便利な「銀行アプリ」、でも認知機能は大丈夫?
銀行アプリを使っているシニアもかなり多い。銀行の店頭でスマートフォンの活用講座も行われていて、インストールも丁寧に説明してくれるので、利用できるまでのハードルは実はそれほど高くない。
ただ「銀行のアプリの操作に困っている」と相談されて手伝うと、ATMほど監視が厳しくなく、そばで見守る人のいない状態で使える銀行アプリの怖さをどうしても感じる。銀行アプリもシニアが元気なうちは非常に便利なのだが、認知機能に不安が出始める時期には、実際に心配な場面を見かけたこともあり、本当に普段から大丈夫だろうかと心配になる。
しかも、そんな段階になったシニアに対し、その子どもたちが良かれと思ってサポートしようとしても、「お金を取られる」とケンカになったという話もよく聞いた。今はほとんどの銀行で高齢者をサポートするさまざまなサービスが提供されていて、アプリ上で登録した家族が取引内容を参照できる「家族口座見守りサービス」などを提供している銀行も多い。本人がしっかりしているうちにシニア向けのサービスの説明を受けておき、いざ必要になったときに契約できるよう準備しておくことをお勧めしたい。
ただ「銀行のアプリの操作に困っている」と相談されて手伝うと、ATMほど監視が厳しくなく、そばで見守る人のいない状態で使える銀行アプリの怖さをどうしても感じる。銀行アプリもシニアが元気なうちは非常に便利なのだが、認知機能に不安が出始める時期には、実際に心配な場面を見かけたこともあり、本当に普段から大丈夫だろうかと心配になる。
しかも、そんな段階になったシニアに対し、その子どもたちが良かれと思ってサポートしようとしても、「お金を取られる」とケンカになったという話もよく聞いた。今はほとんどの銀行で高齢者をサポートするさまざまなサービスが提供されていて、アプリ上で登録した家族が取引内容を参照できる「家族口座見守りサービス」などを提供している銀行も多い。本人がしっかりしているうちにシニア向けのサービスの説明を受けておき、いざ必要になったときに契約できるよう準備しておくことをお勧めしたい。

銀行にはシニア向けサービスが充実。元気なうちに家族も含めて相談したい
個人的には、もし自分がシニアになったら、毎日持ち歩くスマートフォンに銀行アプリを入れること自体が怖くなりそうだ。その時がきたら、銀行のオンライン取引は自宅から持ち出さないパソコンやタブレットに設定し、大きな画面でしっかり数字を見て操作したいと思っている。
ケータイキャリアショップは減少、サポートは最大限受けよう
シニアの知り合いから「ドコモショップに行こうと思ったけれど、近くの店舗が閉店してしまった」という話もよく聞く。実際、NTTドコモは2022年から計画的にドコモショップを削減していて、我が家の近くのドコモショップもこのタイミングで閉鎖されてしまった。
残った店舗でも、2024年からはスマートフォンの操作や設定のサポートが「あんしん店頭サポート」という予約制の有料サービスで提供されている。都度相談したい人は1回3300円(税込、以下同)。月額990円の「定額プラン」もあり、これなら1日1回最大30分間、予約すれば月に何度でも利用できる。よくできたサブスクだ。
残った店舗でも、2024年からはスマートフォンの操作や設定のサポートが「あんしん店頭サポート」という予約制の有料サービスで提供されている。都度相談したい人は1回3300円(税込、以下同)。月額990円の「定額プラン」もあり、これなら1日1回最大30分間、予約すれば月に何度でも利用できる。よくできたサブスクだ。
ただ高齢になると「時間を予約して遠くの店舗に相談に行く」こと自体が一苦労で、気軽に相談に行く人は減ったようだ。かつては、NTTドコモに限らず各キャリアの店頭で実施されている「スマホ教室」がシニアの社交場になっていたそうで、店舗の閉鎖でその機会が減ったことを嘆くシニアも多い。とはいえ各キャリアとも、ショップの店頭では今も「スマホ教室」が定期的に開催されているので、積極的に利用したいところ。
このシニアのスマホサポートについては行政も認識していて、各地で「スマホ相談会」などが実施されているので最大限利用しよう。しかし、この開催情報自体が本人になかなか届きにくいというジレンマがあり、パソコンやスマートフォンを使いこなせれば情報は手に入るのだが、使いこなすための情報を得たい状態なのだ。特に独居の男性シニアは、情報源となる地域活動にかかわらないことが多いので、スマートフォンを使いこなせるようになるまで、子ども世代が情報をなるべく届けたほうがいいだろう。
このシニアのスマホサポートについては行政も認識していて、各地で「スマホ相談会」などが実施されているので最大限利用しよう。しかし、この開催情報自体が本人になかなか届きにくいというジレンマがあり、パソコンやスマートフォンを使いこなせれば情報は手に入るのだが、使いこなすための情報を得たい状態なのだ。特に独居の男性シニアは、情報源となる地域活動にかかわらないことが多いので、スマートフォンを使いこなせるようになるまで、子ども世代が情報をなるべく届けたほうがいいだろう。

赤池 淳子
編集・ライター
1973年東京都生まれ。IT系出版社を経て編集者兼ライターに。雑誌やWeb媒体での執筆・編集を行う。家電、旅行、まちづくり、子どものプログラミング教育などのテーマを追いかけている。