筆者がシニアのスマートフォン事情を知るようになったのは、地元の自治会を手伝うようになり、いろいろな世代の知り合いができたことがきっかけだ。
知り合ったなかで特に多かったのがシニア世代で、70歳以上でも皆さんとてもアクティブ。だが、夫婦だけや一人暮らしの方が多いからか、筆者が「IT系のライターをしている」ことが分かると、さまざまな困りごとを相談されるようになった。
その内容は、例えば「Wi-Fiがつながらない」から始まり、「スマートフォンがウイルス感染した」まで、要は息子世代に電話で聞くようなものだ。今回は、それらを解決していくなかで分かった困りごとと、シニアのスマホ利用を最適化する方法をお話したい。
知り合ったなかで特に多かったのがシニア世代で、70歳以上でも皆さんとてもアクティブ。だが、夫婦だけや一人暮らしの方が多いからか、筆者が「IT系のライターをしている」ことが分かると、さまざまな困りごとを相談されるようになった。
その内容は、例えば「Wi-Fiがつながらない」から始まり、「スマートフォンがウイルス感染した」まで、要は息子世代に電話で聞くようなものだ。今回は、それらを解決していくなかで分かった困りごとと、シニアのスマホ利用を最適化する方法をお話したい。
人助けで知ったシニアのスマートフォン事情
らくらくスマートフォンからの乗り換えは慎重に、Androidならアンチウイルスアプリは必須
私の周りでは10年ほど前まで、シニアが利用するスマートフォンはドコモの「らくらくスマートフォン」の割合が非常に高かった。らくらくスマートフォンはAndroidをベースに独自のシンプルなホーム画面を採用した、シニアでも安心して使えるというコンセプトの端末だ。現行製品で、SIMフリーモデルも販売されている。
しかし数年前から、徐々にらくらくスマートフォンからAndroidやiPhoneの端末に乗り換えるシニアが増加。同時期から、不正アプリの被害に遭う事例が増えている。
というのも、らくらくスマートフォンから乗り換えるシニアは、そのベースになったAndoroid端末を選ぶケースが多い。Androidは、アプリストアのGoogle Playはもちろん、それ以外からアプリをダウンロード・インストールできるため、不正アプリのインストールの被害に遭いやすいようだ。個人的にも何度か復旧を手伝ったことがある。
というのも、登場時のらくらくスマートフォンはGoogle Playストア自体が使えなかったため、不便だが安全ではあった(現在はGoogle Playストアも使用できる)。このように、らくらくスマートフォンはセキュリティが非常に充実している上、サポートも受けられたため、そのままの気分で普通のAndroid端末に乗り換えると、セキュリティでもサポートでも、補助輪を外したような状態になってしまいがちだ。相手が子どもなら、インストールするアプリの管理を保護者ができるが、シニアは見守りなしでいきなり実践に入ることになる。
私の周りのシニアでは、一見真面目な記事に見える広告にだまされて偽のソフトを入れてしまう「不正ダウンロード」の被害が多く、一度感染すると、マルウェアが何重にも起動して動作が重くなり、最後には電話すらできなくなる。偽広告には、クリーナーアプリや天気予報、ゲーム、ブラウザーなどさまざまな不正アプリのパターンがあり、すべてを判断するのはシニアには難しい。シニアがAndroid端末を使うなら、見守ってくれるセキュリティ対策アプリは必須にしたい。
というのも、らくらくスマートフォンから乗り換えるシニアは、そのベースになったAndoroid端末を選ぶケースが多い。Androidは、アプリストアのGoogle Playはもちろん、それ以外からアプリをダウンロード・インストールできるため、不正アプリのインストールの被害に遭いやすいようだ。個人的にも何度か復旧を手伝ったことがある。
というのも、登場時のらくらくスマートフォンはGoogle Playストア自体が使えなかったため、不便だが安全ではあった(現在はGoogle Playストアも使用できる)。このように、らくらくスマートフォンはセキュリティが非常に充実している上、サポートも受けられたため、そのままの気分で普通のAndroid端末に乗り換えると、セキュリティでもサポートでも、補助輪を外したような状態になってしまいがちだ。相手が子どもなら、インストールするアプリの管理を保護者ができるが、シニアは見守りなしでいきなり実践に入ることになる。
私の周りのシニアでは、一見真面目な記事に見える広告にだまされて偽のソフトを入れてしまう「不正ダウンロード」の被害が多く、一度感染すると、マルウェアが何重にも起動して動作が重くなり、最後には電話すらできなくなる。偽広告には、クリーナーアプリや天気予報、ゲーム、ブラウザーなどさまざまな不正アプリのパターンがあり、すべてを判断するのはシニアには難しい。シニアがAndroid端末を使うなら、見守ってくれるセキュリティ対策アプリは必須にしたい。

Android端末を使うシニアに不正アプリのダウンロード被害が多い
ネット通販は画面の大きなパソコンやタブレットを、タッチペンも併用で
足を悪くしたシニアに、ネット通販を手伝ってほしいと言われたこともあった。確かに、決済まで何度もボタンを押す必要があるので、どこまでやれば本当に買えたのか分かりにくいのだろう。ほかにも、「注文できたはず」と誤解して数カ月間ショッピングカートに入れたままだった事例を見たこともある。最終的には「注文完了メールが来ているかどうか」で判断してほしいと説明している。
とはいえネット通販の場合は、一度正しく注文できれば、2回目からは本人だけで使いこなせることがほとんどだが、返品方法が分からないという人も多いので、セットで説明して本人にメモしてもらうと完璧だ。
またスマートフォンの画面は、実際にシニアが商品を選ぶには小さすぎるように見える。パソコンやタブレットがあるなら、ネット通販はそちらでしてもらうように勧めている。
とはいえネット通販の場合は、一度正しく注文できれば、2回目からは本人だけで使いこなせることがほとんどだが、返品方法が分からないという人も多いので、セットで説明して本人にメモしてもらうと完璧だ。
またスマートフォンの画面は、実際にシニアが商品を選ぶには小さすぎるように見える。パソコンやタブレットがあるなら、ネット通販はそちらでしてもらうように勧めている。

ネット通販は無理にスマートフォンにこだわらず、パソコンやタブレットの併用がお勧め
シニアがスマートフォンを操作する様子を見ていると、指で画面をタップする操作が苦手な人が多く、ボタンのように長押しする傾向がある。乾燥した指先だと反応しづらいという事情もあるので、先の柔らかいタッチペンがあると操作しやすい。ネット通販ではプルダウンや数字入力なども多いので、小さな範囲をうまく押せずにイライラすることが多いからだ。タッチペンは100円ショップでも売っているので、使うかどうか分からなくてもとりあえず買っておき、試してもらうのがお勧め。ペンがあった方がよさそうなら、いっそ小型のタッチペンをストラップにつけておこう。

画面のタップが苦手なシニアも多い。タッチペンがあると操作しやすいことも

赤池 淳子
編集・ライター
1973年東京都生まれ。IT系出版社を経て編集者兼ライターに。雑誌やWeb媒体での執筆・編集を行う。家電、旅行、まちづくり、子どものプログラミング教育などのテーマを追いかけている。