておくことです。エアコンの交換や設置は工事が必要ですが、特に夏本番になると工事の予約が取りづらくなり、繁忙期には1カ月以上先まで予約ができない場合もあるためです。
日本冷凍空調工業会は、エアコン試運転の啓蒙を目的に、4月10日を「エアコン試運転の日」と、2022年に制定しました。この時期から暑い日が出てくるので、だいたい4月の頭からゴールデンウイークくらいまでに試運転をしておきましょう。
試運転の詳しい方法は下の図を見てください。とはいえ、難しそうに見えるかもしれませんが、室内機(エアコン本体)、室外機の動作をチェックし、問題がなければ大丈夫です。問題が生じたら修理や交換を依頼しましょう。
日本冷凍空調工業会は、エアコン試運転の啓蒙を目的に、4月10日を「エアコン試運転の日」と、2022年に制定しました。この時期から暑い日が出てくるので、だいたい4月の頭からゴールデンウイークくらいまでに試運転をしておきましょう。
試運転の詳しい方法は下の図を見てください。とはいえ、難しそうに見えるかもしれませんが、室内機(エアコン本体)、室外機の動作をチェックし、問題がなければ大丈夫です。問題が生じたら修理や交換を依頼しましょう。
エアコンの試運転の方法(「エアコンシーズン前点検パンフレット」より)
2.エアコンの省エネ、基本は「設定温度」
次に、エアコンの省エネのコツを紹介しましょう。
エアコンの省エネの基本は「設定温度」にあります。環境省の「家庭でできる節電アクション」によると、夏の冷房時の温度設定を1℃高くすると約13%の消費電力の削減になり、冬の暖房時の温度設定を1℃低くすると約10%の消費電力の削減になるとされています。
とはいえ、あまり極端な温度設定にすると快適性が損なわれてしまうため、快適性と省エネのバランスを取りたいところです。
政府が推奨する夏の「クールビズ」では室温28℃、冬の「ウォームビズ」では室温20℃が推奨されています。地球温暖化対策として推奨されているため、できるだけ守りたいところではありますが、住環境によってはなかなか難しいかもしれません。
エアコンの省エネの基本は「設定温度」にあります。環境省の「家庭でできる節電アクション」によると、夏の冷房時の温度設定を1℃高くすると約13%の消費電力の削減になり、冬の暖房時の温度設定を1℃低くすると約10%の消費電力の削減になるとされています。
とはいえ、あまり極端な温度設定にすると快適性が損なわれてしまうため、快適性と省エネのバランスを取りたいところです。
政府が推奨する夏の「クールビズ」では室温28℃、冬の「ウォームビズ」では室温20℃が推奨されています。地球温暖化対策として推奨されているため、できるだけ守りたいところではありますが、住環境によってはなかなか難しいかもしれません。
政府は、冬は室温20℃、夏は室温28℃を推奨しています
3.風量は「弱」でなく「自動」に
また、節電をしたければ風量を「弱」にすればいいと思われがちですが、これは間違い。逆に消費電力が上がってしまう場合があります。
節電のためには、風量は「自動」が最も良いとされています。こうすることで、設定温度に到達するまでは高い冷房(暖房)能力と大風量で運転し、到達後は冷房(暖房)能力と風量を抑えて運転します。
風量を「弱」にしてしまうと、運転開始当初は同じように高い冷房(暖房)能力で運転するものの、風量が弱いため設定温度に到達までの時間が伸びてしまいます。場合によっては風量が弱いため設定温度にまで到達しない場合もあります。体に強い風が当たるのが苦手という場合を除き、風量を「弱」にするのはおすすめしません。
つまり、夏の冷房は26~28℃、冬の暖房は20~23℃くらいを目安に、風量は「自動」で運転するのが、快適性と節電のバランスが取れた運転方法です。
節電のためには、風量は「自動」が最も良いとされています。こうすることで、設定温度に到達するまでは高い冷房(暖房)能力と大風量で運転し、到達後は冷房(暖房)能力と風量を抑えて運転します。
風量を「弱」にしてしまうと、運転開始当初は同じように高い冷房(暖房)能力で運転するものの、風量が弱いため設定温度に到達までの時間が伸びてしまいます。場合によっては風量が弱いため設定温度にまで到達しない場合もあります。体に強い風が当たるのが苦手という場合を除き、風量を「弱」にするのはおすすめしません。
つまり、夏の冷房は26~28℃、冬の暖房は20~23℃くらいを目安に、風量は「自動」で運転するのが、快適性と節電のバランスが取れた運転方法です。
夏の時期は「冷房」や「除湿」ではなく「自動」を選びましょう
4.「除湿」運転での省エネはおすすめしません
夏場は、冷房運転よりも除湿運転の方が省エネになりますが、冷房運転の代わりとして除湿運転を使うことはおすすめできません。冷房で、室温を設定温度まで下げて維持すると、結果として湿度も下がります。除湿運転は「弱冷房除湿」とも呼ばれ、弱い冷房運転によって湿度を下げると、結果として室温も下がるということなのです。除湿運転のほうが消費電力は低いのですが、室温が下がりにくいため、猛暑日などの暑い日には、いくら運転し続けても快適な温度にならない危険性があるのです。
快適さと省エネ性のバランスを取りたいのであれば、「冷房」や「除湿」ではなく「自動」を選ぶのが最適です。温度を設定して自動運転を選べば、エアコンが冷房と除湿から最適なモードを選んで運転してくれるので、快適性を損なわずに省エネ運転をしてくれます。節電を目的に考えると、結局は運転モードも風量もすべて「自動」にするのが一番いいのです。
快適さと省エネ性のバランスを取りたいのであれば、「冷房」や「除湿」ではなく「自動」を選ぶのが最適です。温度を設定して自動運転を選べば、エアコンが冷房と除湿から最適なモードを選んで運転してくれるので、快適性を損なわずに省エネ運転をしてくれます。節電を目的に考えると、結局は運転モードも風量もすべて「自動」にするのが一番いいのです。
安蔵 靖志
Techジャーナリスト/家電エバンジェリスト
家電製品協会認定 家電製品総合アドバイザー(プラチナグレード)、スマートマスター。AllAbout デジタル・家電ガイド。ビジネス・IT系出版社を経てフリーに。デジタル家電や生活家電に関連する記事を執筆するほか、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。KBCラジオ「キャイ~ンの家電ソムリエ」にレギュラー出演するほか、ラジオ番組の家電製品紹介コーナーの商品リサーチ・構成にも携わっている。